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2024年11月12日

街の風景

私は冬が近くなると自然と『街の風景』を思い出す。街の風景が、この曲のようにさみしく映るからかもしれない。
この『街の風景』は『17歳の地図』の冒頭を飾る曲である。
でたし「街の風に引き裂かれ舞い上がった夢くずか路上の隅で寒さに震え」は
「夢を」「夢くず」と歌い、「紙くず」と重ねて、街に飲み込まれ舞い上がっていく様を歌っている。この1節は尾崎の表現していく全てに通じる悲しさを感じる。短い1節たが尾崎の人生を端的に表現しており、軽いものではない。

2024年10月16日

太陽の破片

尾崎の苦悩ともがき、立ち直ろうとする姿勢、
尾崎がずっと心に抱いている夢、それが叶わぬことへの焦燥、またニューヨークでであってしまった薬物の影響などが全面に表れている曲。
「太陽の破片」とはラストで「太陽の破片が頬をつたう」とうたっているように涙のことであろう。

この曲の奇妙で巧妙なところは尾崎のものすごく個人的な苦悩であるはずなのに
「自由、平和、愛」と世の中を見据えたよなうな歌詞が一文入っていることである。
普遍的な「愛」や「平和」と重ねて聞くことができてしまう。これは尾崎のうまいところであり、多くのファンが、支持するいってしまえば
「上手い」部分であるかもしれない。
しかし冷静に考えると
この曲を書いている時点での荒れ果てた心を持つ尾崎にそれを語れる資格があるか、というのは疑問である。
とはいえ、作品上は尾崎マジックともいうべき心に響くものがあるのも否定できない。

また、愛や正義という言葉に対する絶大な信頼がみえる一方
偽りや、裏切りに対する絶望的とも言える不信が歌詞に混在し、尾崎の定まらない心情がよく表れていると思う。

破れた夢


生涯最初で最後のテレビ出演もこの曲。
東京ドームでのライブパフォーマンスでは最後のクラクションと、尾崎のシャウトの共演は圧巻。

2024年09月12日

誰かのクラクション

「毎日はあまりにもさらけ出されていて」
この詩は色々な受け止め方ができるが
尾崎の外側からの刺激に弱いむき出しの心、がさららけだされているというニュアンスで私には聞こえる。

ライブバージョン
有明コロシアムのライブバージョンは必聴だ。
ピアノのイントロこそこの曲にふさわしいと感じる

2024年05月10日

ママ、セイグッバイ

母親への向けた別れの曲が、皮肉にも尾崎自ら最後の曲となってしまった。

1991年12月29日に尾崎の母親が亡くなって、わずか5ヶ月後1992年4月25日に尾崎が亡くなることになる。それが故に母親への別れの言葉のが尾崎自らにあてた人生への問いかけにも重なってしまう。

「ささやかな人生の願いは一つでもかなったの」と母親に向けた詩について、彼自身の人生のささやかな夢はかなったのだろうか。


他にもこの曲にも尾崎の独特のが表現が多数記されている。
「あなたを覚えてきた」

最後のハーモニーカが心をうつ…

ママ、セイグッバイ

母親への向けた別れの曲が、皮肉にも尾崎自ら最後の曲となってしまった。

1991年12月29日に尾崎の母親が亡くなって、わずか5ヶ月後1992年4月25日に尾崎が亡くなることになる。それが故に母親への別れの言葉のが尾崎自らにあてた人生への問いかけにも重なってしまう。

「ささやかな人生の願いは一つでもかなったの」と母親に向けた詩について、尾崎自身へそっくりそのまま跳ね返るような詩である。
彼自身の人生のささやかな夢はかなったのだろうか。


他にもこの曲にも尾崎の独特のが表現が多数記されている。
「あなたを覚えてきた」
「」

最後のハーモニーカの長い演奏は、尾崎の曲では異例である。楽器の演奏で終わる曲はこの曲をおいてない。まさに、母親に向けたレクイエムあり、彼のこの曲に対する思いが伝わってくる。

2024年03月31日

尾崎豊は教科書にのるような人か?

尾崎豊の理解、評価というのほおおよそ、3タイプに分分かれる。

1尾崎豊に興味がない人
→名前ぐらいしか知らない、中2病、なんとなく学校や社会へ反抗していた曲を作っていた歌手
これが大半である。


2尾崎豊のファン、
→作品の中のメッセージと尾崎の人間性をイコールとしてみる
このタイプは尾崎は歌詞を全て達観してような聖人のように捉え、尾崎は理想の人への愛しかたをしっている人だ!と信じ、勝手につくりあげた「尾崎の虚像」をすきになっている。


3尾崎豊のファン
→作品のメッセージと尾崎の人間性を別に分けてみる
作品の素晴らしさと尾崎の人間性を一歩ひいためでみている。実像の尾崎も含め、彼の悲しみや苦しみの中で作られた背景も含め尾崎を好きな人



誤解を受けるかもしれないが、少なくてとも教科書に乗せてしまうような人は2のタイプだとおもう。
この事を言う人は尾崎を「社会の反抗者」か「I LOVEYOU」を歌う、愛の伝導者かという両極端なことでしか語れない人だろう。
批判するつもりはないが、そのような人が多いのは事実である。


