ちょっとTwitterで話題が流れて来たので、個人的な見解を書いて見ようかなぁと思います。
とにかくプラモ製作において「サフ吹き」をされる方は多いかと思います。
何故サフ吹きをするのか?
本塗装の食いつきを良くする為?
傷を隠す為?
色んな目的で行ってるか、もしくはよくわからんけど「塗装前にサフを吹くと読んだから」って方も多いかも知れません
そこでサーフェイサーとはなんなのか?
ちょっと書いていきます。
ズバリサーフェイサーとは下地調整材です。
さらに厳密に言うなら、下地作りの時短の為に存在します。
塗装対象物(ワーク)の表面を研磨して、平滑に整えて本塗装後の仕上がりを良くします。
その際、荒目の番手から研磨していく訳ですが、番手を上げるごとに前工程のヤスリ傷をしっかりと消していかないと行けません
例えば240で荒削りして
400番に移行して、さらに600番に移行していく場合
前工程のヤスリキズをしっかり消しながら次の番手に上げていくのは手間がかかります。
そこでサーフェイサーの出番です。
ある程度ヤスリキズが消えたかな?程度で、サフを入れて次の番手で研磨していくのです。
何故これが時短になるかと言うとサフは傷埋め効果があり微細なキズは埋めたり浅く出来るので、次工程の研磨時間が短縮出来るのです。
普通の塗料じゃダメなの?
と思うのも自然な事
普通の塗料とサフでは使われてる顔料が異なります。
サフは体質顔料といって炭酸カルシウムやタルクなどを用いています。
これらは増量剤の役割を果たして、傷の中に埋まる感じでしょうか?
【塗装の食い付きが良くなるからサフを塗装】
これは大きな勘違いです。
塗料の食いつきは、足つけと呼ばれる表面研磨により表面積を増やす事で食い付きを良くする事が塗装する上で大前提となります。
ギザギザざらざらの上に塗装すれば、噛み合う様に塗膜が形成されるので強固になるイメージです。
サーフェイサーは普通の塗料よりは仕上がり面が少しざらついてるので、普通の塗料同士の上塗りよりは食い付きが良いと言えなくもないのですけど
これもサフの塗り方次第で、平滑に上手に塗装すれば表面のざらつきはほぼなくなり、上塗りの食い付きは当然良くありません
その為、サフ塗装後も足つけ研磨は必要であり
本塗装前であれば、1000番程度で足つけ研磨してあげれば良いかと思います。
【塗料の食い付きを良くするのはプライマー】
さて塗りぱなしで上塗りをしたい時はどうするか?
足つけだけでは、塗料が食いつかない金属やレジン素材
これに使うのがプライマーという塗料になります。
乱暴な言い方をすればノリです。
ワークと塗膜の間を受け持つ粘着物だと思ってください。
ガイアカラーさんのマルチプライマーなんかが有名で聞いた事あると思います。
足つけが難しい形状のパーツなどで塗料の食い付きを良くしたい場合はプライマーを塗装しましょう。
さて、サーフェイサーの話を戻します。
もう一つサーフェイサーの大事な役割があります。
下地の均一化です。
例えば、エッチングパーツやレジンパーツも使う様なプラモの場合
方や金色、プラ部分はグレー、レジン部分はクリーム色と下地の素材だけでなく色味もバラバラになります。
ここにプライマーからサフ塗装することにより
色味は統一され、サフ塗膜と言う均一な下地が出来上がります。
これによって、本塗装後も全体にキチンとノリ、発色も均一化されます。
異種素材同士でなくても、成形色違い
赤と、青のパーツを白にしたいなんて時も
下地カラーを統一化していれば、発色ムラがない白塗装が出来ます。
最初の方にも書いた様にサーフェイサーは体質顔料を使用しており、キズ埋めだけでなく隠蔽力も強い為
そう言った下地カラーの統一化が比較的やりやすいのです。
【つまりサフはいるのかいらないのか?】
プラのワーク下地カラーが同一で、キチンと足つけ研磨が出来ているならサフはなくても良いです。
サフの分だけ塗膜が厚くなるので、小スケールモデルなんかは、スケール感を損なう恐れもあり
サフレスを好まれる方も実は多かったりします。
サフが必要なのは
下地の傷を埋めて、時短研磨したい
下地カラーを統一化したい
異種素材の組み合わせ
こう言った時に必要になると思ってください
【でもね】
まぁ深い事考えずに、毎回サフ塗装しても良いんですよ。
それで目的の仕上がりになるのであれば、それは必要な工程だったてことですし
まぁサフ吹いた所為で失敗したってパターンの方が少ないと思いますので
あとサフ塗装の効能があって
あれって工程のひと段落。区切りだったりするので
そこでサフ姿の模型を眺めながら、どう塗装するかあれこれ考えながら飲むのも、これはこれで趣きがあって楽しいですよね。