2014年07月25日
梅雨ただ中の奈良盆地(5)「左旋回で明日香村へ」
b.ここもそうやけど、農村も高齢化して、竹林の手入れまで手が回んないんすね、
a.どういうこと?
b.竹は成長が早いから、いつも手入れしないと、伸びすぎて、かえって有害になるとか、テレビでやってました、
a.そういえば、お化けの居てそうな暗い竹林がほとんどやなあ、じゃあ日の差し込むスカスカの明るい竹林のほうがええわけか、
b.らしいっす、
「スカスカの 明るい竹の 生える村」、
a.なんか心に残るええ木やなあ、
b.ときどき畑のわきに見かけますね、ぽつんと一本だけ味のある木が生えてる風景、農家のヒトは作業の合間にあの木陰で休憩するんかなあ、
a.遠くの山なみまでスッキリ見渡せる思たら、なんやかんやで標高300m近い高台に居てるんか、
b.虫も多そうやけど、ちょっとテント張りたいような、あの木のそばに、
a.農家の人に怒られそうやけど、事情を説明したら感じよく場所を貸してくれそうな気もする、一晩借りるか、
b.まさか、テントもないし、今日中に近鉄特急で京都までトノサマガエルが良いっす、gerogeーro、
a.じゃあ、このまま進もう、
b.しかし、山深いエリアですね、奥行きがハンパないっす、
「紀伊山地 高さはないが 奥深い」、
a.山波ってコトバどおり、奥からどんどん押し寄せてくるような、
b.ここからさらに正面、南方向へ進むと、左から流れてくる吉野川と出会うんか、
a.そこが五條市、川ぞいに下流へ進めば、つぎの橋本市はもう和歌山県でござる、
b.もうそんな遠くへ来てるんか、なんか急に心細いなあ、
a.われわれの南下もここまで、切りがいいから一休みしようか、
b.まだ2時過ぎか、もっと経ってるような気がしてたけど、
a.言うても相当な田舎やなあ、
b.幹線道路はクルマ多いけど、ちょっとはずれると静かで良い感じ、明日香村にはどうやって行くんすか、
a.最寄りの国道24号線とは点で交わって、そのままクルマも来ない小峠をひとつ越えたら、JR和歌山線と近鉄吉野線が並んで走る、ひなびた谷あいの道に出る、あとは近鉄にそって道なりや、
b.休憩を終えて20分ほど走ってきました、小峠を越えて、歴史の深みを感じる細い道を進んできましたが、今どのあたりですか、
a.近鉄とJRが仲良く停まる吉野口駅の駅前、
b.このお屋敷は、このあたりで一番のお金持ちでせうか?
a.そうかもなあ、でも、 全体に黒々してて、ちょっと怖いような・・・住んでるヒトに怒られるわ、
b.それから10分後、トトロのような田園風景、
a.さっきまで、あの山すそを走ってたんやな、遠くに見える、
b.メイちゃんが迷子になったそうです、地元の消防団の人たちも捜索を始めたとか、我々も手伝いますか、
a.そうやなあ、でも夕暮れには時間もまだたっぷりあるし、いざとなれば、奈良交通さんが子供の安全にと購入した猫バスが、何とかしてくれるはずや、向こうに猫バス専用の鉄塔や電線もあるしな、
b.さらに10分走って、ここは以前来たような、
a.岡宮天皇陵からのながめ、ここまで来たら明日香村も高松塚古墳も目の前や、
b.まだ三時前やし、これならちょっとだけ明日香めぐりも出来ますね、
a.そうやな、せっかくここまで来て、明日香めぐりをはずすんはあまりにもったいない、めぐりながらそれとなく、京都行き特急の始発駅へ向かうことにしよう、