尾崎が向き合っていたことは、自分との葛藤、苦しみであり、彼はそれに打ち勝つようにあがき、懸命に生き抜いた。不器用な人で、愛に対して誠実でなくてはならない、と自分や他人を巻き込んでまで、自分で定義づけた愛に沿って生き抜こうとした。そんな哀れな一面をもつということを知っておくべきである。これは彼を卑下するわけではなく、彼の作品の本質を理解するために必要なことだからだ。なぜならその本質、葛藤から作品が生まれたされ、彼の作品の主題はその苦しみから解き放たれることが暗に、時には直接的に書かれているからである。もし、彼が人物(聖人のような素晴らしい人物)として教科書にのるのなら、世の中の多くの人が彼よりもうまく、日常を送り、人を愛し、モラル、ルールをまもり暮らしているの日々を送っている人々のほうがそれにふさわしい。

作品の素晴らしさと、尾崎の本質を見誤ってしまっては、せっかくの作品の素晴らしさの意味すら誤って理解されてしまうことに、つながるだろう。

尾崎のネット記事を見つけて、ふとそんなことを今日思った。

2023年12月31日

『核』 尾崎の愛への固執そのもの

アルバム『街路樹』収録の『核』。

『核は』『クッキー』だったという記事は書いたが、この曲そのものをクローズアップした記事を書いてみようと思う。

この曲の「抱きしめて、愛している、抱きしめていた、それだけなのに」

とは単に恋人を愛しているとか、好きなへの一途な思いとかそんな軽いものではなく、
尾崎の愛への深い依存、執念を感じざるにはいられれない。

「愛という名のもとに俺は生きたい」

2023年11月30日

尾崎豊の奥さま繁美さんにネット上でご意見に思うこと

たまに繁美さんが尾崎豊の回顧する記事を見かける。
くしくも2023.11.28に配信された『現代ビジネス』58 歳になる尾崎豊への手紙
という記事を読んだ。
彼への手紙と題して

繁美さんはとてもロマンティストな方だと思います。それは大げさではなく、尾崎豊の愛を並大抵の方では受け入れられません。
その部分が尾崎と共感しあっていたのだと思います。
これは他人がどうこういえる部分ではないとおもいます。繁美さんしかみれなかった尾崎の本当の部分、それは良いことも、悪いことも見てきたと思います。

今彼女が過去を振り返り手記をだすことに対して、批判めいたネット上の意見を多く見受けますが、(ひどいものだと尾崎を殺害した黒幕なども)もってのほかで、繁美そんも尾崎を愛したがゆえに尾崎に最も苦しんだ人の一人だと思います。
尾崎の愛を真正面から受け入れた人、共感した人、繁美さんも並大抵の人ではないと私は思います。

2023年05月24日

尾崎聡美さんの回顧録について

最近インターネット記事に掲載された尾崎繁美さんの回顧録は非常に読み応えがあった。
30年以上前の話とはいえ、まるで二人の生のドラマを見ているような生生しさを感じた。
繁美さんの証言がなければわからないの曲の秘話などが語られている。いや、曲という飾られた作品よりももっと生身の尾崎豊の姿があった。

尾崎繁美さんについて。とてもロマンティストな方だとおもった。尾崎豊の表現したい愛について理解し、共鳴しあうことができたから当然のことたとは思う。そして尾崎豊と同化すらし、つっぱしってしまったこともあったようである。それは繁美さんが特別たったからでなく、どの夫婦にも言えることかもしれない。「二人の人生分け合い生きるんだ」『忘れな草』の歌詞のように夫婦とはそのようなものだ。
また見城氏や、須藤氏などそばにいた人も尾崎豊ととても近い人はみな尾崎豊との距離感に戸惑い苦しんだ。
私は誰も受け止めきれない尾崎豊という人を受け入れた彼女をリスペクトしている。

東京ドーム公演の合間に奥様が入院し、それにつききっきりて寄り添う尾崎豊。傍目からみたらなんて仲が良いと思われたが、本当は「極度に寂しがり屋でやきもちやき」なだけなのに、と。そしてそのことは尾崎豊の才能の裏付けとなっていたと。この繁美さんの証言には鳥肌がたった。
それは私が私なりにこのプログで少しでも尾崎豊の真実に近づこうと書いている尾崎豊そのものだったからである。

尾崎豊の愛と激しく揺れ動くジェットコースターのような尾崎豊の感情にもまれる繁美さんの証言を読み私は気がつくと涙を流していた。

※これは私的なことであるが私がこのプログを書くに当たりもう一つ重要なことがあり、私の親しかった人(女性)が境界性であったことも私の経験上でものすごくこのプログを書く内容尾崎豊の真実へのアプローチに元になっていることを記しておきたい。


2023年05月22日

『米軍キャンプ』物語風の作品の頂点

『壊れた扉から』収録。
物語風のストーリーに詩の文学性、知る人ぞ知る隠れた傑作である。ストーリー調の曲は『ダンスホール』『アイラブユー』など尾崎豊の得意とするところであるが、この手の曲の最高傑作で頂点にあるのがこの『米軍キャンプ』だとおもう。
音楽プロデューサーの須藤氏が『尾崎豊覚書』の中で、尾崎の表現は詩人でもなく、作家でもなく、シンガーソングライターこそ一番表現力が出たという趣旨のことが書かれていたが、まさに同感である。尾崎豊の作家としての作品や、詩単体
としてみても非凡ではあるが、それが詩や文書単体としてではなく、メロディがつけられ、尾崎豊のボーカルに載せられたときに最大の力を発揮する。それが如実にわかる一曲といえる。

この『米軍キャンプ』は、聞く側も一本映画をみるような覚悟が必要な曲である。

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