2019年06月26日
シャドウバース リバース・オブ・グローリー 注目カードベスト10
シャドバの記事がずいぶん久しぶりになってしまいました。前回がなんと「Dawnbreak Nightedge / 起源の光、終焉の闇」の追加カード評価だったので、今それらがローテ落ちするタイミングで記事を書いております。つまりは1年3ヶ月ぶりということに…。
シャドバ自体はやっており、「十禍絶傑」期以外は全てグランドマスターに到達していましたが、記事を書く余裕が取れませんでした。しかし今になって前回記事を見返すと、【闇喰らいの蝙蝠】など、大化けしたカードもあれば逆に【ケリドウェン】や【ルーニィ】など期待よりは奮わなかったカードもあるのがなかなか興味深いですね。
さて、今回追加されるパックは「リバース・オブ・グローリー」、伝説再び、というタイトルにふさわしくローテ落ちして久しい懐古カード大復活のコンセプトとなっております。まずは以前のように、注目カードから評価していきたいと思います。(そして今回、どうしても10枚に絞りきれなかったのでコンセプトごとに複数カードを合わせて紹介とさせていただきます。)
・特に記述がない限りは「ローテーション」環境を前提としております。
・「注目」カードなので強いと思うカードとは若干異なります。
・画像の著作権はすべてCygamesに帰属します。
フロートボードマーセナリー:ファンファーレ 機械・カードをランダムに1枚デッキから手札に加える。
機械刃の斥候:ファンファーレ 自分の手札に機械カードが2枚以上あるなら+2/+2する。
進化時 自分の場に他の機械フォロワーがいるなら相手のフォロワー1体を破壊する。
マーセナリーは【メカゴブリン】【マシンエンジェル】に続く軽めのニュートラル機械カードということで、各種リーダーの機械コンセプトデッキの強化につながるだろう。サーチしてくる効果も強いので、機械コンセプトでなく単体で強い機械カードを投入したデッキにも採用される可能性がある。
そして機械コンセプトデッキの一つとして、機械ロイヤルの強化に【機械刃の斥候】がつながるだろう。3/4/4はかなり取りづらい上に確定除去能力も備えている。機械ロイヤルは現行でも十分パワーはあるのだが、結局フィニッシュが【高潔なる騎士・レイサム】頼りのところがあり、それならミッドレンジロイヤルでいいじゃん、となる点が不遇の所以だが、この斥候の序盤制圧力でコンセプトをアグロ寄りにするなどで差別化が図れるように思う。
自分のターン中、自分のフォロワーが進化したとき手札のこのカードのコストを-1する。
ファンファーレ ジンジャーの言霊1枚を手札に加える。
進化時 自分のリーダーは「ターン開始時、ジンジャーの言霊1枚を手札に加える」を持つ。重複しない。
ジンジャーの言霊:手札のフォロワー1枚のコストを1にして、1/1にする。
前回追加されたコンセプト、進化軸デッキのウィッチでの成立を予感させるカード。言霊はコストもスタッツも下げるので、ファンファーレかラストワードが強い高コストカードを下げる動きが考えられる。真っ先に候補に上がるのは【氷獄の王・サタン】だろうか。ジンジャーは後攻なら6T目には出せるので7サタンが可能になる。【闇の翼・オリヴィエ】等とも相性が良さそうである。現行ローテでは相性のいいカードが少なく、ウィッチにはEP獲得や自動進化手段が少ないのでまだまだパワー不足のように思えるが、今後に期待できるカードである。
進化時 ネクロマンス 8 自分の他のフォロワー1体は疾走を持つ。
誰もがナーフ前の【風読みの少年・ゼル】を思い出すであろう効果。しかしながらネクロはPP加速ができるわけではなく、7コスで13/13を出せるようなカードも現行ローテには存在しない点がネック。【永遠の花嫁・セレス】によりコストを下げた【屍竜・ファフニール】が相方として考えられるが、ファフニールの効果込の墓場が用意できないケースも多々考えられる。総合的に見てゼルほどの大暴れは期待できないが、ネクロは先述したセレスでコストをごまかせることもあり、今後ベストマッチな相方の登場に期待がかかるカードである。アンリミなら【滅殺の鎧】をブン投げて遊ぼう。「レッサー」には小さい・劣っているという意味があるので、その上に「グレート」がついているところにオクシモロン的面白さを感じる。
