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2018年08月03日

ダシリリオンの育て方(種まき方法から鉢上げまでのまとめ)

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (1).jpg

1.はじめに
 育てている植物はリュウゼツラン科の植物が多く,アガベやユッカやドラセナ等を中心に,フルクラエアやドリアンテスなどにも手を出してきたのだが,なぜかダシリリオンは育てたことがなかった,今回初めてダシリリオンに挑戦してみたので,種まきから鉢上げまでの状況をまとめてみた


2.ダシリリオンの種の入手
 ダシリリオンの種の購入は,ヤフオクで以前からアガベの種を購入している信頼性の高い出品者から購入した,ちなみに最近私は種の購入はほとんどヤフオクである,ちゃんとした出品者なら,その辺のWEB通販ショップなどよりよほど信用できる,その辺の事情は別記事参照(詳細は→こちら)

 ダシリリオンの種は5粒で400円〜500円くらいの出品が多いのだが,今回私が購入したダシリリオン・ロンギシマム(Dasylirion longissimum)は,入手時期が比較的新しい種子が30粒で600円と低価格で出品されていたので,2セット60粒を購入した,ちなみに実際の種子は32粒入っていた

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (2).jpg

 ダシリリオンの種は上の写真のように縦が3mmくらい,横が2mmくらいのラグビーボール状の楕円形で色はうすい茶色である,一見するとなんかイネ科の雑穀のような雰囲気だが,食用には不向きのようである,ちなみに成長した株の上端は,アルコール飲料を作るために利用されているそうだ


3.ダシリリオンの種まき用の用土と容器
 種まき用土と容器に関しては,最近はほとんど下の写真の商品を利用してる,用土に関しては違う製品もイロイロ使ってみたが,2cmくらいの大きな土の塊が入っていたり,ヤシ殻の繊維と思うが,これが多くて水にうまくなじまずに扱いにくかったりと,で結局この製品一辺倒になってしまった

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (3).jpg

 また,種まき容器に関しては,以前は育苗箱にスジまきしたりしてたが,ダシリリオンに限らず,乾燥地帯の植物は,根を深く張ろうとする性質が強いので,育苗箱で育てた場合,苗を取り出すときに,根が切れて傷めてしまったりする危険性が高いので,最近はほとんどセルトレイを利用してる


4.ダシリリオンの種まきに挑戦(種まきの手順)
 今回は種が入手できたのが5月の10日だったので,種まきもその日に行った,種の吸水処理とか種まき前の処理は特に何もしなかった,実際の種まき方法について,その手順を写真で説明する

◆トレイに種まき用の用土を詰めてたっぷり水をかける

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (4).jpg

◆幅1cmくらい深さ5mmくらいの種を落とす穴を開ける

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (5).jpg

◆この穴に1個ずつ種を落としていく

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (6).jpg

◆種がつまみにくいようなら濡れた竹串等にくっつけて種まきしてもいい

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (7).jpg

◆全部の種まき穴に種を入れたら穴をふさいでいく

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (8).jpg

◆終わったらやさしく水かけしてラベルを立てて種まき作業終了

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (9).jpg


5.ダシリリオンの種まき後の管理
 特に難しい管理は無い,芽が出るまで光は関係ないので,管理しやすい場所で管理すればいい,ただし水切れには最大限の注意が必要である,ダシリリオンに限らず,乾燥地帯原産の植物は,水に対する反応がシビアで,乾燥状態を検知すると深い休眠状態に入ってしまうことがある


6.ダシリリオンの発芽後の生育状況
 下の写真のようにもっとも早いものは種まき後16日目(5月26日)に芽が見えてきた,その後もちらほら芽を吹いてきて,6月の中旬には出るべき芽は出尽くしたようで,その後も観察していたが,それ以降に発芽してきたものは無かった,その時点での発芽率は59%であった,

◆ダシリリオン種まき後16日目の状況(5月26日)

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (10).jpg

◆ダシリリオン種まき後24日目の状況(6月3日)

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (11).jpg

◆ダシリリオン種まき後37日目の状況(6月16日)

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (12).jpg

◆ダシリリオン種まき後61日目の状況(7月10日)

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (13).jpg


7.ダシリリオンの鉢上げ時の苗の状況
 種をまいてから76日目(7月25日)には下のような状況になった,まだ苗としては小さいしセルトレイの容積にも余裕があるし,この状態のままで追肥するか,それとも鉢上げするか迷ったのだが,これに追肥するより新しい用土に移した方が生育はいいだろうと判断して鉢上げすることにした

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (14).jpg


8.ダシリリオンの鉢上げ用土
 鉢上げ用の用土に関しては,育ててる植物が熱帯や乾燥地域の植物が多いので,保湿性や透水性を考慮して,通常は下の写真の観葉植物用の市販用土とサボテン・多肉用の市販用土を5:5に混ぜたものを使用してるのだが,ダシリリオンも似たような環境だろうから,同様の組成でいくことにする

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (15).jpg


9.ダシリリオンの苗の状態
 セルトレイから苗を出してみたのが下の写真である,どの苗も根は数本出ているのだが,そのうちの1本が,主根と言ったらいいのだろうか,約30cmくらいの長さがあって(黄色で示した部分),これがトレイの底にぐるぐる張り付いていて,切れないように取り出すのに苦労した

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (16).jpg

 これを9cmのポリポットに鉢上げしたのだが,前述した30cmくらいの長い根の扱いには四苦八苦した,たぶんなんらかの理由があって,この地上部に比べて異様な長さの根が有るわけだろうから,この根が乾燥して傷まないように,1鉢ごとに鉢上げしたら水かけして丁寧に鉢上げ作業を行った

ダシリリオンの育て方(種まき方法) (17).jpg


10.ダシリリオンの種まきや鉢上げの時期について
 種まきの時期は適切だったと思うが,鉢上げの時期はもっと早いほうがいいと感じた,セルの容積がそこそこ有るし,植物体はまだ小さいし,と油断していたが,先に書いたように長く伸びた根が切れないように注意が必要だったし,この根が切れるとその後の成長はかなり鈍化するのではと思われる

 種まき後37日(6月16日)以降は,新しく発芽するものもなかったわけで,この時点で鉢上げした方がよかったのではないかと思う,その程度の日数なら今回使用したセルトレイは大きすぎである,もっと小さなセルトレイに種まきして40日程度で鉢上げするのがベストな気がする


11.おわりに
 初めてのダシリリオン栽培であるが,現在ひょろひょろの細い葉が2〜3本立ってるような状況である,生育が遅いのは覚悟の上だが,そこそこ見れるような株になるのは10年後だろうか,20年後だろうか,クサントロエアは13年目には花が咲いたが,さてダシリリオンはどうなりますことやら 


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