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2015年06月30日

ああ何も知らんかった、カメラ業界激動の10年(2)

b.ところで、自分で買った最初のカメラは、

a.マウンテンバイクこぎながら山野の写真が撮りたくてコンビニで買った「写るんです」が1号機、1996年のことやった、

写ルンです.jpg
正しいつづりは「写ルンです」か、そういえばそうだったような、話ちがうけど、吉田戦車の「伝染るんです」おもろかったなあ、

伝染るんです.jpg
カブトムシ.jpg

b.そのあとは、

a.APSっていうフィルムカメラ最後のあがきで、各社から色々売り出されてて、それにまんまと乗せられて買ったのがキヤノンのIXY(イクシ)、IXY(イクシ)シリーズの最初のモデルやった、当時4万ちょっとやから、けっこうな値段や、

IXY.jpg
初代「IXY」はAPS(アドバンスド・フォト・システム )カメラ、フィルムカメラ最後の光芒、

b.IXY(イクシ)っていうとキヤノンの小型デジカメで有名ですけど、もともとはフィルムカメラだったんか、

a.そのあと父親が使ってないミノルタの一眼レフをもらったり、オリンパスの「ミューU(ツウ)」を買ったり、最終的には、GR1とコンタックスRX(with50ミリ&85ミリ)の2台に落ち着いた、

b.GR1っていうと今でもリコーを代表するような広角カメラの代名詞ですけど、

a.これもIXY(イクシ)と同じくフィルムカメラ末期に登場して、最初から写りの良さで評判のカメラだった、

GR!.jpg
GR1'.jpg

b.GR1は当時いくらで、

a.6万越えてた、フリーターには高すぎるハードルなんで、ひたすらカタログを隅から隅までながめ、ボール紙で実寸の模型を作り、しこしこお金を貯めてようやく、

b.買った時どうでした、

a.うれしかったなあ、今まで買ったカメラでイチバン愛着あるかなあ、使わなくなった今もたまに取り出して握ってみる、手が喜ぶというか、高いだけあって質感もすばらしいし、

b.コンタックスは?

contax rx.jpg

a.もちろん愛着はあるけど、こっちはボディーもレンズも中古だったから、新品のGR1にはやはり一歩及ばず、

b.しかし、フィルムカメラとデジタルカメラという両方を体験して感じたことは何かありますか、

a.デジタルになって家電のような扱いになったような気がする、フィルムカメラの時代はもっと高級感があって、京都のカメラ専門店なんか行こうもんなら、上の階は庶民が手を出せないような貴金属クラスのカメラが鍵付きのガラスケースに並んでて、素人や貧乏人は出てけみたいな空気がみなぎってた、そこでしこしこカタログ集めるのが楽しみだったなあ、

b.ああ、そういえば京都でいちばんにぎやかだった河原町には中古カメラだけで商売してる店もありましたね、

a.ああ、名前忘れたけどそこは庶民的で、カメラ店ぽくない小さな店やったけど、選び抜かれた中古品が良心的価格で並んでたから、前を通ると必ずチェックしてたし、あまり出回ってない昔のカメラもあったりして楽しかった、

b.今はどうなってるんかなあ、

a.ずいぶん前に京都でいちばん大きなカメラ店が倒産したし、どこも苦しい状況やろなあ、

b.しかし、せっかく買った高価なフィルムカメラがデジタルになって使えないのはつらい、

a.一眼レフのレンズは何とか使えるから、それだけでもありがたいと思わねば、

b.そういえば、フィルムカメラと同じサイズのセンサーも年々安くなってくるはず、

a.実現するか分からないけど、フィルム型のセンサーが開発されて、フィルムカメラにフィルムを入れる要領で、かつてのカメラがそのままデジタル化されたらホンマありがたいなあ、