アクセラ4 PP最大値を+1する。EPが1以上なら1消費して、互いのフォロワーすべてに3ダメージ。
疾走
PP加速と全体除去、そしてフィニッシャーを兼任する汎用性の高いカード。【斬竜剣士・ロイ】が落ちるのでその代わりとして投入できる。ロイはPP加速に5PPを費やしたがこれは4PPでできる点が強力。各種機械デッキは総じて【プロダクトマシーン】が横並びしてくるので全体除去を使う機会も多いだろう。ランプドラゴン復権のために期待がかかるカードである。余談だが、今段の復刻シリーズは、アルベールなど個人名持ちのカードは新しい称号が冠につくのに対し、ジェネドラやリノセウス、セクシーヴァンパイアなど個人名ではないカードは「○○の〜」という二つ名がつくように統一されている点が美しい。
機械樹の番人:守護 ファンファーレ 自分の他のフォロワーorアミュレット1つを手札に戻す。戻したカードが機械なら1枚ドロー。
マシンクローエルフ:ファンファーレ このターン中に他の機械カードをプレイしていたなら疾走を持つ。
長らくTier1に姿を見かけなかったエルフの復権を予感させるカードその1と2。どちらも【機械ミノムシ】との相性が最高。番人は2/2守護に加えてメリットに転用可能な効果がついている。機械ミノムシとアグロデッキそのものの弱点である手札消費への解決となりえるだろう。クローエルフのほうは3/3/3の高スタッツに加えて疾走まで得られる。高スペックでありながら弱小チームの四番打者のような不遇をかこっていた【マシンランスエルフ】と合わせて、アグロ機械エルフの勃興が期待できるカードたちである。
豪風のリノセウス:ファンファーレ +X/+0する。Xは「バトル中に(今回を含めず)プレイした豪風のリノセウスの枚数」である。Xが5以上なら疾走を持つ。 進化後:自分のターン終了時手札に戻る。
始祖の大狼・オムニス:疾走 自分の場に大狼が出るたびそれは突進を持つ。
ファンファーレ 自分の場の他のカード2枚を戻す。戻した数だけ大狼を出す。
続けてエルフの復権を予感させるカードその3と4。リノセウスといえばローテ概念がない時代からアンリミに移って今までずっと活躍を続けているカードである。プレイヤーにダメージを与えた値を累計したらこいつがトップなのではないだろうか。リノ算が苦手でエルフが使えなかった身としては怨讐しかないが、あえて「おかえり」と言おう。ただし現状では旧カードほどの破壊力はなさそうである。【対空射撃】のような強力バウンス手段がもっと増えればフィニッシャーになりえるだろう。
そのバウンス手段としてオムニスもセットで紹介するが、これはリノセウスとの相性もいいが単体でも強そう。現行でも盤面にフェアリーを残すと【クイーンセイバー・シンシア】などで悪用されるので危険なのだが、大狼が突進してくるとなるとさらに盤面処理を強要されることになる。本体も疾走を持つので終盤の盤面制圧とフィニッシャーを兼任する強力カードである。
ソウルストリーム:自分のリーダーは「このターン終了時ゾンビを場が上限になるまで出す」を持つ。
エンハンス9 名前の違うネクロマンサーフォロワーをランダムに1枚ずつ、デッキから場が上限になるまで出し破壊する。
冥界神・ハデス:アクセラ6 互いのフォロワーすべてに3ダメージ。冥府への道1つを出す。コスト7のアクセラを持たないハデス1枚をデッキに加える。
ラストワード 冥府への道1つを出す。墓場を+6する。
ソウルストリームはかつての【ネフティス】に近い効果。個人的にはグラマスが実装されてはじめて到達したときのデッキがネフティスデッキだったので、似た効果が再録されて嬉しい限りである。ネフティスはコスト判定だったが今回は名前判定になっているので、コストカーブを歪める必要はないがNフォロワーの力を借りる必要が出てくる。Nフォロワーで現在強力なものと言えば進化軸などが挙げられるだろうか。また、旧モルディカイのような居座り続けるフォロワーはいないので別のフィニッシュ手段が求められる。
