ライトノベル街道

変人のサラダボウル４巻の感想(ネタバレあり)です。
※ネタバレ注意！ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です！

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変人のサラダボウル ４巻　/　平坂 読
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・いつも通り面白かったです
・サラが中学校デビュー！
・リヴィアが宿主を変える

＜作品の特徴(５段階評価)＞
おすすめ度：　　　★★★★★
読みやすさ：　　　★★★★★
ラブコメ量：　　　■■■
戦闘・バトルの量：■
男女比：　　　　　男：女＝１：３
・探偵・裁判・インサイダー取引・中学校・惣助の恋愛模様が発展!?


☆――(あらすじ)――☆
皆神望愛(みなかみ のあ)がインサイダー取引の容疑で逮捕されてしまいました！
そしてその結果、リヴィアの所属していたバンド、『救世グラスホッパー』のメジャーデビューの話が白紙に戻されてしまいました。
やっと叶うと思っていた夢が崩れ去ってしまった弓指明日美(ゆめさし あすみ)は、それでもめげずに再びメジャーデビューを目指す姿勢を見せます。

☆――(感想)――☆
これまでは探偵の仕事として、いじめや浮気現場の調査が主なテーマとなっていました。
しかしこの４巻では『インサイダー取引』というより高度な犯罪について多くのページが割かれています。
また今回は取り調べ、容疑者との面会、裁判などなど。容疑者が犯罪を犯した後の、今までより踏み込んだところまで描写がありました。
今までとは少しテイストが変わりましたが、これはこれで読み応えがあって面白かったです。

そしてリヴィアの生活は相変わらず不安定！生活の頼みの綱だった望愛がいなくなってしまいました。彼女はずっとこのような調子で波乱の人生を歩んで行くのでしょうか？サラのように安住の地を見つけて欲しいです。

☆――(あらすじ)――☆
サラが中学生になりました！

入学する前から噂になっていたサラは、中学校でもその才覚を遺憾なく発揮。その頭脳、知識、容姿、カリスマ性でクラスメイト達から注目されます。
不良のクラスメイトにおかしな喋り方を指摘されても、サラは相手の出身地である飛騨の方言で窘めて驚かせました。入学初日ですが、すでにサラは同級生全員の情報をインプットしていたのでした。

「妾の父上とおじいちゃん、探偵をやっておって、新一年生の名前と顔と家族構成と小学校のときの通信簿は調査済みなのじゃ」
「マジかよ……」

☆――(感想)――☆
相変わらずサラの影響力がすごいです。
サラの岐阜愛(というより、作者さんの岐阜県への愛？)がクラス中に伝播し、マニアックな岐阜談義がしばしば起こるようになってしまいました。読んでも知らないネタが多いですが、雰囲気で楽しめるので大丈夫です！

話は変わって、サラが上級生たちに『調子に乗っている』と言いがかりをつけられましたが、全く問題にもなりませんでした。

「あ、あの、沙羅様！」
上級生に促されるまま歩き出したサラを、家臣の安永弥生(やすなが やよい)が心配そうに呼び止める
「大丈夫じゃ。そなたらは気にせず遊んでおるがよい」
「イエス！　マイロード！　……それじゃあ続けるよー。古今東西、岐阜バスのバス停！」
「金園町９丁目！」
「うかいミュージアム前！」
「岐阜公園歴史博物館前！」
「徹明通６丁目！」
「な、なんなのコイツら……」

学級は完全にサラのペースになっています！もちろん上級生たちも難なく撃退。サラの中学校生活はうまくいきそうです。

また珍しく、サラの方から「どうか妾と友達になってくださらぬか」と交友を申し入れたシーンがありました。サラの方から歩み寄って誰かに懐いたのは珍しい事例です！相手はクラスの中でも不良ポジションである沼田涼子(ぬまた りょうこ)。サラがこういう相手を気に入るのは意外でした。

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☆――(あらすじ)――☆
リヴィアは目立った行動をしないよう注意されていました。
彼女が所属するバンド、『救世グラスホッパー』は世間でも知られるようになりました。ここで望愛に続いてリヴィアまでスキャンダルになってしまっては、メジャーデビューへの道が遠のいてしまいます。
しかしギャンブルをしたい欲求に勝てず、リヴィアは変装のために自身の髪をバッサリと散髪！さらに色も黒く染めてしまいました。これでパチンコも競馬も思う存分楽しむことができます！
(本文：『ライトノベル史上初、パチンコがやりたくて断髪したヒロインの爆誕である』)

やがて望愛の団体からの資金援助が途切れてしまい、リヴィアは再びホームレスになってしまいました。

そんな折、暴漢たちに追われている車椅子の少女を発見！
ピンチかと思いきや、彼女は車椅子と搭載されていたスタンガン(！)を巧みに操り、暴漢たちをあっという間に倒してしまいました。
車椅子の少女の名前は剣持命(けんもち みこと)。リヴィアは命に戦闘の腕を見込まれ、彼女のボディーガードとして雇ってもらえることになりました！
リヴィアは命の家に居候させてもらい、新たな生活をスタートさせます。

明日美：『……リヴィアちゃん』
「は、はい。なんでしょう？」
抑揚のない声で明日美に呼ばれ、戸惑うリヴィア。
『……また違う女の子を引っかけたんすね……』
「ひ、引っかけたとは人聞きの悪い！　某は護衛として雇われただけで」
『リヴィアちゃん、ほんとに根っからのヒモっすね……』
「う……」
明日美の声には見損なった感がありありと込められており、リヴィアの心を刺した。

☆――(感想)――☆
このシリーズは１巻で多数の主要キャラが紹介されたので、その後はあまり新キャラが出てきません。(サラの友達は続々と増えていますが、それは除いて) なので既に重要そうな人物は全員出揃っているのだと思っていました。
しかし新たに重要そうな人物が出てきました！不思議なタイミングで登場した剣持命(けんもちみこと)という新キャラ。彼女がリヴィアにどんな影響を与えるのか興味深いです。

今まで荒事は少なかった本作ですが、今後リヴィアは怪しい組織のボディーガードとして働きます。次回は彼女の派手な戦闘シーンが見られるかもしれません！
異世界から来た二人、サラとリヴィアは魔術や驚異的な身体能力を用いて多方面で無双できるチートキャラです。彼女たちの活躍は見ていて快活で楽しいので、今後も警察に捕まらない程度に暴れて欲しいです！

☆――(あらすじ)――☆

盾山：「鏑矢様。気落ちしているお嬢様を慰めてあげていただけませんか」

惣助：「うーん、まあいつも世話になってるし、俺でよかったらなんでも言ってくれ」
ブレンダ：「な、なんでも!?」

ブレンダが皆神望愛の弁護人を務めた後、労いの意味も込めて惣助がディナーをご馳走することになりました。ディナー当日はサラが学年旅行(修学旅行のようなもの)に行っています。

――そして惣助とブレンダのディナー翌日。
惣助が自宅で目を覚ますと、隣には裸になった愛崎ブレンダが寝ていました。
(ここで『変人のサラダボウル』４巻は終了)

☆――(感想)――☆
急転直下のまさかの展開です!!!
惣助とブレンダが肉体関係になったのかまだ不明ですが、少なくとも惣助はブレンダの裸を見てしまいました。
ブレンダはかなり奥手だったので、こんなに早く惣助と床を共にするのは衝撃的。惣助の恋愛はもっとスローペースで進むと思っていたのですが、いきなり大きく進展してしまいました！
惣助は結婚をする気が無いと言っていましたが、果たして責任をとるのでしょうか？ブレンダはまだ寝ていたので、ブレンダ側が惣助に対してどういう態度に出るのかも不明。どういう流れで二人が一緒に寝たのかも不明。
次の５巻で何があったのか、しっかり描かれることでしょう。今の段階では何とも言えません！

ここで気になるのがもう１人のヒロインである閨春花(ねや はるか)です。ブレンダの進展と比べて、彼女には全く動きがありません。惣助に対して何のアプローチもできずにいます。
このままではブレンダが惣助を射止めてしまいそうです。そしてもしそうなったら、閨春花はブレンダに対してどんな態度をとるのでしょうか？
爆弾を抱えた複雑な人間関係はどんな結末を迎えるのか、注目です！

初めのうちはクールな印象だった愛崎ブレンダですが、巻を重ねるごとに愛嬌のある可愛らしい面が目立つようになってきました。
個人的にはもっとクールなキャラだと思っていたのですが……。不器用なところはとことん不器用で、応援してあげたい気持ちになってきました。
このまま温かい目で見守っていこうと思います。

(「変人のサラダボウル」４巻の感想・ネタバレあり)

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