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2016年01月14日

「美しい犬」の文化

こんなコラムを見つけた。
トリマー・ライフヒストリー

青山ケンネルのビジネススクールの学長によるコラムだ。
戦後間もない頃から、「美しい犬」を創り上げるトリマーという職業に従事されてきた重鎮である。
このコラムを読んで、一つの発見があった。
それは、「美しい犬」の文化は、アメリカからやってきたものだということ。
戦後間もない日本では、生きていくことがやっとと言う状態。
焦土から立ち上がり、やがて高度経済成長期を迎え、敗戦によって失った日本人の誇りを取り戻していく。
そんな時代の中にありながら、学長は、アメリカの文化に出会い、魅了されていったのだ。
ドッグショーどころではなかった、当時の日本。
アメリカによって各地で接収が続いていたのもこの頃。
身近に存在する「アメリカ」に、複雑な心境を隠せなかった日本人。
その中で、異文化に魅了されていく人々も徐々に現れてくる。

アメリカには犬の散髪屋があるとか
人間だけでなく犬の被毛も美しくカットする文化。
日本は当時かなり遅れを取っていたことが想像に難くない。
接収はまぎれもなく敗戦による影響だ。
しかし、この影響で、私のような戦後生まれの人間でも夢中になってしまう文化が日本に浸透していったことは、少し皮肉なことだと捉える方もいるだろう。
敵対国から憧れの国へ。
長い年月を経て培われた犬との共生の文化。
アメリカを始め、ヨーロッパで当たり前となっている高貴な価値観。
吸収するべきものはあるのではないか、と思いを巡らせてしまう。

そんな「美しい犬」の文化。
日本にもだいぶ浸透してきた。
トリマーという職業が、アーティストとしての地位を確保するのも、そう遠くない未来のような気がする。

SN3M0010_0001.jpg




『POCHI』















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