そしてそのフィニッシュ手段として注目されるのがハデス。【冥府への道】でシャドバの初期をエルフと組んで席巻したハデス様だが、今回は(ちゃんと)ネクロ所属になって帰ってきた。ソウルストリームで墓場が一気に貯まり、ネクロフォロワーを場に残らないものにすればさらにゾンビが出るので【新たなる運命】なしでも墓地30がかなり現実的なラインになるだろう。ソウルストリームが名前参照なのも、12コスと7コスがデッキに混在する可能性のあるハデスのために設計したデザイナーズコンボのように思える。
レヴィオンシスターズ登場!:マイム・ミイム・メイムのうち1枚をチョイスして手札に加える。
エンハンス 7 チョイスではなく全てを手札に加えてPPを6回復。
マイム:ファンファーレ レヴィオンフォロワーをランダムに1枚デッキから手札に加える。
ミイム:ファンファーレ PP2回復。自分の場に他のレヴィオンカードがあるなら3回復。
メイム:突進 ファンファーレ 自分の場に他のレヴィオンカードがあるなら+1/+1する。
レヴィオンの英雄・アルベール:疾走。攻撃時 他のレヴィオン・カードがあるなら+1/+0する。
ファンファーレ エンハンス9 名前の違うレヴィオンフォロワー(アルベール以外)をランダムに場が上限になるまで出す。
ロイヤルの7コスといえば【騎士王・アーサー】や【炎獅子の大将軍】など暴れすぎて8コスにナーフされることで有名だが、今回もその候補となりそうなカードである。7ターン目に合計スタッツ9/8で横展開しつつ1ドローできる。4点分突進もできる。アーサーのようにデッキ構築を歪める必要もないのでまさにお手軽に強いカードといえる。ついでに序盤引いても事故らない汎用性もある。欠点といえばスペルなので【白翼の戦神アイテール】で呼べないことくらいだろうか。
しかし悲しいお知らせとして、「神撃のバハムート」時代にはあった衣装の胸の穴がなくなっている。団長アルベール直々のデザインだというのに、よいこのシャドウバースの倫理基準の前にはやむなしか。しかし露出度で言えば【冥守の頂点・アイシャ】などのほうがよほど高いように見えるが、エロティシズムとはなかなか奥が深い概念である。
そしてそのムッツリイケメンのビリおじことアルベール団長だが、正直彼の強さは昔ほどではないように思える。9ターン目の横展開としては、機械ネクロの【つかの間の幸福】などと比べると並ぶ団員たちが小粒すぎる。ナーフ前のアーサーが7ターン目に同様の動きをしたことを考えると微妙。レヴィオン・タイプは【スカイセイバー・リーシャ】の起動を阻害する点もマイナス。アルベールを入れるとしてもマイムの効果で呼ぶためであり、エンハンス9で使う機会はなさそうである。
清純なる祈り・エイラ:守護。進化時にエイラの祈祷1枚を場に出す。
黄金の鐘:カウントダウン3 ファンファーレ 自分のリーダーを1回復。ラストワード 2枚ドロー。
かわいい見た目にも関わらずシャドバ史ワーストレベルのヘイトを買っていたエイラが帰ってきた。しかもなんと今回は2/2/2守護という良スペックに加えて進化で【エイラの祈祷】が場に出るので、前回の弱点、3PPでアミュレットを出すテンポロスが克服されている。(当人もちゃんと4/4になるので、以前の「進化時効果のあるフォロワーは+2+2されない」という暗黙の決まりは完全に過去のものとなったようである。)今はメカゴブリンや【機械腕の祈り手】などで1コス回復を獲得しやすい環境なので、流行りはしたが勝率は伴わなかった前回とは違う姿が見られるかもしれない。ただ、キーカードを引けないと弱いという欠点が他のデッキより如実なので、エイラをサーチする手段が乏しいのが懸念点か。【安息の顕現】というカードもあるにはあるが……。
【黄金の鐘】はそのエイラを引く手段として有用であり、回復つきなので最高の相性。エイラ後は盤面を埋めるのが難点か。【詠唱:聖なる祈り】にそのまま回復をプラスしたカードで、回復が強制である以上は「完全上位互換」とは言えないが、ほぼ完全上位と言える性能をしている。
絢爛のセクシーヴァンパイア:自分ターン中にこのカードがデッキから手札に加わるとき、復讐状態でないなら公開して消滅、ライフが11以上でも永続で復讐状態になる。
ファンファーレ 相手リーダーかフォロワー1体に4ダメージ。自リーダーを4回復。
