※ネタバレ注意!ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です!
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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 15巻 / 大森 藤ノ
(アニメ5期の内容です)
・『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の関連記事へ
【評価】
・いつも通り面白かったです
・短編集
<作品の特徴(5段階評価)>
おすすめ度: ★★★★
読みやすさ: ★★★★★
ラブコメ量: ■■■■■
戦闘・バトルの量:■■
男女比: 男:女=1:3
・ハーレム系・短編集・冒険の後の日常・ヒロインが増えた
【感想(ネタバレあり)】
この15巻は、各キャラごとの過去のお話が7つ収録されている短編集です。
それぞれの短編の前に、深層から戻ってきた【ヘスティア・ファミリア】団員たちが【ステイタス】を更新します。中には【ランクアップ】を果たしたメンバーもいました。
・ベル・クラネル
☆――(あらすじ)――☆
ベルはLv.4になってすぐに遠征に行ったので、力や敏捷などの数値は全て『0』でした。
しかし本人が「……八回くらい、死にかけました」と言うほど幾多もの死線を乗り越え、大量の経験値を獲得。
力0→676
耐久0→701
器用0→724
敏捷0→718
魔力0→655
ベルは1度のステイタス更新で、トータル3400オーバーという、通常なら考えられない急成長を果たしました!
ベル・クラネルの短編はオラリオに来たばかりの頃、どこの【ファミリア】にも入団させてもらえず、途方に暮れていた時のお話です。
☆――(感想)――☆
ベルは人の言うことをすぐに信じてしまうので、オラリオの街に来てすぐに騙されて、お金をふんだくられてしまいました。
こういう姿を見ると、リリのような人を疑える仲間がベルには必要だとよく分かります。
ベルは本当に頼りなく、どこの【ファミリア】にも相手にされないような何もない少年でした。そんな彼がよくここまで成長したものです。
(憧憬の力がすごすぎる)
しかしそれは、一歩間違えれば死んでしまうような窮地を何度も経験してきたということでもあります。決して彼の成長を手放しに喜ぶことはできません!
ヘスティア様と一緒に、なんとも複雑な気持ちになってしまいました。
・ヘスティア
☆――(あらすじ)――☆
(短編)
ヘスティアは地上に降りてきたばかりの女神です。
彼女は地上に降臨してすぐにオラリオの街へ向かい、天界で親友だったヘファイストスの所にお世話になっていました。
しかし地上の娯楽に魅了されてヘスティアはいつまで経っても自立せず、自堕落なヒモ生活を続けてしまいます。
痺れを切らしたヘファイストスは、遂にヘスティアを追い出してしまいました!
☆――(感想)――☆
ヘスティア様がこんなにダメな女神だったとは……驚きました。
ベルや他の団員の前ではしっかりした女神として振る舞っているため、堕落し切っているグータラなヘスティアの姿は新鮮でした。
(今はバイトで忙しく働いているイメージもありますが、昔は完全にニートだったんですね……)
そんなヘスティアも今では立派になりました!自分が率いる団員がいると、責任感のようなものが生まれるのでしょうか。あるいはベルとの出会いが彼女を変えたのでしょうか。
過去のヘスティアのことを知ったことで、彼女への印象がだいぶ変わったように感じられます。
ヘスティアは眷属に見限られないよう、精一杯背伸びをしているのかもしれません。そう思うとヘスティアが今まで以上に愛らしく感じられました。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか15 (GA文庫) [ 大森藤ノ ] 価格:704円 |
・リリルカ・アーデ
☆――(あらすじ)――☆
「サポーター君、おめでとう。――【ランクアップ】だ」
「えっ?」
「誰が?」
「君が」
「何を?」
「昇格(ランクアップ)を」
「どこで?」
「ここで」
「いつ?」
「たった今」
「よ――よっしゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」
リリルカ・アーデがLv.2に【ランクアップ】しました!
短編は、リリが生まれてからベルに出会うまでの生活を描いたものです。
☆――(感想)――☆
リリルカ・アーデはもともと冒険者が嫌いでした。
この短編を読んでいて分かったのですが、オラリオの秩序が乱れた暗黒時代と、リリが生まれた時期が被ってしまったこともあって、リリは本当に辛い思いをしたようです。
じつはこの作品の作者さんは、リリは【ランクアップ】させないつもりだったそうです!しかし無事に次のステージ上がることができてよかったです。
Lv.1の頃はモンスターと戦えませんでしたが、今では雑魚モンスターを蹴散らして進むことができます。
珍しく浮かれているリリが微笑ましく、こちらも嬉しくなりました。
・エイナ・チュール
☆――(あらすじ)――☆
ギルドの受付嬢であり、ベルの担当アドバイザーでもあるエイナ・チュールは、ベルのことを弟のように可愛がっています(時には厳しい)。
ダンジョン遠征で起こったことをベルはエイナに報告しますが、その内容は常軌を逸するものであり、話を聞いたエイナはすっかり参ってしまいました。
ギルドに報告できるような内容ではなかったため、【ヘスティア・ファミリア】の遠征は「失敗」という扱いになってしまいました。
(エイナは無事に生きて帰ってきたベルのことがますます好きになってしまい、顔を何度も赤らめていました)
短編は、エイナが『学区』を卒業し、ギルドに就職してからベルに出会うまでのお話です。
☆――(感想)――☆
「冒険者には、情を移さない方が良い」
ギルドのレーメル班長がエイナたち受付嬢に言った言葉です。
懇意に接して感謝もされて、時には一緒に酒を酌み交わした冒険者たちは、ある日突然帰って来なくなってしまいます。
そんな悲しい別離を、エイナたちは何度も経験してきました。
今までこの作品を読んできてあまり考えませんでしたが、確かにギルド職員というのはつらい職業かもしれません。
エイナやミィシャたち受付嬢の背景が深堀りされて、より彼女らに共感できるようになりました。
・ヴェルフ・クロッゾ
☆――(あらすじ)――☆
ヴェルフはダンジョンの中で『砕けない魔剣』を鍛錬してみせました。
地上に帰還した後、その魔剣を鍛冶神であるヘファイストスに見せ、ヴェルフはこれからも鍛冶師として腕を磨くことを誓います。
向上心に溢れ、意気揚々と去っていくヴェルフ!