「そのまんま アナログカメラ デジタルへ」、

posted by なおいのおじさん at 13:01| カメラ

2015年06月26日

ああ何も知らんかった、カメラ業界激動の10年(1)

b.今年の梅雨は平年よりたくさん降ってるそうです、全国的に、

a.とりわけ、九州地方は集中的に降られて気の毒や、こうなると大事なカメラは濡らしたくないから、使い古したオリンパスの防水カメラの出番やけど、とうとう充電地が寿命をむかえてもうた、専用充電池はもう売ってないし、いちばん安いの買っとこうかなあ、

b.濡れても平気な雨用カメラっていうと、旧モデルなら3万円しないのもあるけど、

a.「取りあえずオリンパスの防水カメラでも」、何気なくあれこれウェブを流し見しはじめたら、図らずも昨今のカメラ業界の激変を知ることとなり、すっかりはまってもうて、ブログの更新もほったらかしたまま、ここ10年に業界をおそったデジタル化の大波を浦島太郎のように復習していたしだい、

b.じゃあ今回予定してた「12年前の祇園祭(2)」は、

a.次回にまわして、今回は緊急企画「久々にカメラ業界へ首突っ込んだらえらいことになってた」、まず驚いたんは上位クラスの低価格が急激に進んでること、

b.自転車移動しながらのカメラ撮りなら、手の平に収まるコンパクトデジタルカメラ(略してコンデジ)が最適、これは値段的にもイチバン買いやすい、そのぶん画質もそれなりですけど、

a.ところがその価格帯に上位クラスのカメラがどんどん割り込んできてる、で、逆にコンデジの方は高級化が進んでいて、下克上の激戦区の様相を呈しておる、

b.オマケにスマホのカメラも性能上がってますしね、今や防滴も当たり前やし、

a.ああそうやったなあ、日本百名山一筆書き踏破の田中陽希君も基本スマホカメラやったし、スマホはウェブに直結できるし、

b.そうなるとデジカメユーザーがスマホへ流れて、カメラ市場もさらにきびしいパイの奪い合い、生き残りを賭けた激戦が今なお続いてるわけか、

a.そんな一例として、老舗カメラメーカーのペンタックスがリコーに吸収合併されてたんやなあ、それすら知らんかった、

b.2011年7月1日、もう4年も前なんすね、

a.キヤノンやニコンといった二大勢力は食いっぱぐれないけど、それ以外の勢力は日々生存をかけてしのぎをけずってるんか、

b.ところで、デジイチ(デジタル一眼レフ)の高画質とコンデジの携帯性をバランスよく融合させたオリンパスのカメラ、「オリンパスペン」がアマゾンでどえりゃあ安うなってた、

a.3万円台でボディーとレンズがそろうという完全なる価格破壊、これでココロがグラっときた、なんせコンデジの高級機種よりも安いという逆転現象・・・

b.商品売れなくて、在庫だぶついてるんかなあ、次の機種も出てるし、

a.そんでさらに調べると、少々の雨やほこりも平気な防滴防塵の一眼レフや専用レンズも驚くほど安くなってる、これはフィルムカメラの時代、最高級クラスにしか無かった仕様や、

b.ああそういえば、むかし防塵防水って言えば工事カメラでしたね、庶民が買えるのは、

a.フィルムカメラで雨に強いといえばオリンパスミューかコニカ現場監督やった、ところで、そう言えばコニカって聞かないけど、どこ行ったんや、

b.ミノルタと合併後、デジタルカメラで生き残りを賭けるも失速、コニカもミノルタもソニーへバトン(資産)を譲り渡してカメラ事業から完全撤退、2006年の大事件やったそうです、

a.なるほど、個性的なふたつのカメラメーカーがいっぺんに消えてもうたんか、ホンマきつい時代やなあ、それにしても我ながら物事知らな過ぎや、

b.知らないって言えば、ニコンもフィルムカメラから完全撤退してるんすね、もう10年以上も前に、

a.それも初耳や、「完全に 浦島太郎 状態や」、友蔵、世の中知らな過ぎの俳句・・・後半へ続く、

posted by なおいのおじさん at 23:07| カメラ

2015年06月16日

12年前の祇園祭(1)