悪逆の公爵・ユリウス:相手の場にフォロワーが出るたび相手リーダーに1ダメ、自リーダーを1回復。
ファンファーレ 復讐状態なら、「このフォロワーはEPを消費せず進化できる」を持つ。
【進化後】自ターン中、相手フォロワーを攻撃して破壊し、生き残ったらこのフォロワーを4回復。
帰ってきたセクシーヴァンパイアだが、「『復讐』とは一体……」と言いたくなる効果である。本体は昔の性能をやや小さくしたものでさほど強いとは思えないが、やはり引くだけで永続復讐となる効果が非常に強力。マリガンでキープできない、手札1枚分不利、など問題はあるがそれを差し引いても復讐ヴァンプには3投必須のカードとなるだろう。【ブラッドムーン】登場のときも言われたが、性能うんぬんより、復讐というコンセプトそのものにデザイン上の不備を感じてしまうカードである。過去の【ベルフェゴール】などは秀逸なデザインだったように思うのだが……。
そしてアルベールに呼応するように帰ってきた親友ユリウスだが、今回もやはりヴァンパイア所属。今回は以前にも増して体力が高く、相手としては非常に取りづらい点が強力。相手がフォロワーを出すと起動する能力にも回復が追加されてよりいやらしく、盤面で勝負するデッキに対して強いカードである。ただ戦闘後の効果だが、よく見るカードでは進化後の【蒼の反逆者・テトラ】【ボーンドローン】【欠落の聖女・リモニウム】あたり相手では発動しない点に注意。以前はアグロ系でよく見たユリウスだが、今回は復讐に入りやすいこともありコントロールデッキでもよく見ることになりそうである。
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シャドバ自体はやっており、「十禍絶傑」期以外は全てグランドマスターに到達していましたが、記事を書く余裕が取れませんでした。しかし今になって前回記事を見返すと、【闇喰らいの蝙蝠】など、大化けしたカードもあれば逆に【ケリドウェン】や【ルーニィ】など期待よりは奮わなかったカードもあるのがなかなか興味深いですね。
さて、今回追加されるパックは「リバース・オブ・グローリー」、伝説再び、というタイトルにふさわしくローテ落ちして久しい懐古カード大復活のコンセプトとなっております。まずは以前のように、注目カードから評価していきたいと思います。(そして今回、どうしても10枚に絞りきれなかったのでコンセプトごとに複数カードを合わせて紹介とさせていただきます。)
・特に記述がない限りは「ローテーション」環境を前提としております。
・「注目」カードなので強いと思うカードとは若干異なります。
・画像の著作権はすべてCygamesに帰属します。
リバース・オブ・グローリー 注目カードベスト10
10位【フロートボードマーセナリー】&【機械刃の斥候】
フロートボードマーセナリー:ファンファーレ 機械・カードをランダムに1枚デッキから手札に加える。
機械刃の斥候:ファンファーレ 自分の手札に機械カードが2枚以上あるなら+2/+2する。
進化時 自分の場に他の機械フォロワーがいるなら相手のフォロワー1体を破壊する。
マーセナリーは【メカゴブリン】【マシンエンジェル】に続く軽めのニュートラル機械カードということで、各種リーダーの機械コンセプトデッキの強化につながるだろう。サーチしてくる効果も強いので、機械コンセプトでなく単体で強い機械カードを投入したデッキにも採用される可能性がある。
そして機械コンセプトデッキの一つとして、機械ロイヤルの強化に【機械刃の斥候】がつながるだろう。3/4/4はかなり取りづらい上に確定除去能力も備えている。機械ロイヤルは現行でも十分パワーはあるのだが、結局フィニッシュが【高潔なる騎士・レイサム】頼りのところがあり、それならミッドレンジロイヤルでいいじゃん、となる点が不遇の所以だが、この斥候の序盤制圧力でコンセプトをアグロ寄りにするなどで差別化が図れるように思う。
9位【呪いの言霊・ジンジャー】
自分のターン中、自分のフォロワーが進化したとき手札のこのカードのコストを-1する。
ファンファーレ ジンジャーの言霊1枚を手札に加える。
