よく最近のプラモデルは【価格が上がった】のでお小遣いで買える範疇じゃ無くなり、子供がプラモデルを遊ばなく無くなった。とよく言う人を見かけます。
本当にそうなんでしょうか?価格の問題なのでしょうか、特に数値的な資料も無く模型店主の感覚のみで考察(妄想?)してみたいと思います。
プラモデルの興り
一番最初のプラモデルは英国で誕生したと言われています、日本で最初のプラモデルは海外製品をコピーした潜水艦だとも言われています。
さてプラモデルの前身は何なのか?といえば木製ソリッドモデルだった言われています。
簡単に加工された木製パーツをさらに削って形を調整し組み上げていく物で、製作するのにかなりの技量が必要であった物のようです。
そのような物が子供向け?とは思えず、プラモデルの前身である木製モデルはある程度大人の趣味だったのではと推察できます。
そんな木製モデルから派生していったプラモデルは、当初は飛行機や艦船といったモチーフの物が多く、やはりある程度の大人の趣味としてスタートしています。
プラモデルが子供に浸透したのはいつか?
これは諸説あるようですが、一つ有力ななのは【鉄人28号】のプラモデルが発売されたことだと思います。
プラモデルメーカーがどの時期から子供向けも意識してた商品開発をしていたのか?ここの歴史的経緯はわからないのですが、ただ子供達が親にねだって欲しがった玩具類に鉄人28号にプラモデルがラインナップされたのは事実かなと思います。
正式にはわかりませんが、版権キットとしても一番最初かそれに類するくらい古いアイテムなのは間違いないと思います。
鉄人28号のヒットにより雨後の竹の子のように子供向けプラモデルが乱立するようになります。
発売時期は失念しましたけど最初の鉄人28号のアニメが1963|65年頃なので、そのあたりでは無いでしょうか?
決してガンプラが最初の入り口になったわけでは無いと思います。
当時のプラモデルは子供向けに関しては何かしらのギミック搭載
モーターによって動くとか、バネ動力で何かを発射するとか、ドアが開くとか
所謂組み立てる玩具でした。
ろうそくを使ったポンポン船のプラモデルなんて物もありました。
扇風機やラジカセ、ゼンマイで動く錦鯉・・今考えるとプラモデルに成モチーフは多岐にわたり、キャラクターモデル一辺倒という感じでは無かったのです。
これが子供向けプラモデルはキャラクター物一辺倒になるのは、ご存じ【ガンプラ】の登場です。
社会問題に発展するほどの加熱ぶりで、文字通り子供達がこぞってガンプラを買い求めた!!そんな時代です。
・・・・・
・・・・・・・
本当にそうでしょうか?
当時はベビーブーム世代の子供達ですが、それが皆プラモを嗜んでいたか?といえば違うと思います。
クラスの男児20人居るとして、ガンプラ買ってたの半分もいかないのではないでしょうか?
よほど筋消しの方が誰でも持ってたようなきがします。
とはいえ、多くの子供さん達がプラモを楽しんでいたのは事実です。
で大事なことはこの頃、子供の遊びと言えば外で遊ぶか、おもちゃで遊ぶかの二つなんですよ。
TVもありましたけど、子供向け番組が流れる時間は決まっており、TVに拘束される時間は限られていました。
これが徐々に変化していくのがゲームウォッチの登場とファミコンの登場です。
ゲームウォッチの登場により子供達はゲームで遊ぶという選択肢が増えました。
そしてファミコンの登場により、TVの前に居座る時間が飛躍的に増えました。
一日24時間は変わりません
今までは外で遊ぶかおもちゃで遊ぶかの二択で、後者の中にプラモデルも含まれていましたが、ファミコンの登場によりそれらの時間はTVの前で過ごす時間へと置き換わっていきました。
当然お小遣いの使い道もプラオデルや玩具を買うからファミコンのソフトを買うにシフトしていきます。
メーカーも子供達をプラモデルに引き留めるためにあの手この手を投入します。
ガンプラもより買いやすく、昔みたいな遊べるギミックを搭載したBB戦士の登場
タミヤからはモーターで動くミニ四駆
原点回帰したようなアイテムが登場し一定の人気は博しました。
しかし、子供達によって成長したゲーム業界も黙っていません
携帯ゲーム機ゲームボーイ
次々に発売される次世代ゲーム機
この中でもゲームボーイは大きな存在です。
これも原点回帰ゲームボーイはゲームを持ち運べるゲームウォッチで子供達を取り込んだと同様にゲームウォッチの携帯性とファミコンと同じ高品質ソフトを使える利便性を併せ持った最強のデバイスだったのです。
これらが後にDSや今のswitchにつながっていくわけで、如何に強力だったかご理解頂けるかと思います。
携帯してゲームを遊ぶに関しては、さらにスマフォの登場によりより強固になっていくのですが・・
子供達に選択肢が増えプラモデルを選択する割合が低下
そして子供自体も減少していく世の中で一定比率プラモを買う層を維持できたとしても、分母の子供の数が減っているので子供さんが買うプラモデルはどんどん減少していくわけです。
そこでメーカーも子供向けに特化してもビジネスとして厳しいと判断するわけです。
そこでガンプラであればMGの登場です。
ガンプラブーム当時子供だった人たちも一門の社会人になっています、その社会人となった元子供達向けに放たれた矢こそMGだったのです。
とはいえ、メーカーも子供の取り込み無くして将来が無いのはわかっているので、あの手この手で呼び戻そうと努力します。
ゲームが子供達のマストであるなら、そのゲームとプラモを融合すればいいじゃ無いか!!と登場した物もいくつかあります。
強力なガンダムというIPとゲームの連動!!これ最強じゃね?もう勝ち確定したような物!!と負ける要素が見当たらないような企画でも転けました。AEGって言うんですけどね。
逆にゲームが火付け役になっていきなり息を吹き返したジャンルもありまして、それが艦船プラモデルでして、火付け役は艦これっていうんですけど、子供関係なかったですね。
ここまで読んで無くてもわかるかと思いますけど、別にプラモデルの価格が上がったから子供達が云々ってのは的外れな意見なんですよ。
でも最近ガンプラを中心に少し子供達が戻ってきました。
それはなぜか?
サブすく配信が世の中に登場し、過去のガンダム作品を子供達が見る機会が増えたからです
お父さんが懐かしくて見てたら、一緒に見てた子供がはまった!!そんなケースですかね?
今昭和や平成初期のアニメキャラが再度プラモデル化される大ブームです。
なぜ今なら成り立つのか?はまさにサブスク配信ですよ。
これの登場により、子供の頃や若い頃見てたアニメを余暇消費に視聴する流れが出来た、故に商売として成り立つ時代が来たという監事ですね。
ありゃ?なんか話が逸れましたけど
結論は先に述べたように子供達のプラモ離れは値段じゃ無い
選択肢が増えた結果でアリ、そもそも子供が減ってるんだから、プラモ売り場で子供見る機会が激減してる
そういう事だと思います。