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2013年06月17日

波音を左に聴いて南下する

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b.ところで、この絶景の林道、名称は?

a.正式には「鵜川村井林道」って言うんだが、なんとも無愛想、新しい名前を考えよう、

b.それにこの立派な峠にも名前つけたい、

a.何峠にしようか、

b.峠の両側で棚田とびわ湖がつづけて見晴らせる峠、

a.そういう意味では、回り舞台のようにがらっと景色が一転する、

b.一転峠、これだと、チャリンコ転倒しそうやな、

a.もともと国道を避けて迂回(ウカイ)した道、ふもとの集落は鵜川(ウカワ)っていうから、響きも近いし、両者かけ合わせて「鵜回(ウカイ)峠」でどうだ、

b.じゃあ道も「鵜回林道」、とりあえずこれで行きましょう、

a.この鵜回林道、1990年代は土の道だったそうだ、

b.舗装しないと雨で道が掘れて使えなくなるのかなあ、

a.おかげでツルツルのスリックタイヤでも安全スムーズに走れる、

b.しかし、こないだ走った奈良県吉野あたりの山とまったく異なるふんいき、

a.びわ湖が見えるしなあ、

b.それもそうですが、それ以上に何ていうか、人の気配がしないっていうか、ヒトの歴史というフィルター無しで、いきなり自然に向き合うような、心細い感じ、

a.この林道も山をそうとう削りこんで道幅広げてるしな、昔あったかもしれない細道のイメージはぜんぜん無い、

b.吉野あたりだと、平安時代からすでに、ヒトと山が深くつき合ってたから、どこ走っても人の気配が漂ってるけど、それがない、

a.道にもそれぞれ個性があるんやなあ、

b.と、ようやくふもとの鵜川地区に降りてきました、



a.何かほっとする、久々に人の気配がして、「水田の足あと見つめ安堵(アンド)する」、



b.びわ湖の対岸、右手にうっすらこんもり見える丘、あれは6月10日のブログで話題になった岡山ですか、標高102m、かつて小島だったという、

a.そのようでござるな、ココからだと湖岸道路の混雑ぶりも嘘のようだ、

b.よく見ると、左手は島のようですね、

a.びわ湖に浮かぶ島々でいちばん大きな沖島(オキシマ)、小学校まであるんだぜい、湖に浮かぶ島に人々が住むのは、世界的にも珍しいそうだ、



b.「水田と湖水と青空あるばかり」、

a.まんなかの木の右下に釣り人が点のように、

b.手作り感のある石組みの用水路もいい、

a.このあたりは山が迫って土地が狭いけど、国道161号線とそのバイパスがあるおかげで、この水辺の細道は静けさを保ってる、

b.林道くだったあたりはまだクルマとすれすれの歩道だったけど、JR北小松駅の手前から道が分かれて静かになった、この先もこんな感じですか、

a.JR蓬莱(ホウライ)駅で国道を渡るけど、ちょっと工夫すると、また国道わたり返して、なんとか和邇川(ワニガワ)の先まで古き良き道をたどれる、今回はすんなり線路ぞいを進むけど、



b.「びわ湖レイクサイド自転車道」か、道幅たっぷりしてますね、案内板も充実してらあ、

a.びわ湖周辺を走るといつも思うけど、旅人にとても優しい、いつもどことなく歓迎されてる気分なんだ、きっとそういう土地柄(とちがら=その地域の持ち味)なんだろなあ、



b.さびれた仕出し屋さんの前に立派な石碑が、

a.かつてここにそびえていた榎木(エノキ)の記念碑らしい、よほど人々から愛されてたんだな、

b.ここから峠を越えて京都の大原三千院方面にも行けるから、昔から重要な分岐点だったのか、

a.「街道の分かれの榎木(エノキ)石となり」、

b.もしかして、ここから右折して大原三千院へ山越えっすか、

a.まさか、もう峠は足が満腹でござるよ、

b.ああ、ほっとした、


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