進化時 自分のリーダーは「ターン開始時、ジンジャーの言霊1枚を手札に加える」を持つ。重複しない。
ジンジャーの言霊:手札のフォロワー1枚のコストを1にして、1/1にする。
前回追加されたコンセプト、進化軸デッキのウィッチでの成立を予感させるカード。言霊はコストもスタッツも下げるので、ファンファーレかラストワードが強い高コストカードを下げる動きが考えられる。真っ先に候補に上がるのは【氷獄の王・サタン】だろうか。ジンジャーは後攻なら6T目には出せるので7サタンが可能になる。【闇の翼・オリヴィエ】等とも相性が良さそうである。現行ローテでは相性のいいカードが少なく、ウィッチにはEP獲得や自動進化手段が少ないのでまだまだパワー不足のように思えるが、今後に期待できるカードである。
8位【グレートレッサーマミー】
進化時 ネクロマンス 8 自分の他のフォロワー1体は疾走を持つ。
誰もがナーフ前の【風読みの少年・ゼル】を思い出すであろう効果。しかしながらネクロはPP加速ができるわけではなく、7コスで13/13を出せるようなカードも現行ローテには存在しない点がネック。【永遠の花嫁・セレス】によりコストを下げた【屍竜・ファフニール】が相方として考えられるが、ファフニールの効果込の墓場が用意できないケースも多々考えられる。総合的に見てゼルほどの大暴れは期待できないが、ネクロは先述したセレスでコストをごまかせることもあり、今後ベストマッチな相方の登場に期待がかかるカードである。アンリミなら【滅殺の鎧】をブン投げて遊ぼう。「レッサー」には小さい・劣っているという意味があるので、その上に「グレート」がついているところにオクシモロン的面白さを感じる。
7位【天災のジェネシスドラゴン】
アクセラ4 PP最大値を+1する。EPが1以上なら1消費して、互いのフォロワーすべてに3ダメージ。
疾走
PP加速と全体除去、そしてフィニッシャーを兼任する汎用性の高いカード。【斬竜剣士・ロイ】が落ちるのでその代わりとして投入できる。ロイはPP加速に5PPを費やしたがこれは4PPでできる点が強力。各種機械デッキは総じて【プロダクトマシーン】が横並びしてくるので全体除去を使う機会も多いだろう。ランプドラゴン復権のために期待がかかるカードである。余談だが、今段の復刻シリーズは、アルベールなど個人名持ちのカードは新しい称号が冠につくのに対し、ジェネドラやリノセウス、セクシーヴァンパイアなど個人名ではないカードは「○○の〜」という二つ名がつくように統一されている点が美しい。
6位【機械樹の番人】&【マシンクローエルフ】
機械樹の番人:守護 ファンファーレ 自分の他のフォロワーorアミュレット1つを手札に戻す。戻したカードが機械なら1枚ドロー。
マシンクローエルフ:ファンファーレ このターン中に他の機械カードをプレイしていたなら疾走を持つ。
長らくTier1に姿を見かけなかったエルフの復権を予感させるカードその1と2。どちらも【機械ミノムシ】との相性が最高。番人は2/2守護に加えてメリットに転用可能な効果がついている。機械ミノムシとアグロデッキそのものの弱点である手札消費への解決となりえるだろう。クローエルフのほうは3/3/3の高スタッツに加えて疾走まで得られる。高スペックでありながら弱小チームの四番打者のような不遇をかこっていた【マシンランスエルフ】と合わせて、アグロ機械エルフの勃興が期待できるカードたちである。
5位【豪風のリノセウス】&【始祖の大狼・オムニス】
豪風のリノセウス:ファンファーレ +X/+0する。Xは「バトル中に(今回を含めず)プレイした豪風のリノセウスの枚数」である。Xが5以上なら疾走を持つ。 進化後:自分のターン終了時手札に戻る。
始祖の大狼・オムニス:疾走 自分の場に大狼が出るたびそれは突進を持つ。
ファンファーレ 自分の場の他のカード2枚を戻す。戻した数だけ大狼を出す。
続けてエルフの復権を予感させるカードその3と4。リノセウスといえばローテ概念がない時代からアンリミに移って今までずっと活躍を続けているカードである。プレイヤーにダメージを与えた値を累計したらこいつがトップなのではないだろうか。リノ算が苦手でエルフが使えなかった身としては怨讐しかないが、あえて「おかえり」と言おう。ただし現状では旧カードほどの破壊力はなさそうである。【対空射撃】のような強力バウンス手段がもっと増えればフィニッシャーになりえるだろう。
