霊界物語にときどき「教祖の筆先」とか単に「筆先」と出てきますが、
これは大本開祖・出口直(なお)が書いた大本神諭のことです。
明治25年(1892)旧正月から、国祖・国常立尊(艮の金神)が
出口直に懸かり、神示を下しました。半紙に筆で、平仮名と
漢数字を使って書かれたもので、その数は大正7年(1918年)に
昇天するまでの27年間に半紙20万枚にもなりました。
これを「筆先(ふでさき)」と呼びます。
筆先は平仮名と漢数字で書かれているので多様な解釈が可能ですが、
王仁三郎にしか解釈は許されていません。
王仁三郎が筆先を解釈して漢字を当てはめ、機関誌や単行本として
発表したものを「大本神諭」と呼びます。
しかし厳密には使い分けされておらず、大本神諭の代名詞として
筆先という言葉が使われることが多々あります。
霊界物語でも「教祖の筆先」といったら大本神諭のことを指します。
王仁三郎は、脚本で言うと大本神諭は役者一人だけの
セリフであり、霊界物語は全員のセリフを集めたものである、
という意味のことを述べています。
「筆先は決して純然たる教典ではありませぬ。
要するに、太古の神々の活動を始め、
現在未来の神界の活劇を、断片的に示した台詞書きに
過ぎませぬ。
これを一つに取りまつめてその真相を劇化して、
完全に世人に示すようにするのが霊界物語編纂の
大使命なのであります」〔第12巻序文〕
大本神諭は国祖の一人称で書かれています。
国祖の視点だけで書かれており、それはたしかに
正しい神の正しい教えかも知れません。
しかし「正義」を貫くだけでは世の中はうまく動きません。
正義とは原理原則であり、例外も必ず必要です。
標準偏差に収まる人だけではないのです。
むしろ標準偏差から外れるような人が、世の中を変革し、
進化させています。
霊界物語は、国祖以外の視点からも描かれているのが特徴です。
悪党の視点も出てきます。
善も悪も包括することで、全体が見えてきます。
これは厳霊と瑞霊の違いでもあります。
厳霊は原則だけしか認めません。
それに対し瑞霊は例外も認めます。
では瑞霊だけで十分かと言えばそういうことではありません。
原則(基準)をはっきりさせておかないと、世界は混乱します。
ですから、まず始めに大本神諭が世の中に現われ、
次に霊界物語が現われたというのも、理に適ったことです。
「大本神諭を読んだ方がいいですか」とよく質問を受けますが、
「時間があったら読むといい」と答えています。
大本神諭だけで単行本数冊分
(現在、天声社で出されている本は大きな文字で7巻組になっています)
あるので、なかなか読めないのが現実です。
しかし霊界物語には大本神諭からの引用もたびたび出てくるので、
どちらかというと読んでおいた方がいいです。
私も始めは大本神諭から読みました。
大本神諭をしっかり腹に入れておいてから霊界物語を読んだ方が、
よく分かるのではないかと思います。
しかし時間がなくて読めない方は、
霊界物語第60巻の後半に「三五神諭」(おおもとしんゆ)と
題して、大本神諭の一部分が掲載されていますので、
それを読むといいでしょう。
⇒ http://reikaimonogatari.net/index.php?obc=rm60
こちらは筆先の新解釈になっています。
大本神諭も三五神諭も、どちらも王仁三郎が解釈して
漢字を当てはめたものですが、
大本神諭が国粋的・排外的な口調なのに対して、
新解釈の三五神諭の方は、はるかにグローバルな
口調に変わっています。これも厳霊と瑞霊の違いです。
大きな違いは三点ほどあり
1、「立替立直し」という言葉が「天の岩戸開き」に変わっている
2、排外的、外国差別的な表現がなくなっている
例 外国は獣の世 → 今は獣の世
3、「改心」が「改信」に変わっている
心を改めるのではなく、信仰・信念を改める
全体的に見て、恐い神ではなく、
優しいイメージの神に宣り替えられています。
霊界物語には「裏の神諭」という言葉も出てきます。
「神諭」には大本神諭以外に、
「裏の神諭」や「伊都能売神諭」などがあります。
裏の神諭とは、主に明治30年代に、国祖の妻神である
豊雲野尊(とよくもぬのみこと)が王仁三郎に懸かって
書いた神示です。
伊都能売神諭は、開祖昇天後の大正7〜8年に、
王仁三郎に国常立尊が懸かって書いた神示です。
霊界物語で単に「神諭」と言ったら、
「表の神諭」である大本神諭を指します。
「霊界物語スーパーメールマガジン、オニド(王仁三郎ドット・ジェイピー)から引用」
⇒ 霊界物語スーパーメールマガジン バックナンバー
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