2015年09月07日
摂食・嚥下障害の臨床的重症度分類
2015年下半期開始に向けて、
人事考課や動静調査等、
職場は日々慌しく動いています。
そんな中、中途入職の方も
いらっしゃいます。
主な転職の理由を聴取すると、
前の職場の医師(以下:Dr)の
横暴に嫌気がさしたという事です。
我々セラピストはDrの指示の下
動く訳ですが、過剰すぎるDrの管理は
職員のモチベーションを著しく
低下させてしまうものなのかなと
感じております。
個人的には患者様or利用者様の
リハビリの必要性の可否や、
治療プログラムの設定は、
Drが常駐しているのならともかく
そうでない場合はセラピストの
裁量に委ねて頂いた方が、
仕事としてはやり易く感じます。
さて、本日は基礎的な知識について
触れたいと思います。
意外に言語聴覚士の方でも
認識が曖昧な才藤 栄一氏の
『摂食・嚥下障害の臨床的重症度分類』
下記に詳細及びVF(=嚥下造影検査)の
適用も載せましたので、併せて
ご参考になさってください。
F正常範囲(normal)
⇒摂食・嚥下に問題無し。
(VF適応)無し。
E軽度問題(minimum problem)
⇒摂食・嚥下に軽度の問題の問題があり、
若干の食形態の工夫が必要なレベル。
(VF適応)無し。
D口腔問題(oral problem)
⇒主に準備期や口腔期の中等度〜重度障害(+)
咀嚼に対して食形態の工夫が
必要なレベル。誤嚥は無し。
(VF適応)無し。
C機会誤嚥(chance aspirator)
⇒通常の摂食方法で誤嚥を認めるが、
一口量の調整、食形態の工夫、姿勢効果、
嚥下代償法等で、水分の誤嚥も
十分防止できるレベル。
適当な摂食・嚥下方法の適応により、
医学的安定性は保たれる。
(VF適応)有り。
B水分誤嚥(water aspirator)
⇒水分の誤嚥を認め、嚥下代償法の効果
不十分だが、食形態効果十分なレベル。
嚥下開始食が選択される等、
適当な摂食・嚥下方法の適応により、
医学的安定性は保たれる。
(VF適応)有り。
A食物誤嚥(food aspirator)
⇒誤嚥を認め、食形態効果も十分なレベル。
水分・栄養管理は経管栄養法を
適応することで、医学的安定性は保たれる。
間接的訓練が主な対象となる。
(VF適応)有り。
@唾液誤嚥(saliva aspirator)
⇒常に唾液も誤嚥しているレベル。
持続的な経管栄養法を必要とするが、
誤嚥の為、医学的安定性は保つことが困難。
合併症のリスクが高い。
(VF適応)無し。
以上、我々言語聴覚士の介入の
必要性は主に@〜Eとなりますが、
@に関しては口腔内清潔保持により
誤嚥性肺炎の予防が
第一選択となるかと思います。
またここには載せませんでしたが、
VE(=嚥下内視鏡検査)は、
VFに比べて被爆などの侵襲
が少ないだけでなく、
唾液の貯留の検出に優れていますので、
最重度分類の@に対して
非常に有用といえます。
人事考課や動静調査等、
職場は日々慌しく動いています。
そんな中、中途入職の方も
いらっしゃいます。
主な転職の理由を聴取すると、
前の職場の医師(以下:Dr)の
横暴に嫌気がさしたという事です。
我々セラピストはDrの指示の下
動く訳ですが、過剰すぎるDrの管理は
職員のモチベーションを著しく
低下させてしまうものなのかなと
感じております。
個人的には患者様or利用者様の
リハビリの必要性の可否や、
治療プログラムの設定は、
Drが常駐しているのならともかく
そうでない場合はセラピストの
裁量に委ねて頂いた方が、
仕事としてはやり易く感じます。
さて、本日は基礎的な知識について
触れたいと思います。
意外に言語聴覚士の方でも
認識が曖昧な才藤 栄一氏の
『摂食・嚥下障害の臨床的重症度分類』
下記に詳細及びVF(=嚥下造影検査)の
適用も載せましたので、併せて
ご参考になさってください。
F正常範囲(normal)
⇒摂食・嚥下に問題無し。
(VF適応)無し。
E軽度問題(minimum problem)
⇒摂食・嚥下に軽度の問題の問題があり、
若干の食形態の工夫が必要なレベル。
(VF適応)無し。
D口腔問題(oral problem)
⇒主に準備期や口腔期の中等度〜重度障害(+)
咀嚼に対して食形態の工夫が
必要なレベル。誤嚥は無し。
(VF適応)無し。
C機会誤嚥(chance aspirator)
⇒通常の摂食方法で誤嚥を認めるが、
一口量の調整、食形態の工夫、姿勢効果、
嚥下代償法等で、水分の誤嚥も
十分防止できるレベル。
適当な摂食・嚥下方法の適応により、
医学的安定性は保たれる。
(VF適応)有り。
B水分誤嚥(water aspirator)
⇒水分の誤嚥を認め、嚥下代償法の効果
不十分だが、食形態効果十分なレベル。
嚥下開始食が選択される等、
適当な摂食・嚥下方法の適応により、
医学的安定性は保たれる。
(VF適応)有り。
A食物誤嚥(food aspirator)
⇒誤嚥を認め、食形態効果も十分なレベル。
水分・栄養管理は経管栄養法を
適応することで、医学的安定性は保たれる。
間接的訓練が主な対象となる。
(VF適応)有り。
@唾液誤嚥(saliva aspirator)
⇒常に唾液も誤嚥しているレベル。
持続的な経管栄養法を必要とするが、
誤嚥の為、医学的安定性は保つことが困難。
合併症のリスクが高い。
(VF適応)無し。
以上、我々言語聴覚士の介入の
必要性は主に@〜Eとなりますが、
@に関しては口腔内清潔保持により
誤嚥性肺炎の予防が
第一選択となるかと思います。
またここには載せませんでしたが、
VE(=嚥下内視鏡検査)は、
VFに比べて被爆などの侵襲
が少ないだけでなく、
唾液の貯留の検出に優れていますので、
最重度分類の@に対して
非常に有用といえます。
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返信が大変送れて申し訳ありません。
Drの方からのコメントを
頂けるとは恐縮です(汗)。
VEとVFの適応の違いは
今回の記事作成を通じて
私自身も大変勉強させて頂きました。
VFは特に咽頭期において
とても精度が高い検査ですが、
検査所見のみで能力を過信しすぎる
事無く、実際の食事場面など
経時的に評価していくことも
臨床家としては大事だと感じております。
VE実技試験に向けて勉強中です。大変参考になりました。また、拝見したいと思います。