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2013年05月15日

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

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★★★★☆

上巻に続き、壮大な人類史なので、読むのに少し体力がいった本 でもおもしろかった。

下巻でスポットがあたっていたのは、東南アジア辺りから南太平洋辺りにかけてと、アフリカ大陸だった。
東アジアに対して同じように研究されたものがあれば読んでみたい。この辺りの地域は、この本ではあまり出てこない。

著者は人類史を、環境決定論的というか運命論的かつ地球規模のマクロな視点で語っている。
しかしそれとは逆の、偶発的な小さな事件が歴史に大きな影響を与えたりするカオス的な事件の存在も、同時に認めている。

社会の複雑化が加速している昨今では、このような影響大なカオスが、さらに加速していくんじゃないだろうか。いまや環境そのものを変えてしまう技術すらあるので、その加速度はものすごいことになってるような気がする。
でも、それらカオスも、結局環境決定論的な考えの中では、あらかじめ想定されているものなのかな?そして時間が経って、大きな環境の大きな変化のなかでは、どんな分化もいずれ平坦化されてしまうのかも・・?とか思ったり。

上下巻を通じて親しみを感じたところといえば、読めば読むほど生まれてくる細かめの疑問にも、読者の疑問を先読みしてか、その後でちゃんと答えてくれてる場合が多いこと。このおかげで、頭があまりモヤモヤせずに読み進められた。

しかしいくつか残った疑問もある。
そのひとつは、人間同士の争いの多さ。

この本に出てくるように、人類はどの時代や地域においても、移動なり開拓なりしてる最中に他の部族とかのコミュニティの人々とはちあった場合、多くの場合、喧嘩しているようだ。そしてそれには殺戮なり奴隷化なりがしばしば伴っているようだどんっ(衝撃)

この本でもそういう人類の性質を前提としているとしているんだけど、そういう今考えたらうんざりするような性質を、なぜ人間は持っているのか?とか、なぜ回避できなかったのか?とか。
また、うまく同化なり共存なりできた場合もあるようなんだけど、その場合、それはどうやってうまくいったのか?とか。もしくは、互いに干渉しないことでうまくいっていた場合もありそうだけど、それはなぜか?とか。
それらも環境決定論的に説明できるのかもしれないけど。

その辺りの疑問に答えてくれている本があれば、そのうち読んでみたい本


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タグ:人類
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