b.12年前の祇園祭? なんで今ごろまた、

a.前回のブログで12年前の輪行を紹介した時、京都駅改札に祇園祭の提灯が飾ってあった、思えば今まで一度も祇園祭を紹介してない、

b.しかし、人混みの撮影は苦手中の苦手、

a.それでも、京都に住んでた証として何らかの写真を発表しておきたい、

b.そんじゃ20枚の写真を都合2度に分けてやりますか、12年前のデジカメっていう非常に不利な条件ですが、

a.今ごろになってデジカメ最初期の画像を振り返るのもちょっと興味深い、

b.そんじゃおもむろに始めましょう、撮影日時は2003年7月16日の午後4時からの小一時間、

a.これに明かりがともればさぞ美しかったであろう提灯のつらなり、
P7160014.JPG

b.夜の祇園祭は一枚も無いんすか、

a.うむ、恥ずかしながら30年も暮らしながら一枚も撮っておらん、カメラマン失格や、

P7160015.JPG
b.でもなかなかきれいに撮れてますね、12年前にしては、

a.320万画素のオリンパス「ミューデジタル」、当時3万円台、初めて買ったデジタルカメラや、自転車乗りにはスイッチを兼ねた大型レンズバリアと生活防水がありがたかった、

P7160018.JPG
b.カメラもそうですけど、編集でずいぶんよく出来ますよね、

a.iMacのiPhotoを使ってるけど、色んな効果を簡単に後付けできるから、救済されたカットが何枚もあって、それで二回にわけて紹介する気になった、

b.特にありがたい編集効果は?

a.明るすぎる部分だけ暗くしたり、暗すぎる部分だけ明るくしたり、これはホント助かる、

P7160019.JPG
b.でもやはり発色が単純というか深みが無いというか、

a.派手な色ほどベタッと平板な発色になる、

P7160021.JPG
b.こちらの提灯は残念ながらラップで巻かれてちょっと興ざめ、

a.梅雨明け前の7月16日、いきなり激しく降り出す事もあるから、早めの予防策や、

b.ところで祇園祭って個人的にはどんな印象でした?

a.蒸し暑い京都でもいちばん蒸し暑い時期にいちばん人があつまる都会のど真ん中に、さらに輪をかけて全国から人々が殺到する、という普通じゃない雰囲気、もちろん自転車なんて乗れっこないし、出来ればそっと離れたところから見ていたいというか、

b.ウキウキ感とか無かったんすか、

a.そうやなあ、気分だけはこれで夏休みが始まるって合図になったかなあ・・・7月15〜16日あたりはいちばん夜の人出も多くて、会社帰りでもそこら中の街角に浴衣姿の若い娘さんを見かけるんで、ああそうか祇園祭やって気づく、そして体は働きながら気持ちだけちょっと夏休みモードに入る、そんな感じかなあ、

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b.奈良漬け屋さんかあ、渋い提灯すね、

a.奈良漬けだけで商いになるんやからスゴイなあ京都は、やっぱり、

b.中で何やってるんすか、

a.表に出せないような貴重なお宝を特別公開してるんちゃうかなあ、なにせ空襲にあってないし、どの店もハンパない歴史を刻んでるから、ハンパないお宝が眠っていても当然、

