2013年05月30日
飛鳥(あすか)川つたいのぼれば栢森(かやのもり)
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b.明日香村も自転車なら、あっという間に端から端まで来ちゃいますね、
a.寺院や遺跡をじっくり見てまわると、一日がかりになるけれど、
b.ここからどうするんすか、
a.小さい峠だけど、朝風峠へ向かう、
b.カッコいい名前っすね、朝風か、
a.ここから眺める棚田の景色は高松塚古墳や石舞台より良いかも、例によって外(ハズ)れだからヒトも少ないし、
b.高台のこれらは、みかん畑か、
a.秋になると、百円玉入れて何個だったか、無人販売所のミカン、
b.そんなミカン畑をぬって、けっこうなのぼり坂を進めば、見晴らしも良くなってきた、
a.この朝風峠、何メートルあるんやろ、
b.海抜200m弱、こっちからは70mほど登ります、反対側からは30mぐらいやけど、
a.向こう側は山んなか入りかけてるしなあ、
b.もしや、その山んなかへ行く気では、
a.それしかないやろ、また石舞台へもどって明日香村まわっても、ありふれてるし、
b.まあそれはそうすけど、
a.それよりこの棚田の見晴らしはどうだろう、
b.日本人のココロの風景っすね、
a.そればっかりやな、
b.自転車を押して誰か上がってきます、中年の御夫婦のような、
a.自転車のサドルがしっくりこないとのこと、こっちに工具の用意があって良かった、
b.我々もこれから先、山奥でパンクなんて無けりゃいいけど、
a.さて、どうなるかは行ってみてのお楽しみ、
b.なんだか森も深そうだし、気が乗らないよう、
a.だいじょうぶ、自転車に乗ってたら、気分も乗ってくる、
b.我々が今いるのは稲淵(イナブチ)という、飛鳥川上流の山里、
a.標高168mの稲淵から488mの芋ヶ峠まで、5キロ半で300m登ることになる、
b.わり算すると平均勾配は6%弱、まあ行けなくもない数字、
a.ただ疲れた後半になって、きつい坂になるから、この数字を当てにせず、坂の後半にチカラを貯めておこう、
b.では、やおら(=そろそろ)参りますか、
a.やおら参ろう、
b.と、いきなり行く手を阻(ハバ)む難読地名、
a.「栢森」と書いて「かやのもり」と読むのか、
b.「栢」ってなんすか、
a.茅葺(カヤブ)き屋根につかう「かや」って草とはまったく別物、ヒノキ科やカシワ科の樹木を呼ぶ名らしい、例によってやたら複雑なる母国語、
b.しめ縄のようなものが掛かってる、
a.道と川に邪悪なるモノが紛れ込まぬようまじないを掛けてるんだなあ、
b.アニメ「蟲師」のギンコさん居てもまったく違和感なき風景、
a.だなあ、さいわい自分には見えないけど、いろいろ居そうやなあ、動物でも植物でもなく、ときに厄介事を巻き起こす奇妙な隣人が、
b.そういう意味もあって掛けてるんすね、きっと、このしめ縄、
a.昔のヒトほどそういう見えない存在に敏感だって言うしなあ、
b.この栢森(カヤノモリ)には龍福寺という寺もある、さっきも同じ寺見たような気がしたけど、
a.そろそろタヌキに化かされるほど山奥になってきたか、
b.古道「小峠」か、時代劇そのものや、向こうから歩いて来ないかなあ、木枯し紋次郎(コガラシモンジロウ)、
a.なつかしいなあ、木枯し紋次郎、YOUTUBEにあるかなあ、
b.ちょっとだけですがあります、
a.じゃあ今回は木枯し紋次郎が出てきそうなここ栢森(カヤノモリ)でお開き(=おしまい)ということで、
YOUTUBEから木枯し紋次郎
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