「1週間のあいだに、防衛増税の財源やLGBT法について3回も辛口で政権批判の社説を掲載した。主筆の意向なしに、こんな紙面は作らないでしょう」(岸田派所属議員)
だが、その蜜月に異変が生じた。総理が「衆院解散見送り」を判断した前後から、読売新聞の論調が激変したのだ。
〈岸田首相は、増税の実施時期の判断から逃げてはならない〉〈LGBT法が欠陥を抱えていることは、明らかだ。成立を急がせた首相の責任は重い〉
こうした「名指し」の批判的社説を6月13、17、18日に相次いで掲載。マスコミ業界のみならず、政界もどよめいた。
読売新聞と財務省の太いパイプ
「総理は解散見送り表明の6日前、6月9日の昼に渡邉主筆と懇談しています。ここで総理は、解散を見送ること、増税する考えはないことを主筆に伝えたといいますが、それが主筆の考えと食い違ったようです」(全国紙政治部デスク)
「増税」と言いすぎて支持率が低迷したことに懲りて、「総理は『財務省のポチ』呼ばわりされることを極端に気にするようになり、今では増税をムキになって否定している」(前出と別の岸田派所属議員)。その一方で、読売新聞は伝統的に財務省とのパイプが太いとされ、グループ本社の監査役には大物次官OBの丹呉泰健氏や真砂靖氏を迎えてきた。社論も財政健全化路線の色が濃い。
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