2010年04月24日
視線
41名分の木製の机と椅子が並ぶ教室。
給食当番の作業を見守る廊下よりの席。
刃物でいたずら書きされデコボコした机。
おかず、コッペパン、牛乳が並んだアルミのトレー。
脱脂粉乳に取って代わったビン入り牛乳。
給食当番の作業を見守る廊下よりの席。
刃物でいたずら書きされデコボコした机。
おかず、コッペパン、牛乳が並んだアルミのトレー。
脱脂粉乳に取って代わったビン入り牛乳。
「いただきます」の掛け声。
牛乳瓶の蓋をとる。
蓋の裏面に付いた一滴を舐める。
それは癖だった。
普段と変わらない食事の始まりだった。
蓋を舐めながら何気なく首を傾げて横を見る。
「…」。
一瞬ぶつかった視線。
視線の先には君がいた。
頭の中は真っ白に染まった。
君の名前を10回くらい叫ぶことができるような時間にも思えた。
その一瞬は
目が点になった君の顔の表情を
恥ずかしさで顔が火照った自分の感情と一緒に
カメラのシャッターのように脳裏に焼き付けた。
中1の春。
思春期だった。
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