そのバウンス手段としてオムニスもセットで紹介するが、これはリノセウスとの相性もいいが単体でも強そう。現行でも盤面にフェアリーを残すと【クイーンセイバー・シンシア】などで悪用されるので危険なのだが、大狼が突進してくるとなるとさらに盤面処理を強要されることになる。本体も疾走を持つので終盤の盤面制圧とフィニッシャーを兼任する強力カードである。
4位【ソウルストリーム】&【冥界神・ハデス】
ソウルストリーム:自分のリーダーは「このターン終了時ゾンビを場が上限になるまで出す」を持つ。
エンハンス9 名前の違うネクロマンサーフォロワーをランダムに1枚ずつ、デッキから場が上限になるまで出し破壊する。
冥界神・ハデス:アクセラ6 互いのフォロワーすべてに3ダメージ。冥府への道1つを出す。コスト7のアクセラを持たないハデス1枚をデッキに加える。
ラストワード 冥府への道1つを出す。墓場を+6する。
ソウルストリームはかつての【ネフティス】に近い効果。個人的にはグラマスが実装されてはじめて到達したときのデッキがネフティスデッキだったので、似た効果が再録されて嬉しい限りである。ネフティスはコスト判定だったが今回は名前判定になっているので、コストカーブを歪める必要はないがNフォロワーの力を借りる必要が出てくる。Nフォロワーで現在強力なものと言えば進化軸などが挙げられるだろうか。また、旧モルディカイのような居座り続けるフォロワーはいないので別のフィニッシュ手段が求められる。
そしてそのフィニッシュ手段として注目されるのがハデス。【冥府への道】でシャドバの初期をエルフと組んで席巻したハデス様だが、今回は(ちゃんと)ネクロ所属になって帰ってきた。ソウルストリームで墓場が一気に貯まり、ネクロフォロワーを場に残らないものにすればさらにゾンビが出るので【新たなる運命】なしでも墓地30がかなり現実的なラインになるだろう。ソウルストリームが名前参照なのも、12コスと7コスがデッキに混在する可能性のあるハデスのために設計したデザイナーズコンボのように思える。
3位【レヴィオンシスターズ登場!】&【レヴィオンの英雄・アルベール】
レヴィオンシスターズ登場!:マイム・ミイム・メイムのうち1枚をチョイスして手札に加える。
エンハンス 7 チョイスではなく全てを手札に加えてPPを6回復。
マイム:ファンファーレ レヴィオンフォロワーをランダムに1枚デッキから手札に加える。
ミイム:ファンファーレ PP2回復。自分の場に他のレヴィオンカードがあるなら3回復。
メイム:突進 ファンファーレ 自分の場に他のレヴィオンカードがあるなら+1/+1する。
レヴィオンの英雄・アルベール:疾走。攻撃時 他のレヴィオン・カードがあるなら+1/+0する。
ファンファーレ エンハンス9 名前の違うレヴィオンフォロワー(アルベール以外)をランダムに場が上限になるまで出す。
ロイヤルの7コスといえば【騎士王・アーサー】や【炎獅子の大将軍】など暴れすぎて8コスにナーフされることで有名だが、今回もその候補となりそうなカードである。7ターン目に合計スタッツ9/8で横展開しつつ1ドローできる。4点分突進もできる。アーサーのようにデッキ構築を歪める必要もないのでまさにお手軽に強いカードといえる。ついでに序盤引いても事故らない汎用性もある。欠点といえばスペルなので【白翼の戦神アイテール】で呼べないことくらいだろうか。
しかし悲しいお知らせとして、「神撃のバハムート」時代にはあった衣装の胸の穴がなくなっている。団長アルベール直々のデザインだというのに、よいこのシャドウバースの倫理基準の前にはやむなしか。しかし露出度で言えば【冥守の頂点・アイシャ】などのほうがよほど高いように見えるが、エロティシズムとはなかなか奥が深い概念である。
そしてそのムッツリイケメンのビリおじことアルベール団長だが、正直彼の強さは昔ほどではないように思える。9ターン目の横展開としては、機械ネクロの【つかの間の幸福】などと比べると並ぶ団員たちが小粒すぎる。ナーフ前のアーサーが7ターン目に同様の動きをしたことを考えると微妙。レヴィオン・タイプは【スカイセイバー・リーシャ】の起動を阻害する点もマイナス。アルベールを入れるとしてもマイムの効果で呼ぶためであり、エンハンス9で使う機会はなさそうである。
