2020年03月18日
書籍の印税の話
noteで書籍の印税の話を書いたところ
反響が大きかったので
プログのほうでもまとめます。
読者さんから印税の話を聞かれることがあります。そこで本と印税の関係をしたいと思います。作家は原稿を書いて、それが本になります。収入は印税という形で作家に払われます。「発行部数」もしくは「販売部数」に応じて著作権者に支払う著作権使用料のことをいう通称です。昔は著者が認めたという著者検印紙というものを書籍に貼り付けて販売した時代があり、その態様から印紙税になぞらえて印税と呼ばれるようになったそうです。
印税がどのような形で作家に支払われるかは出版社次第です。一般的には「発行部数」に応じて支払われます。たとえば6月に5,000部の本を発行する場合、印税率が10%とすると「本の定価」×「印税率10%」×「発行部数(5,000)」の金額に源泉徴収された金額が7月とか8月に支払われるシステムです。出版社の中には「販売部数」に応じて、売れた分だけ支払いをするという出版社もあります。
印税率も出版社によってまちまちで、だいたい8〜10%。出版不況でやや下がっているという話を聞きます。
電子印税は少し様子が異なり、多くは「販売部数」に応じて、売れた分だけ支払いをするという出版社がほとんどです。印税率は紙の印刷などのコストがない分、20%程度と印税率が高くなっています。資金力がない小さな出版社は、ここで差別化をはかり30%以上にしているところもあると聞きます。こちらは半年や1年単位で実績分(販売数)を支払ってくれます。紙は「発行部数」、電子は「発売部数」が一般的です。
また海外翻訳は「先払い印税」という独特のシステムがあり、最初に「10万円で契約して」という金額の話があり、その金額内で1000冊、500冊などの本を発行して売ってくれます。先払いというだけあって、本ができる前に契約金を振り込み、それを出版社と分ける形になります。配分率は出版社によって異なります。だいたい4〜5割が著者の取り分です。海外は日本より貨幣価値が低いこともあり、振り込み金額はそんなに大きくならないのが特徴です。貨幣価値の低い国では振り込まれる金額が1000円以下のケースもあります。人気になると数十万円の金額になることもあります。5年契約などで契約をしており、売れていると再契約(更新)をしてくれるケースがあります。ポーポーの本はお恥ずかしいことに、日本ではそんなに売れておりませんが、中国ではそこそこ売れており、日本ではほとんど売れませんでしたが「マンガでわかる恋愛心理学」は中国内9社コンペで、初版部数5万部という発行をしてくれました。すごい数字なのですが、単純に日本の貨幣価値の1/10なので日本の5,000部の実績と同じぐらいになります。惜しい(笑)。
読者の方にどの本を買うと喜ばれますか?という質問をされることがあります。これは作家さんによって違うかもしれませんが、私は旧作は図書館でも中古でも良いのでまず読んでもらいたいと思います。発行から2、3年経った本はどんなに売れても出版社は増刷してくれません(テレビなどで爆発的な人気にならない限り)。そのかわり発行から2年以内の本、通常流通している本は買ってくださると、増刷につながり、1500部〜3000部の増刷になり、その印税が著者に振り込まれます。作家はこのお金を原資にまた次の本に挑戦できます。
ポーポーでいうと
(売れたら確実に増刷になる本)
・色と性格の心理学 5刷
・マンガでわかる行動経済学 6刷
・マンガでわかるゲーム理論 4刷
・マンガでわかる色のおもしろ心理学(定番化)15刷
・マンガでわかる心理学(定番化)15刷
・デザインを科学する(定番化)4刷
(売れたら増刷になる可能性がまだある)
・アイデアの科学
このあたりの本を買ってくださると増刷の可能性がありますが、その他の本はここ1年流通が停滞しているので増刷の可能性が低く、電子書籍で買ってくださると本代金の何割かが確実に届きます。こんな感じになっています。
今後の本作りの見込みとして、出版社は印税率を下げようとしている傾向はあります。本で生活ができる作家は限られてきており、兼業作家が中心になることと、そのうち出版社はその機能を求められなくなり、作家が編集者と電子で本を作っていく時代になっていくと思います。出版社は右から左にものを流通されせる役割ではなく、出版社としての存在感出していかないと難しいと思います。出版社には色々と面白い取り組みの提案をしているのですが、なかなか話を聞いてくれません。これは心理的に分析すると、企業としてワンマン傾向が高まっていて、下からの提案が通る風通しではないように見えます。ポーポーはあきらめが悪いので、これからも面白い本作りと環境づくりをしていきたいと思います。
最後に夢のある話をひとつ。定価1,300円の本、印税率が8%でも1万部売れたら約100万円の印税の支払いがあります。1万部なら不況下でも狙えます。もし10万部売れたら1000万円です。源泉徴収を20%されて800万円です。ここならこれから本を作りたいと思うみなさんでも狙えなくはないと思います。ポーポーは国内における単体では過去に7.5万部しか売れたことがありませんが、10万部は宝くじが当たるよりも可能性があると思います。10万部を狙いたいです。
反響が大きかったので
プログのほうでもまとめます。