しかし神ヘファイストスは不満気な様子です。
☆――(感想)――☆
ヴェルフは個人的にこの作品で一番好きなキャラです。それだけに今回はガッカリです!
ヴェルフはちゃんと周りが見えていて、女性の気持ちにもベルより敏感。
彼だけは鈍感係主人公のように、女性の想いをすっとぼけて蔑ろにすることは無いと思っていたのですが……。
敬愛しているはずのヘファイストス様の気持ちが、ヴェルフには全然伝わっていませんでした!!
彼なら相手の気持ちをしっかりと受け止めてくれると思っていたので、やや残念でした。
しかし、今の段階でヴェルフとヘファイストスが結ばれてしまうのも、まだ早いとは思います。
これからも二人の関係を、ヤキモキしながら、ニヤニヤしながら温かく見守っていくことになりそうです。
・リュー・リオン
☆――(あらすじ)――☆
『豊穣の女主人』にて祝宴を上げる【ヘスティア・ファミリア】。
しかし店員であるリュー・リオンの挙動が不審です。彼女はベルと全く目を合わせてくれません。
リューはベルと目を合わせないために突如体を勢いよく旋回させるなど、周りの客も困惑するような動きをしていました。
放っておくわけにもいかず、ベルはリューと話を付けることにしました。
☆――(感想)――☆
祝!
リューが完全にヒロイン入りしました!
(ベル周りの女性関係がどんどんもつれていきます)
リューはクールな印象とは裏腹に、とことん不器用でポンコツな一面を持っています。
今回はその不器用な面が思いっきり出ていました。しかもリューはLv.4の冒険者!なまじ強い戦闘力を持っているだけに、彼女が変な挙動をしていると周りの人たちが苦労します。
ベルとリューが今後どういう関係になるかは分かりませんが、彼女と付き合っていくのは大変かもしれません。
本人も口癖のように「私はいつもやり過ぎてしまう」と言っているので、自覚はあるようですが……。なんとか直して欲しいところです。
・ヤマト・命とサンジョウノ・春姫
☆――(あらすじ)――☆
リリルカ・アーデだけでなく、春姫も【ランクアップ】できるようになりました!
しかし神様は春姫を【ランクアップ】させませんでした。
【ランクアップ】をすると劇的に身体能力が上がるため、戦闘力が無く運動音痴の春姫が力を得るのは危ないと判断されてしまったためです。(【ランクアップ】できることを春姫本人は知りません)
アイシャ:「あのヘッポコ狐が今の状態でLv.2になっても仕方ないだろう。ズッコケた拍子に頭突きでモンスターどもを倒すつもりかい?」
短編は、過去の極東にて、春姫と命(みこと)の出会った時の話です。
☆――(感想)――☆
当時は高貴な身分で裕福だった春姫は、貧しかった神タケミカヅチと暮らす子供たちに食料を送りました。
その恩返しとして屋敷から強引に連れ去られたのですから、春姫はさぞ驚いたことでしょう。
ヘタをすれば恩をアダで返すような蛮行です!
命や桜花たちとどう接して良いのか分からず、おどおどしていた幼少期の春姫がかわいらしかったです。
娼婦の時代もそうですが、今も含めて春姫は本当に波乱万丈な人生を送っています。
高貴な身分から一転、娼婦、妖術師、生贄、メイドと、彼女は次々に無理なジョブチェンジをしてきました。
とりわけ、裕福な暮らしが突如絶たれた時は辛かったことでしょう。
ワンピースのドフラミンゴと似た境遇ですが、彼女は彼のようにスレてしまうことなく、ベルに拾われてからは屋敷のメイドを自ら志願。
めげず健気に人の役に立とうとする春姫の姿に心打たれました。
きっと命(みこと)も、春姫のそんな所が好きになったのだと思います。
良いコンビだと思いました。
(「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」15巻の感想・ネタバレあり)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか15 (GA文庫) [ 大森藤ノ ] 価格:704円 |
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