P7160023.JPG
b.こりゃまた思いっきりニギニギしい、

a.それもそのはず、四条烏丸っていう大通りの交差点に位置する長刀鉾(ナギナタボコ)、すべての山や鉾(ホコ)の
リーダー的存在や、

b.裏パチすべての王、頂点みたいなもんすか、

a.ぜんぜん違(チャウ)うけど、まあそんなもんや、

P7160027.JPG
b.なるほどこのアングルやと、いかに大都会か分かりますねえ、

a.銀行、証券会社、保険会社、老舗デパート・・・長刀鉾の目の前には十字屋ってCDショップがあって、この時期は人混みで入店すら困難を極める、思い出すなあ、

P7160028.JPG
b.長刀鉾の中にも入れるんすか、

a.たしか、ちまき買ったら入れたんちゃうかなあ、

b.ちまきってなんすか、

a.わらを束ねたような細長いお守り、これを売って祭りの経費にあてるんや、

P7160029.JPG
b.なぎなたがてっぺんに見えますね、

a.カミナリが落ちそうで怖いけど、きっと避雷針を仕込んでるんやろな、

b.それでは最後に祇園祭で一句おねげえしますだ、

a.「12年 昔も同じ 祭かな」、

b.もう一句、

a.「梅雨も末(スエ) 祇園祭の 大都会」、

posted by なおいのおじさん at 04:12| 京都

2015年06月11日

12年前の近江梅雨輪行(4)「竜王町の田園」

a.それじゃ、そろそろ希望ヶ丘をあとにしようか、

b.ここからは高低差70mほどの下り坂を一気に、公園を出ると名神高速にそって味気ない道がつづく、

a.ふと気づいたけど、今まで見たことないほどピカピカや、タイヤとかホイールとか、

b.アスファルトの路面だったから、雨が洗車したみたいになってる、

a.坂を下り終えて、当時まだ何も無かった三井アウトレットパークあたりを右折、松が丘ニュータウンを右に見ながら祖父川にかかる橋へさしかかる、

DSC01300.JPG

b.青田のなかの一本道、きれいっすね、シラサギが数羽、田んぼのカエルやザリガニを食べてるのか、

DSC01303.JPG

a.シラサギは良いなあ、レインウエア着ないで良いから、

b.そうすね、我々人間は蒸れると分かっても、これ着ないと体温うばわれてしまう、夏でも、

a.でもきれいやなあ、ひたすら、雨の竜王町、カラダはべちゃついて気持ち悪いけど、

DSC01305.JPG

b.向こうの山すそに向かって行くんすか、

a.うむ、あの山並みにそって左へ進めば、いずれ新幹線の高架が見えて来て、それをくぐるとじきにJR近江八幡駅、

b.どっかの家で昼ごはん食べたい気分、出来ればそうめんとか、

a.腹へると人恋しいなあ、ところで何時や今、

b.午後2時6分、

a.「コンビニの コの字も無いな このあたり」、

b.川がむこうの山へ向かって曲がり始めた、地味だけど、なんとなく優美なあの山並み、

DSC01307.JPG

a.雪野山っていう300mほどの小山、山頂の古墳が平成元年に未盗掘のままで発見され話題になったらしい、このへんはむかし蒲生野(ガモウノ)と呼ばれた万葉集ゆかりの土地、どおりで雰囲気ええはずや、

b.では蒲生野で一句、

「蒲生野(ガモウノ)か それより早う 帰りたい」

b.もっとまじめにお願いします、

「蒲生野に 群れるシラサギ 青田雨」、

a.ふりかえると、雪野山にそってまっすぐ伸びる赤い自転車道、ここも好きでよう走ったなあ、

DSC01310.JPG

b.日野川を渡って一路、近江八幡市街へ、

DSC01311.JPG

「降りしきる 日野川ごしに 雪野山」、

a.しかし、こっからがけっこう長い、ていうのもこんな土手道を迂回してるからや、

DSC01313.JPG

b.そりゃまたどうして?

a.12年前は今以上にクルマとかぶらない道を真剣に探してたんや、

「良いながめ クルマ走らぬ 細道に」、

b.さ、ようやく雪野山を振り返るとこまで来ました、あともうすこし、

DSC01315.JPG

a.こっから見るとなおさら姿が良いな、雪野山・・・あの右手にさっきその土手を走った日野川が細長い森のように見える、雨で不快やったけど、もう終わりが近いと、なぜか名残惜しい、

