西蓮寺(さいれんじ)は、茨城県行方市西蓮寺にある天台宗の寺院。山号は尸羅度山。院号は曼珠院。本尊は薬師如来。俗に常陸の高野山ともいわれる。山門(仁王門)と相輪橖は国の重要文化財、木造薬師如来坐像は茨城県指定有形文化財である。また、境内の面積は1万6000平方メートルあり、県指定天然記念物である樹齢1000年以上といわれる2本の大イチョウのほか、サクラ・スギ・シイの巨木が茂っている。
西蓮寺の仁王門(山門)
歴史
この寺は、782年(延暦元年)に桓武天皇の勅願により天台宗の僧で最澄の弟子である最仙によって創建されたと伝えられ、中世から近世にかけて、末寺30余カ寺を有して寺運は興隆し天台宗の中心的な寺院のひとつとなった。鎌倉時代中期、比叡山の無動寺から慶弁阿闍梨が来て七堂伽藍を造営し、京都の曼殊院の門跡忠尋大僧正が、乱を逃れてこの西蓮寺に来てとどまり、曼殊院の額を山門に掲げたと伝えられる。境内に建つ相輪橖は日本三相輪橖のひとつで、慶弁が元寇の役で勝利したことを記念して、信者の浄財によって建立したと伝えられている。江戸時代には江戸幕府から朱印状を与えられていた。1883年(明治16年)の火災により、本堂・薬師堂などを焼失したが、山門(1543年(天文12年)建立)と相輪橖(1287年(弘安10年)建立)は焼失を免れた。現在の本堂・常行堂・鐘楼・客殿などは、火災後の再建によるものである。
西蓮寺(茨城県行方市)の相輪橖(そうりんとう)
西蓮寺の薬師堂(茨城県行方市)
所在地 茨城県行方市西蓮寺504
位置 北緯36度4分18.3秒 東経140度26分20.9秒
山号 尸羅度山
宗旨 天台宗
本尊 薬師如来
札所等 関東地蔵霊場65番札所、関東薬師霊場78番札所、常陸七福神(寿老人)
2023年11月07日
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