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posted by fanblog

2018年07月27日

非難する人、閉塞する社会


今日はめずらしく真面目な話をします。

そしてちょっと長めです。

芸能人の発言や行動に何か過失があると、

徹底的に責め立てる。

いつから日本はこんな社会になってしまったのだろう? 

人を非難することに躊躇することなく

掲示板やツイッターなどで相手を攻撃する。

まあ芸能人は目立つ存在だし、

言動や仕事ぶりは人の模範と

なるべきところはあるかもしれない。

相手を正すという意味で「批判」はいいかもしれない。

でも今の日本は取り上げて責め立てる。

これはただの「非難」です。

あふれる嫉妬心が見える。



こうした非難は芸能人だけでなく

一般の人にも向けられる。

以前、テレビで募金活動をする若者たちを密着していた。

彼らは募金活動の合間に、

ツイッターで自分たちの行動が誰かに

よって非難されていないか確認していた。

「ネコババするんじゃないか」

などという発言が以前にあり、

そうした言葉に怯えていた。


また最近の公園ではめっきり

子どもたちの賑やかな声が減った。

子どもたちは公園の端やどこかの室内で

ひたすらゲームをやっている。

なんでそんなことをしているのかと聞くと

「大人たちにとってぼくたちは迷惑だから」と言う。

屋外で声を出して遊んでいると大人から

「うるさい」と怒られるらしい。

子どもたちが大人にとって迷惑な存在。

そんなことを認識しながら子どもが成長していく

国に果たして未来はあるのだろうか?



◎なぜ人々は非難するのか?

多くの人々がこうなってしまったのには

明らかにいくつかの理由がある。

ツールの変化によるコミュニケーションの変化

昔は相手に文句があるときは向き合って言っていた。

直接相手の顔をみてしまうと怒りの感覚が薄らぐ、

もともと人はそのように出来ているのである。

相手の表情、声の質、言い方で

「反省しているのか」「逆に怒っているのか」

が容易に読み取れる。

これはノンバーバルコミュニケーションと呼ばれるもので、

私たちはそうしたコミュニケーションに長けていた。

しかしそれが電話になり、

声質や話し方はわかっても顔がわからなくなった。

そしてコミュニケーションが

もっぱらメール、ツイッター、掲示板になり、

相手の感情を考えることなく

自分の言いたいことを言い切れる時代になった。


怒りは行動によって、より高まってしまう効果がある。

相手と話すと抑制しながらになり、

怒りも同時におさまっていく。

しかしSNSコミュニケーションでは、

怒りによる非難を書いているうちに

次第に怒りがエスカレートしてしまう。


また匿名社会、他の人もやっているという状況化では

没個性化と呼ばれる現象がおき、

人は行動がエスカレートして残酷になる。

サッカーの観戦者が感情が高まり

暴徒化するフーリガンと似ている状況になる。


さらに思ったらすぐに言えるという状況も良くない。

5分経てばだいぶ怒りが収まる。

3日経てば文句を言うのも面倒になる。

しかし思ったらすぐに言える環境だ。

少し前までは家に帰って、パソコンを開く間に怒りが収まった。

今は怒った瞬間にスマホから文句を送信できてしまう。


そもそもなぜそんなに怒るのか?

人はなんでも比較して生きている。

自覚している人も自覚していない人も比較して判断している。

脳の判断基準は過去の出来事との比較なのである。

だから過度の比較はいけないが、

比較するなというのは構造上無理なのである。

人は何でも比較する。

ところが最近、比較がエスカレートする心理が高まっている。

たとえば芸能人が海外にサッカーに観戦に行った。

前は自分の状況と比較して「さすが芸能人だ。自分もがんばろう」

という形になった。

ところが最近は「芸能人、贅沢だむかつく」となる。

そして後から「今、どこかで大変な人がいるのに不謹慎だ」

と後付けの理由をもっともらしく付けて、

非難しやすくするという形を作る。

これ何が違うかというと、

自分を冷静に見極めて向上心に持っていくのではなく、

相手を安易に批判することで自分の気持ちを

満たそうとしているのであります。

これはもっとも人が成長しないパターンで、

怠惰で非難ばかりする人が増殖してしまうのだ。

嫉妬心が高まっているのは、人が手抜きをしたいと考えている。

そんな側面があるのも感じます。

また最近の心理トレンドである「損失回避性」

とも関係していると推測している。

人は得をしたいと考えるよりも損をしたくないと考える。

この感情が高まっていて、

大きく人の判断基準を不合理的にしている。

「自分は我慢して真面目に生きてきた」だから

「ずるいことをしている(していそうな)人は許せない」

と感じているのです。



◎閉塞する社会

それと同調しないで人の自尊感情が高まっていけば、

非難に負けない人間が育っていく。

ところが明らかに人の自尊感情は下がっている。

自分は価値ある人間だと思う人が減ってきていて、

人の評価を非常に気にしている。

これもSNS社会が生んだ承認欲求が

高まる構造もいけないのだ。

このままでは社会は間違いなく閉塞していくだろう。

解放と抑圧を繰り返す人類の歴史から考えても、

どこかで何かか爆発するかもしれない。

「非難する社会をやめよう」という形で運動が始まればいいが、

悪いシナリオとして単に社会を恨む

無差別的な事件が増える可能性も危惧している。


◎ではどうすればいいのか?

私はスマホを捨てる社会が好ましいと思う。

ただし利便性を捨てることは、人にとって強烈に抵抗がある。

10人にひとりが捨てても意味がない。

その方向は少しナンセンスかもしれない。

ならば人を「ほめようではないか」。

悪いことと同時に良いこともSNSに

乗ってたくさん現れている。

少し良い兆しとして、ここ何年もツイッターの

つぶやきトレンドを追っているが、

「誰かの良い行い」「希望を生む言葉」

への反応が増えてきていると感じる。

良いことをした人にはたくさんほめてあげよう。

ピグマリオン効果という心理効果がある。

人は怒ると一時的にはがんばるのだけど、

中長期的には効果か薄い。

人はほめて伸ばすほうが中長期的には成長できる。

人から期待されていると頑張れるのだ。

良い行いをしている人がいたら、

3倍ほめてあげよう。

3倍あれば非難をかわせる力になる。

良いことはほめられるからやるのではない。

当たり前だからやるのである。

しかし病んだ社会を治すには

「ほめる」という処方箋が必要なのだと感じています。

それから損失回避の性質をとめるために、

大人たちが失敗してもよい環境を作ってあげるべきだと考えます。

今の若い人たちは「失敗できない」と考えている。

社会全体がもっと失敗に対して寛容にならないといけない。

人は失敗するもののはず。

失敗がいけないのではなく、

失敗したときにどう対応するのか? 

同じ失敗をどうしたら繰り返さないようにするのか。

それを教えるのが大人であり、

社会なのではないかと

私はそんなことを思うのです。




長文、最後まで読んでいただいてありがとうございました。




いつかこんなことをまとめた本が出せたらいいなと

思っています。

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ポーポー・ポロダクションという遊び心ある企画を考える仕事をしています/色彩心理/心理学/行動経済学/キャラクターデザイン/企業の問題を心理学を用いて解決する心理学研究者/よく地下鉄のドアに挟まれる/代表書籍「マンガでわかる色のおもしろ心理学」「デザインを科学する」「マンガでわかるゲーム理論」「マンガでわかる行動経済学」「パンダ先生の心理学図鑑」
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