2023年08月24日
ココスヤシの種まきしても発芽しない/発芽率が低い(追加情報)
1.はじめに
ちょっと前にココスヤシの種をまいても,発芽しなかったり,発芽しても発芽率が低いという内容の記事を書いた(詳細は→こちら),そのときは種自体に何らかの問題が有るようなことを紹介したのだが,その後また新しい展開があったので,追加の情報として記事にしておくことにした
2.芽が出ていることに気づく
以前の記事でそこそこ発芽が見られた種をまいていたプランターは,5月の記事で観察終了ということにして,芽が出ていた物は全て鉢上げした,プランター自体は軒下の廃土置き場に放置,軒下なので特に強い雨でも吹き込まないかぎり水気は無しの乾燥状態で,管理していない放置状態である
ほったらかし状態のプランターだったのだが,台風が近づいて来たときに,軒下なんかも風で飛びそうな物などがないかちょっと確認していたら,そのプランターに2〜3本芽が出ているのに気づいた,「あっ,まだ芽が出てくるんだ」と反省して,ちゃんと水かけして管理してあげることにした
3.水やりしたらさらに芽が出てきた
2〜3本出ているのに気づいたのが7月の下旬で,その後,他のプランターや鉢などと同様に水やりしてたらポツポツと芽が出てきて,8月の下旬には下の写真のような状況になった,なんとか確認できる小さい芽も含め40数本の芽が確認できた,右側のアップ部分の写真内には13本確認できる
プランターの用土表面を薄く削ってみたら,これから伸びてきそうな尖った白い芽がいくつか確認できたから,これからも芽が出てきそうである,あまりに早く見切りを付けてしまった私の判断ミスとも言えるが,このタイプの種なら時間をかければ,相応の発芽率を得られるということである
4.なぜダラダラと発芽するのか?
営利生産用の園芸植物等の種は,同時に大量の苗が生産できるように,ほとんどが一斉に発芽するように改良されている,これに対して野生植物,特に不良環境に生育しているような植物は,子孫を確実に残せるように,わざと時期をずらしてバラバラに発芽するシステムを持っているものが多い
一斉に発芽してしまうと,たとえばその後干ばつが続いたりすると絶滅しかねないし,また一斉に発芽した時期が移動性の草食動物の移動タイミングと合致すると食べ尽くされてしまい絶滅,というような危険性もある,野生植物にとっては一斉発芽というのはかなり危険なことなのである
5.種の休眠の差なのか?
つまり休眠(この場合は自発休眠だろう)の長さをコントロールする物質の量を,種ごとに変えて,発芽する時期をバラバラにしているということなのだが,ココスヤシがこの性質を持っているのかどうか,イロイロ検索してみたりしたが詳細は不明である,結果を見れば妥当な気もするが・・・
植物はこういう時間差発芽だけでなく,子孫を残すのにイロイロ工夫してるわけで,芽が出て幼植物のうちは有毒成分があったり,少々食べられようが無視できるくらいの大量の種をばらまいたり,成長してからもトゲや硬い表皮で身を守ったり,植物も生きていくのはなかなか大変なのである
6.おわりに
追加情報として,前回そこそこ発芽した方の発芽率を約14%と紹介したが,今回発芽した分を加えると50%近くになる,発芽に手こずるココスヤシだが,この状態からまだ発芽が期待できそうだし,ちゃんと水やりしてたらまだ数は増えたかもしれない,この種は優秀な種だったと言えるだろう
7.前回記事の掲載写真を更新
前回発芽がよろしくなかった種を採った樹と,まあまあ発芽した種を採った樹の写真を掲載したが,撮影時期もちょっと前だし画像も小さいので,今年の8月下旬(私の地域でちょうど種が色づく時期)に撮影した少々大きめの写真を再度掲載しておく,参考にして頂ければ幸いである
◆発芽がよろしくなかった樹
◆まあまあ発芽してくれた樹
近所の公園とかに何本かココスヤシが有ったら,種が橙色に色づく8月中下旬に,種を付けてる樹を各々じっくり観察してみたらいい,この樹の種は期待できるんじゃないかと言うのが解る人は解ると思う,管理事務所等に相談して種を分けてもらえばいい,落ちてる種ならほとんどOKもらえる
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