2位【清純なる祈り・エイラ】&【黄金の鐘】
清純なる祈り・エイラ:守護。進化時にエイラの祈祷1枚を場に出す。
黄金の鐘:カウントダウン3 ファンファーレ 自分のリーダーを1回復。ラストワード 2枚ドロー。
かわいい見た目にも関わらずシャドバ史ワーストレベルのヘイトを買っていたエイラが帰ってきた。しかもなんと今回は2/2/2守護という良スペックに加えて進化で【エイラの祈祷】が場に出るので、前回の弱点、3PPでアミュレットを出すテンポロスが克服されている。(当人もちゃんと4/4になるので、以前の「進化時効果のあるフォロワーは+2+2されない」という暗黙の決まりは完全に過去のものとなったようである。)今はメカゴブリンや【機械腕の祈り手】などで1コス回復を獲得しやすい環境なので、流行りはしたが勝率は伴わなかった前回とは違う姿が見られるかもしれない。ただ、キーカードを引けないと弱いという欠点が他のデッキより如実なので、エイラをサーチする手段が乏しいのが懸念点か。【安息の顕現】というカードもあるにはあるが……。
【黄金の鐘】はそのエイラを引く手段として有用であり、回復つきなので最高の相性。エイラ後は盤面を埋めるのが難点か。【詠唱:聖なる祈り】にそのまま回復をプラスしたカードで、回復が強制である以上は「完全上位互換」とは言えないが、ほぼ完全上位と言える性能をしている。
1位【絢爛のセクシーヴァンパイア】&【悪逆の公爵・ユリウス】
絢爛のセクシーヴァンパイア:自分ターン中にこのカードがデッキから手札に加わるとき、復讐状態でないなら公開して消滅、ライフが11以上でも永続で復讐状態になる。
ファンファーレ 相手リーダーかフォロワー1体に4ダメージ。自リーダーを4回復。
悪逆の公爵・ユリウス:相手の場にフォロワーが出るたび相手リーダーに1ダメ、自リーダーを1回復。
ファンファーレ 復讐状態なら、「このフォロワーはEPを消費せず進化できる」を持つ。
【進化後】自ターン中、相手フォロワーを攻撃して破壊し、生き残ったらこのフォロワーを4回復。
帰ってきたセクシーヴァンパイアだが、「『復讐』とは一体……」と言いたくなる効果である。本体は昔の性能をやや小さくしたものでさほど強いとは思えないが、やはり引くだけで永続復讐となる効果が非常に強力。マリガンでキープできない、手札1枚分不利、など問題はあるがそれを差し引いても復讐ヴァンプには3投必須のカードとなるだろう。【ブラッドムーン】登場のときも言われたが、性能うんぬんより、復讐というコンセプトそのものにデザイン上の不備を感じてしまうカードである。過去の【ベルフェゴール】などは秀逸なデザインだったように思うのだが……。
そしてアルベールに呼応するように帰ってきた親友ユリウスだが、今回もやはりヴァンパイア所属。今回は以前にも増して体力が高く、相手としては非常に取りづらい点が強力。相手がフォロワーを出すと起動する能力にも回復が追加されてよりいやらしく、盤面で勝負するデッキに対して強いカードである。ただ戦闘後の効果だが、よく見るカードでは進化後の【蒼の反逆者・テトラ】【ボーンドローン】【欠落の聖女・リモニウム】あたり相手では発動しない点に注意。以前はアグロ系でよく見たユリウスだが、今回は復讐に入りやすいこともありコントロールデッキでもよく見ることになりそうである。
総評
今回はベスト10を決めるのが大変悩ましかったのでいつもよりカードパワー自体が高い気がします。選外になりましたが【愛の奇跡】や【賛美の狂信像・イミナ】なども強力そうに思え、【歴戦の旅ガエル】なども過去のトラウマをほじくるだけのポテンシャルを秘めているように思えます。復讐ヴァンプの強化が露骨にも見えますが機械エルフなども期待でき、ジンジャーやハデス、オムニスなども新感覚のプレイングが楽しめそうなので、明日の更新が待ち遠しいところですね。Tweet
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