b.近江八幡の歴史的集落へ入ってきました、神社の境内に何かお祭りの準備でしょうか、せっかく作ったのにずぶ濡れ、

DSC01316.JPG

a.雨で気の毒や、ていうか、さらにきっつう降ってきた、最初から最後まで俺らがいちばん気の毒や、

b.この雨にこりて、もう雨輪行はやらなくなったとか、

a.それはある、だから余計にこの日のことが今でも鮮明によみがえる、

b.そして、JR近江八幡駅より電車にゆられて小一時間、最後の一枚はJR京都駅の改札、時刻は午後4時前、祇園祭のちょうちんがステキですね、

DSC01317.JPG

a.この圧倒的なにぎわい、いつもの生活圏やのに、ほかの星からワープしたようなちぐはぐな感じ、ココロは今しばらく異星人のままや、

b.そういえば、今日はずっと雨に打たれながら、植物ばかり相手にしてましたから・・・


2015年06月09日

12年前の近江梅雨輪行(3)「雨の希望ヶ丘」

b.希望ヶ丘はとにかく芝生がスゴいなあ、

a.特にこの公園は滋賀県を代表するだけあってフカフカや、競技会とか無くてもこのながめだけで楽しめる、

P7130040.JPG

b.ここはサッカーでもやんのかなあ、しかし雨の日はなおさらミドリが深いなあ、

「雨ふって なおさら深き ミドリかな」

DSC01285.JPG

a.この雨んなか屋外テニス場で試合か、ご苦労さまです、

DSC01287.JPG

b.このあたりからスポーツ関連施設が姿を消して道もうねうねして山のなかにいるような感じになる、

a.こっからは見えないけど、谷の反対側にキャンプ場もたくさんあるらしい、

DSC01291.JPG

b.銀輪の橋、「銀輪」って、

a.チャリンコのこと、公園内の小さい谷間をチャリンコで渡るためだけに架けられたぜいたくなアーチ橋、バブルやなあ、

b.そういえば公園内にレンタサイクルもあったような、しかし、人っ子ひとり居てないなあ、

a.自転車よりウォーキングで使われることが多いこの道、自転車ブームって言うけど、ほとんど走ってるのを見たことない、こんなに走りやすいのにもったいない、

b.ところで、12年前に初めて走って以来すっかりお気に入りのこの公園ですけど、京都在住のころはどんな風に使ってたんすか、

a.いちばん多いのは、クルマとかぶらない極上の近道として、

b.たとえば、

a.竜王町の方からJR野洲駅へ向かうとき、

b.しかしけっこうな上り坂では、

a.ただ登りは入り口までで、公園に入るとひたすらゆるゆるで下ってるし、園内は静かで広くて落ち着くから、野洲駅へ向かう前にベンチでゆっくりぼんやりすることも多かったなあ、公園出てからも下り坂が基本で、銅鐸博物館から左の細道に入れば野洲駅はすぐそこ、ああこんなん書いてたら、リアルに走りたくなってきた、

b.しかし、竜王町ならもっと近くの駅もあるんじゃ、

a.野洲駅は京都行きの始発が出てるから、それ目当てにわざわざここまで漕ぐことが多かった、誰も乗ってない電車がするするホームに滑り込むんはいつ見てもええもんや、

「ヘロヘロの カラダあずける 始発かな」、

DSC01288.JPG

b.キノコみたいな四阿(アズマヤ)が、

a.ここで休憩しよう、

b.さっそく根もと付近がひび割れてちょっと怖いっすね、突風で倒れないか、

a.修理するにも撤去するにも費用がかかりそうや、今あらためてながめるとやはりバブルやなあ、

b.そう言えば、最近の公園は防災をかねてて、ベンチも炊き出し用のかまどに変身するとか、

a.でも当時はただ雨がしのげるというだけで、ひたすらありがたかった、

DSC01293.JPG

b.ところで、淋しくないんすか、文字どおり雨に濡れた林の中に一人きり、

a.初めての場所なんで、淋しさよりワクワク感が強かった、

DSC01295.JPG

b.でもここホンマええとこですね、

a.自然の地形を生かして作られてるから、山や森の雰囲気もたっぷり残ってるし、ただ単純に広い芝生というだけでもありがたい、天気さえ良ければ色んな人たちがおおぜい集まって歓声が響いてたなあ、

「晴天と 芝生(シバフ)があれば 笑い声」、

DSC01297.JPG

b.そして、これは今は無きバブルなる「青年の塔」、

a.公園の端っこに建つ宿泊施設、

b.バベルの塔?

a.バブルの塔、

b.あのトウモロコシの粒々みたいなの、カプセルホテルかなあ、

a.そうらしい、莫大な改修費用がまかなえず、カプセル部分が取り壊され、現在は中心のコンクリート部分だけとか、

DSC01299.JPG

P7130041.JPG

b.さて、これで希望ヶ丘文化公園ともお別れですが、どこ行くんすか、こっから、

a.全身びっしょり濡れ、一刻も早く家に帰って熱いシャワー浴びて、つまんないテレビぼんやり見ながらゆっくりコーヒー飲みてえ・・・しかし、今来た道を引き返してもつまらんし、雨んなか近江八幡駅までがんばって走ろうか、

2015年06月05日

12年前の近江梅雨輪行(2)「近江富士花緑公園から希望ヶ丘文化公園へ」

b.ところで12年前といえば、デジタルカメラの出始めたころ、フィルムカメラと比べてどうでした?

a.当時はオモチャみたいな変てこなデザインが多かったし、画質はフィルムカメラに遠く及ばなかったし、乗り換えるには相当な思い切りが必要だった、

b.それでもデジカメに乗り換えたのは、

a.パソコンの画面で楽しむていどなら十分だったし、何より現像やプリントの費用や手間が省けてすごく楽になった、フィルム代もかからないから、好きなだけ撮れるようになって、デジカメのマイナスが完全に帳消しされておつりが出た、

b.費用といえば、JRが輪行料金を取らなくなったのもちょうどこの時期、

a.それまでは手荷物料金といって別料金で荷札を買って付けなきゃならなかった、それが廃止になったのもこの時期なんで、よけい輪行に拍車がかかった、

b.それじゃそろそろ前回の続き、近江富士花緑公園内から始めましょう、ここは道路を挟んでかなり広い敷地に広がってるんすね、

a.このヨーロッパ風の少し安っぽい噴水広場もそうやけど、全体にバブル経済のころの浮かれた雰囲気が漂ってる、のちのち自治体におおいかぶさる維持管理費なんてこれっぽっちも念頭にないようなお祭りムード、

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P7130018.JPG

b.でも取りあえず作っといて良かったんじゃないすか、浮かれなきゃ、これほどの公園は作れなかったろうし、

a.そうかもしれない、お金がある内に形に残しておいて正解だった、

b.花壇の周囲にはさまざまな樹木も名札付きで並んでいて、そこを散歩してるとけっこうな時間になります、

P7130027.JPG

P7130025.JPG

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a.陸橋で道路の向こう側も歩けるし、そのまま近江富士つまり三上山(ミカミヤマ)へ登ることもできるし、途中の高台の四阿(アズマヤ)もたいそう見晴らしがいい、

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b.この「うつくし松」が園内でいちばん珍しい品種か、

P7130015.JPG

a.根本から枝分かれするユニークな松で滋賀県でもこのエリアだけの名物らしい、

b.広重(ヒロシゲ)の東海道53次にも描かれてるのか、知らんかった、

a.さあみっちり園内を散策したし、また自転車で先へ進もう、

b.これが希望ヶ丘文化公園かあ、入り口からして京都市じゃあり得ないような広い空間、バブル経済に浮かれて作ったようなスケール感、

a.この日は初のことで、正面から入ったけど、自転車なら途中のかやぶき屋根を合図に細道に入ってショートカットもできる(地図参照)、この細道なら四季の花々も楽しめるし、とくに梅林がすばらしい、

b.ロックコンサートでもあるのか、巨大な野外ステージを組んでる、降りしきる雨んなかご苦労さんです、

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a.こっちでは野球の試合も、

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b.しっかり雨やのに、けっこうみんな外で動いてるんやなあ、


