b.オッサンよう、
a.なんだい、ヤスユキ君、
b.オレに第九、教えてくれよう、
a.第九って誰の?
b.第九ったらベートーベンじゃねえのかよう、
a.まあふつうそうだけど、他にもいろいろあるだろう、ブルックナーやシューベルトやマーラーや、
b.ワルター指揮コロンビア交響楽団の第九っていいのかよ、
a.そうだなあ、ベートーベンよりもブルックナーやマーラーのほうが素晴らしいと思うけど、
b.ありがとよ、さっそくアマゾンで注文するか、オッサン、クレジットカード貸してくれよ、
a.ダメだよ、自分の使いなさい、
b.オレ持ってねえんだよ、いいじゃねえか、親戚だし、オッサンよう、
a.こら止めなさい、ヒトのこと食べるんじゃないよ、コラッ・・・弱えーなあー、ヤスユキ・・・
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b.というわけで、細野春臣氏も大ファンの「さまぁ〜ず×さまぁ〜ず」、特典満載のDVDも好評発売中!
a.で、何やってんだ、俺たち?
b.ワルターの第九ですが、以前ブルックナーの第九もワルター=コロンビアがイチ押しでしたが、
a.マーラーの第九もワルター指揮コロンビア交響楽団がイチ押しディスク、
b.アマゾンの売れ筋は、バーンスタイン、カラヤン、アバドなんかですが、
a.これもきのうのミュンヒンガーじゃないけど、たまたまオヤジが買ってて、聞き出す内にすっかりその魅力にハマり、これ以外は受け入れ不可能なカラダに、
b.またそれかあ、クレンペラーもムリなんすか、
a.第2・第4楽章は悪くないけど、ワルター盤から入ると、他の演奏がすべて悪い意味で重く硬く聞こえて来るんだ、
b.ワルター盤は良い意味で響きが軽いってことすか、
a.小さめのオーケストラの長所である響きの透明感やフレージングの切れの良さっていうのもあるけど、ワルター盤はそれ以上にヒトの声や叫びが聞こえるような、
b.ムンクの叫びか、
a.いやそういう叫びか分からないけど、たとえば、第一楽章のジャスト3分からの90秒間聴いてみても、歌うクレッシェンド、良い意味で演歌やろ、こぶし効いてるやろ、他はもうちょっと機械的なんだ、自動製麺機みたいに、
b.製麺機も最近性能上がってるんすよ、職人の技術をインプットして、まあいいけど、それにそもそも臨時編成のコロンビア交響楽団は、アンサンブルに難ありとか言われてるじゃないすか、わざわざカネ出して聴く価値あるんすか、
a.高齢なワルターの健康を気づかって、録音は1日2時間まで、だから何やら雰囲気が良いんだ、どれ聴いても、音楽をゆったり楽しんでる空気感っていうか、
b.今じゃありえない採算度外視のゆっくりペース、でも、オーケストラの乱れが気になるヒトはどうすれば良いんすか、
a.それはクレンペラーが指揮したPO(フィルハーモニア管弦楽団)・NPO(ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)でも同様じゃ、それでもお気に入りの最上位ということは、その録音が曲の本質を突いておるからに他ならない、オーケストラの乱れっていうけど、そもそも数十人が一回もミスしない方がどうかしてるぜ、
b.じゃあ、そんなアンサンブルの乱れを超越して訴えかけて来るモノがあると、
a.アタボーよ(Of course it is!! )、そうじゃなきゃ聴き続けてる訳ねえだろう、こちとら技術を聴いてるんじゃねえ、魂に耳かたむけてんだ、べらぼうめ、
b.なるほどねえ、で、何でしたっけ、
a.これだよ、
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クレンペラー同様、ワルターのステレオ録音も後期高齢期であるためか、すべてが素晴らしいとは言いがたい。ただし、そんな中でもこのマーラーの第九やブルックナーの第九、モーツァルトのプラハなど、これ一枚で一生たのしめるような決定的録音を残しているのも事実。重くいかつい響きが苦手な人向きです。
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