読者さんから印税の話を聞かれることがあります。そこで本と印税の関係をしたいと思います。作家は原稿を書いて、それが本になります。収入は印税という形で作家に払われます。「発行部数」もしくは「販売部数」に応じて著作権者に支払う著作権使用料のことをいう通称です。昔は著者が認めたという著者検印紙というものを書籍に貼り付けて販売した時代があり、その態様から印紙税になぞらえて印税と呼ばれるようになったそうです。
印税がどのような形で作家に支払われるかは出版社次第です。一般的には「発行部数」に応じて支払われます。たとえば6月に5,000部の本を発行する場合、印税率が10%とすると「本の定価」×「印税率10%」×「発行部数(5,000)」の金額に源泉徴収された金額が7月とか8月に支払われるシステムです。出版社の中には「販売部数」に応じて、売れた分だけ支払いをするという出版社もあります。
印税率も出版社によってまちまちで、だいたい8〜10%。出版不況でやや下がっているという話を聞きます。
電子印税は少し様子が異なり、多くは「販売部数」に応じて、売れた分だけ支払いをするという出版社がほとんどです。印税率は紙の印刷などのコストがない分、20%程度と印税率が高くなっています。資金力がない小さな出版社は、ここで差別化をはかり30%以上にしているところもあると聞きます。こちらは半年や1年単位で実績分(販売数)を支払ってくれます。紙は「発行部数」、電子は「発売部数」が一般的です。
また海外翻訳は「先払い印税」という独特のシステムがあり、最初に「10万円で契約して」という金額の話があり、その金額内で1000冊、500冊などの本を発行して売ってくれます。先払いというだけあって、本ができる前に契約金を振り込み、それを出版社と分ける形になります。配分率は出版社によって異なります。だいたい4〜5割が著者の取り分です。海外は日本より貨幣価値が低いこともあり、振り込み金額はそんなに大きくならないのが特徴です。貨幣価値の低い国では振り込まれる金額が1000円以下のケースもあります。人気になると数十万円の金額になることもあります。5年契約などで契約をしており、売れていると再契約(更新)をしてくれるケースがあります。ポーポーの本はお恥ずかしいことに、日本ではそんなに売れておりませんが、中国ではそこそこ売れており、日本ではほとんど売れませんでしたが「マンガでわかる恋愛心理学」は中国内9社コンペで、初版部数5万部という発行をしてくれました。すごい数字なのですが、単純に日本の貨幣価値の1/10なので日本の5,000部の実績と同じぐらいになります。惜しい(笑)。
読者の方にどの本を買うと喜ばれますか?という質問をされることがあります。これは作家さんによって違うかもしれませんが、私は旧作は図書館でも中古でも良いのでまず読んでもらいたいと思います。発行から2、3年経った本はどんなに売れても出版社は増刷してくれません(テレビなどで爆発的な人気にならない限り)。そのかわり発行から2年以内の本、通常流通している本は買ってくださると、増刷につながり、1500部〜3000部の増刷になり、その印税が著者に振り込まれます。作家はこのお金を原資にまた次の本に挑戦できます。
ポーポーでいうと
(売れたら確実に増刷になる本)
・色と性格の心理学 5刷
・マンガでわかる行動経済学 6刷
・マンガでわかるゲーム理論 4刷
・マンガでわかる色のおもしろ心理学(定番化)15刷
・マンガでわかる心理学(定番化)15刷
・デザインを科学する(定番化)4刷
(売れたら増刷になる可能性がまだある)
・アイデアの科学
このあたりの本を買ってくださると増刷の可能性がありますが、その他の本はここ1年流通が停滞しているので増刷の可能性が低く、電子書籍で買ってくださると本代金の何割かが確実に届きます。こんな感じになっています。
今後の本作りの見込みとして、出版社は印税率を下げようとしている傾向はあります。本で生活ができる作家は限られてきており、兼業作家が中心になることと、そのうち出版社はその機能を求められなくなり、作家が編集者と電子で本を作っていく時代になっていくと思います。出版社は右から左にものを流通されせる役割ではなく、出版社としての存在感出していかないと難しいと思います。出版社には色々と面白い取り組みの提案をしているのですが、なかなか話を聞いてくれません。これは心理的に分析すると、企業としてワンマン傾向が高まっていて、下からの提案が通る風通しではないように見えます。ポーポーはあきらめが悪いので、これからも面白い本作りと環境づくりをしていきたいと思います。
最後に夢のある話をひとつ。定価1,300円の本、印税率が8%でも1万部売れたら約100万円の印税の支払いがあります。1万部なら不況下でも狙えます。もし10万部売れたら1000万円です。源泉徴収を20%されて800万円です。ここならこれから本を作りたいと思うみなさんでも狙えなくはないと思います。ポーポーは国内における単体では過去に7.5万部しか売れたことがありませんが、10万部は宝くじが当たるよりも可能性があると思います。10万部を狙いたいです。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9712505
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック