2015年10月21日
日生(ひなせ)の島をむすぶ橋(7)「たぬき山展望台」
a.左の丘の上に小学校の校舎が見え隠れしてる、
b.この一角にぎゅっと集中してますね、いろんな要素が、
a.あんな展望台みたいな校舎で勉強したいなあ、50もなかば過ぎたけど・・・
b.自習の時間は落書きしながら海をながめてウトウトしたり、
a.ここから丘を登る細くてきつい坂、
b.民家や民宿が傾斜地に建て込んでる、
a.ところで、ここのネコちゃん、なんか違うなあ、ふだん見てるんと、
b.なんか怯(オビ)えてませんね、堂々としてるっていうか、島のヒトから大事にされてるんやな、
a.自分たちのペースでのびのび暮らしてるようすがとっても良い、
b.我々も見習いたいもんです、
「オレたちも 見習いたいな 島のネコ」
a.ああこれか、今やっと気づいた、
b.なんすか、
a.さっきの壁に描かれた小学生の絵、あの灯籠(トウロウ)のようなの、これやったんや、
b.たぬき山展望台、なるほどそう言われれば、
a.灯台のようにも見える、
b.さっそくのぼってみましょう、
a.真下はこわくて見られないけど、こりゃ気持ちいい、完全に360度パノラマ、
b.手前の小島には港が、あそこも人が住んでるんか、
a.日生(ヒナセ)諸島でいちばん沖合に位置する大多府島(オオタブジマ)、ここと同様、江戸時代からヒトが移り住んでるとか、
b.東には家島諸島、その手前に見える島は、
a.鶴島(ツルシマ)って言うそうやけど、ホンマにツルは居てんのかなあ、
b.さあ、でもさっき通った鹿久居島(カクイジマ)も左奥に見えるし、鹿とか鶴とか花札みたいや、
a.そういえば、小学生の絵にはサクラや蝶(チョウ)もあったな、
b.あとはイノシシや、満月でもそろえば一役・二役(ヒトヤク・フタヤク)・・・
a.このながめ、古代と一緒か、
b.いや現在の家島は採石場があるから山肌もあらわ、
a.そうか、古代の家島はもっとミドリか、
b.展望台の下は海を見晴らす絶景の墓地、
a.ここに埋まりてえ、
b.しかし、埋まったら海は見えませんよ、
a.それもそうや、
a.モノクロで写す郵便局、いつもの赤が消えてなんか新鮮、
b.できたばかりで清潔感あふれてますね、橋の開通とセットかな、
a.ここから葉書を出したい、筆ペンで、
b.だれに?
a.だれってこともないけど・・・
「たより出す 頭島(カシラジマ)から 筆ペンで」