2016年03月21日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part57 河田と深津
神奈川 13
秋田 6
試合が再開された。
三井「おっ、一ノ倉は変わったのか。そうなると守備にも力を入れないとな。」
そう、三井は、一ノ倉は守備だけを気をつければいいと感じるほどに、余裕でプレーをしていたのだ。
2年半、山王の厳しい環境で最善の努力をしてきた一ノ倉に対して、1年以上のブランクがあり、復帰間もなく迎えたIHの三井。三井は体力も試合勘も十二分に戻ってきて、本来の実力が一段と伸びていた。一ノ倉がいくら練習を重ねていても夏のIHからの伸びしろで考えると、差は開いていた。
しかし三井は、松本のセンスを買っていた。攻撃のセンスと絶妙のタイミングでのシュートを放つのは独特のセンスが感じていた。
そのため、一ノ倉より警戒をしていた。
その松本にボールが回ってきた。
三井「早速かっ!?」
と三井が思った瞬間、松本は、ミドルレンジからシュートを放った。
三井「なにっ!?もう打つのか?」
誰もが虚を突かれた。流れが神奈川へ向かいそうな展開だったので、じっくり攻めると考えていたが、あっさりとシュートを選択したので三井も対応しきれなかった。
(スパッ!!)
神奈川 13
秋田 8
観客「おおーーっ!いきなりシュートを決めたぞ。」
松本「これからは、好き勝手させん。」
クールな松本だったが、夏のIHで苦渋を飲んだ湘北メンバーが相手にいるとなると感情をむき出しにしていた。
弥生「さて、どうするのかしら?」
弥生は、秋田がタイムアウトの後どういう守備を引くのかが興味があった。
深津は、ブツブツと何やらつぶやいていた。
河田「・・・深津!?」
河田は、どこかでこの深津の姿を見たような気がして、思い出そうとしていた。
深津はさらにつぶやきながら牧のマークについていた。
神奈川は、相変わらずアイソレーションの体形で攻めている。
牧「さて・・と。」
宮城「真っ向勝負だ。」
宮城は牧のタイミングをかなりつかんでいた。夏の予選や合宿で嫌というほど牧のすごさを目の当たりにしていたからだ。
牧の強引なペネトレイトで切れ込み、深津を抜き去った。しかし、さっきまでと違うのは、深津がさらに牧を追いかけてきて、牧のドリブルを狙っていたことだ。
牧「何っ!」
しかし、辛うじて牧はボールをキープし、絶妙なボディバランスで深津を抜き去った。
深津「ちっ。まだ距離を詰めないといけないか。」
神奈川 15
秋田 8
河田「思い出した。1年のころだ。」
そう河田は思い出した。「ピョン」を付けずに話す深津の言葉を聞いて。
(山王工業1年のころ)
河田と深津は、歴史ある山王工業でも数少ない1年生の秋からレギュラーチームに入っていた。
河田はその時はスモールフォーワード、深津は変わらずポイントガードで抜擢されたのだ。
しかし、二人の扱いは対照的だった。
深津は1年生ながら自己中心的なプレーを数多くしていた。それは、中学時代が弱小チームに属しており、自分が活躍しないとチームが勝てなかったからだ。
そう、元々深津のプレースタイルは牧に近かったのだ。
そんな深津とチーム内の紅白戦で対峙したのが、現ヤマト工業所属の深澤信二だった。
当時の3年生のポイントガードだった。深津は彼のバックアッパーだったのだ。
しかし、深津は彼に負けまいと練習試合でもかみつくような勢いでプレーをしていたのだ。
河田は今のプレーを見て、その当時の深津を思い出していたのだ。
その後、深津は深澤のプレーを見て、周りの選手を活かせば楽に勝てるということを理解し、深澤のプレーを目で追うようになり、そっちのプレースタイルに変化していったのだ。
河田、沢北など豪華な攻撃陣がいたため、自分では攻めなくても問題なかったからだ。
しかし、今、闘争本能が戻ってきて、「ピョン」という言葉を無意識に使わないほど集中をしてきたのだ。
(続く)
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