2017年09月20日
アガベ・アテナータの耐寒性についてのまとめ
(1) 写真左上:アガベ・アテナータ「初緑」
(2) 写真左下:アガベ・アテナータ「白覆輪」
(3) 写真右上:アガベ・アテナータ「ボーチン・ブルー」
(4) 写真右下:アガベ・アテナータ「カラズ・ストライプ」
1.はじめに
アガベをイロイロ育ててるが,アガベ・アテナータは上の写真の4種類を育てている,過去に「アガベ・アテナータの育て方」ってページ(→こちら)で,耐寒性はマイナス3℃とか,また別なページ(→こちら)ではマイナス6℃の寒波で「アガベ・アテナータの斑入り種が霜でやられた」と書いているが,かなり大ざっぱなので,もう少し詳しくアガベ・アテナータの耐寒性についてまとめてみた
2.アガベ・アテナータの耐寒性
当方の住んでる地域は,普通は真冬でもマイナス2℃くらいが最低気温である,時たま最低極温がマイナス4℃くらいになることもあるが,時たま軽い霜があったり雪がパラパラ降るくらいである,積雪(と言っても1日で溶けてしまう程度)が有ったのは30年の間に3回ほどだった,基本的にそういう気候の地域なので,アガベ・アテナータの耐寒性とか,特に気にせずに全て屋外で管理してきた
3.アガベ・アテナータが低温害
ところが昨年の1月に例年に無い寒波が押し寄せ,雪も10cmくらい積もって交通とかも乱れて大騒ぎになった(タイヤチェーンとか持ってるヤツなんていない),お隣といっていいくらいの場所にアメダスの観測点が有るんだが,ここのデータを見たら最低気温マイナス6℃が記録されてた,これはこの地に住んで初めての最低気温である,この時アガベ・アテナータが低温による被害を受けた
4.アガベ・アテナータの斑入り種が被害を受けた
下の写真のように,白覆輪のアガベ・アテナータとカラズ・ストライプという斑入り種が被害を受けて霜焼け状態になってしまった,その後傷んだ葉を除去したり,液肥与えたりして回復を図ったが,この2種は回復することなく枯れてしまった
5.アガベ・アテナータ(初緑)は生き残った
アガベ・アテナータの普通種と言える初緑は,葉が霜焼けになる被害は有ったが,傷んだ葉を除去して液肥を与えたりして管理したら,いくつかの株はソコソコ回復した,ただ小さな株は回復することなく枯死した,なおボーチンブルーも初緑と同様の状況だった
6.アガベ・アテナータの推定される耐寒性
この時の状況から,アガベ・アテナータの普通種の初緑に関しては,耐寒性はマイナス6℃が限界と言えよう,その場合でも株が小さいとか状況によっては枯死株が出る可能性がある,また斑入り種については,これまでマイナス4℃では大きな問題は無かったが,マイナス6℃で全滅だったことから判断すれば,マイナス5℃が成育限界では無いだろうか
7.斑入り種は若干耐寒性が劣る
斑入りのアガベ・アテナータは普通種に比べ,若干耐寒性が劣るようだが,これは変異種ゆえのことかもしれない,一般的に変異種は生物的な活性が低い傾向にある,動物のアルビノなんかが通常種に比べ生命力が弱いのと同様で,植物も変異種は通常種にくらべ弱い場合が多い
8.アガベ・アテナータの耐寒性のまとめ
いろいろな条件次第ではあるが,あえてアガベ・アテナータの耐寒性に関してまとめれば,以下のようなことになるだろうか
(1) 初緑等の通常種の場合:耐寒性はマイナス6℃が限界
(2) 斑入り等の変種の場合:耐寒性はマイナス5℃が限界
この限界って表現は勘違いしてもらっては困るが,葉焼け等の低温による被害は出るが株が死ぬ事はないギリギリの限界の気温と言うことである,正常な成育に影響を受けないという意味での耐寒性は,実用的にはこれより2〜3℃高めだと考えた方がいい,つまり
(1) 初緑等の通常種の場合:障害を受けない実用的耐寒性はマイナス3〜4℃程度
(2) 斑入り等の変種の場合:障害を受けない実用的耐寒性はマイナス2〜3℃程度
9.おわりに
この耐寒性が何℃までという表現は,なかなかくせ者で,たとえば耐寒性は「マイナス10℃です」っていうのは,最低極温がマイナス10℃,つまり夜間の一時期にマイナス10℃になっても大丈夫という意味に解釈した方がいい,これを夜間ず〜っとマイナス10℃でも大丈夫という意味に解釈しないほうがいい
ではどの程度の時間ならいいのという話になるが,営利的に生産されてる切り花とか鉢物などは,いろいろ研究データもあるが,アガベとかのマイナー植物は,研究データ等がほとんど無い,原産地の最低気温がマイナス10℃くらいだから,耐寒性はマイナス10℃ですって言ってるような場合が多いのでまともに信用しない方がいい,耐寒性は何℃ですという表現は非常に曖昧なんである
ちなみに私がときどき参考にしてる「All the Plants (Scientific names)−Desert Tropicals」ってホームページには,アガベは248種掲載されてるが,ここを見るとアガベ・アテナータの耐寒性はマイナス1℃となってて,夜間寒いときは霜除けが必要って記載されてる
10.おまけ
当地がマイナス6℃になったのは,後にも先にもこの時が初めてなのだが,このアガベ・アテナータが凍死するような温度でも,同じ場所で管理してた,アガベ・アメリカーナ,アガベ・フェロックス,アガベ・フランゾシニー,アガベ・ポタトラム等の葉が肉厚の種類はまったく問題なかった
11.関連記事
◆なおアガベ・アテナータの育て方については別記事にまとめてある,(詳細は→こちら)
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