2015年06月03日

12年前の近江梅雨輪行(1)「JR野洲駅から近江富士花緑公園へ」

b.もう梅雨入りかあ、

a.それらしい湿気を感じながら走る日が増えてきたと思えば、岡山県もきょうから梅雨入り、

b.梅雨入りすると自転車つまんないなあ、

a.今でも梅雨入りすると思い出す印象的な輪行があって、もう12年も前になるけど、京都に住んでたころ、梅雨も終わりに近い7月13日、降りしきる雨の中、滋賀県の希望ヶ丘という県立公園に初めて行ってみた、

b.なんでわざわざそんな雨の日に、

a.そのころちょうど、輪行の面白さと滋賀県の素晴らしさにダブルではまってたから、休みになれば天気なんか気にしないでどんどん出かけてたんや、

b.じゃあ今回は、12年前の輪行ということで雨の近江を、ちなみにカメラはデジタルですか、

a.320万画素のミューと200万画素のサイバーショットUの2台持ち、改めて見直すとかなり画質しょぼいけど、これだけはしゃあない(=仕方が無い)、

b.じゃあさっそく雨の近江へ参りやしょう、

a.2003年7月13日、京都駅の西隣、地元住民御用達のJR西大路駅から自転車を担いで野洲(ヤス)駅まで輪行、もうこの時点でしっかりと雨降ってるのことあるよ、

b.JR野洲駅からは、びわ湖と逆方向、近江富士に向かって走り始めてますが、ルートとか覚えてますか、

a.駅前の細かいルートはまったく覚えてないから、その辺はいちばん心地よく走れるコースを代わりに描いておこう、

b.ところで、目的地の希望ヶ丘は近江富士のちょうど反対側、

a.立葵(タチアオイ)の向こうに見え隠れしてるあの山が近江富士、あの右側へ回りんで行こう、

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b.そういえば京都・滋賀の夏といえばヒマワリよりもこのタチアオイ、

a.ハッキリした原色系がメインで、次から次へとつぼみが開花して、ひと夏しっかり楽しめる花、

b.しかし、雨降ってると自転車しんどいなあ、路面はびっしょり、雨足はしっかり、雨具の中はムレムレ、

a.「ああ、引き返すんなら今の内やなあ」と思いながら惰性で前進中、時刻は10時44分、

b.いきなりパチンコ店が、これなんすか、

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a.よう分からん、このころは打ってなかったし、なんで撮ったんか、たまにトイレを借りることはあったけど、この日はちがったし、

b.雨なのにわざわざ土の道かあ、

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a.濡れた路面でクルマのタイヤノイズがうるさいから、こんな細道が静かでええんや、

b.田植えした苗(ナエ)がさっそく育ちはじめて田んぼを青く染め上げておりやす、

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b.これが駅の反対側から見る近江富士、写し方のせいか、高さが感じられない、

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a.希望ヶ丘公園手前の植物園、近江富士花緑(カリョク)公園、満開のカラフルな花々にひかれて雨にもかかわらず園内を散策することに、雨のなか自転車こいでもあまり楽しくないし、

b.まじめにちゃんと写してますね、しっかり近寄ってセオリーどおり、

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a.今じゃ考えられんな、この生真面目な感じ、写真学校入りたての生徒さんみたいや、

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b.雨のしずくが美しいっす、

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a.雨で誰もいないし、自分ちの庭みたいや、

b.こんなに広いんすか、

a.だったら一般公開するけどなあ、

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b.400mにも届かない近江富士の低い頂(イタダキ)まで雲が垂れ込めてる、

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a.ここまで来ると、腹もすわって雨も楽しいというか、わりと平気に、

b.雨でないと写せない景色ってありますもんね、写しがいはあるよなあ、

a.ひたむきな12年前のオレに少し感動してる、今の自分よ、この初々しさを今一度肝に銘じてくれ、

b.ところで、近江富士それ自体は登ってないんすか、

a.いや一回だけ、この1〜2年前、まだフィルムカメラのころやった、

b.そのころフィルムで残した記録もかなりありますね、

a.これらも時間かけてゆっくり整理したいなあ、フィルムスキャナーも安くて高性能になってるし、

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