2020年09月22日
その319 三角お耳の尻尾娘<後>
尻尾娘「のこ」の
後編のお話です
かおりんのCDです よろ〜ス♪
「のこ」が戻って
共に過ごした夜
あたしの部屋は朝まで
音楽が流れていました
特にこの曲は
何度も何度も聞きました
「のこ」はまぎれもなく
あたしの糸でした
嫁君と娘の顔を見て「のこ」も
安心したのでしょう
少し持ち直した様だと
嫁君からの連絡があり
万が一にも助かる可能性に掛けて
このまま病院に任せていいか?
と聞かれました
出際に「のこ」を連れて帰れと
あたしが強く言ったからです
それは・・・
調子が悪くなる日の夜9時頃
いつもは娘の部屋で休んでる
「のこ」がフラフラしながら
あたしの部屋の前で座りました
あたしの部屋は
「のこ」が食事やお水を飲むので
いつも開いています
何時もなら
ベッドの近くに来て座り
自分がして欲しい事を話します
あたしと「のこ」は
話しが出来るからです
でも今回はドアのトコで
横になりました
辛いのだろうと思い
あたしから近寄り
背中や頭を優しく撫ぜ
暫くお話をしました
辛いけどお薬飲んで
がんばろうな
元気になろうね・・・
そんなふうに話して
椅子に戻るあたしに
「のこ」はか細い声で
にゃーと返事しました
そして尻尾だけあたしの部屋に入れ
身体は外の廊下でした
猫が人に後ろ姿を見せるのは
「あなたのことを信頼しています」
と云う意味だそうですが
今回のこの姿は
あたしにサヨナラを
云いに来たのだとー
その日の夜遅く
娘から「のこ」がおかしい
と云う連絡で
全てを悟りました
嫁君や娘には
言えませんでした
だから翌朝
「のこ」を送る事も
危篤に駆けつける事もせず
連れて帰れと言ったのです
最後はあたしの
動かないけど
腕の中で
逝かせてやりたかった
「のこ」のおうちで
逝かせてやりたかった
できなかった事が
最後のあたしの
罪でした
猫も犬も
別れを告げに来ます
彼等は自らの死期を
感じ取る
人間より遥かに優れた
完全体なのです
最後の入院の夜
「のこ」の声を聞きました
パパ明日帰るね
たったそれだけでした
下の階にいる嫁君に
「のこ」が明日元気で
帰るって言ってるよ
と連絡しました
嫁君からは
退院は日曜の予定ですよ?
と言われました
本当の意味を
言えませんでした
もう覚悟していました
翌朝早い時間に嫁君は
意味なく起きて
あること感じたそうです
葬式の後に聞きました
最後の最後は嫁君に
別れに来たのでしょう
8時10分
娘の電話に
悲しい知らせが
届きました
嫁君が真っ赤な目で
あたしに告げました
パパ
のこちゃん
駄目だった・・・
あたしは
うんうん
「のこ」頑張ったんだよ
さぁ迎えにいこう
あたしは一粒の涙も
溢しませんでした
病院から娘が
ダンボールに入れられた
「のこ」を運んできました
さぁ おうちに帰ろうね
パパと帰ろうね
家について
二階のあたしの部屋に
「のこ」を休ませる場所を作る間
「のこ」は食卓の上でした
蓋を開け顔と身体の布を取り
全身隈なく撫ぜてやり
頬ずりしました
あたしは冷たくなった
「のこ」に顔をうずめ
馬鹿野郎!
勝手に逝きやがって!
バカ野郎!
と絶叫しながら
娘も嫁君も居るのに
大声で泣いてしまいました
あたしには単なる
ペットじゃなかったんです
脳出血を発症し
マヒーズになり
大問題で全ての信を失い
人生の一番辛い8年間を
横にいてくれた
大切な家族だったんです
娘だったんです
NOJIさんの
ファルコンくん
みんつちさんの
りんちゃん
同じ想いを二人は
今でも
抱えています
家族であり
子供であり
親友であり
そして
宝なのです
ここ暫くの医療費も
25万を軽く越えていました
「のこ」はきっと
パパとママの生活のために
自らで逝ったのかもしれません
間違った親孝行ですが
優しい「のこ」なら
そうしたかもしれません
お通夜の間あたしは
「のこ」を見つめ
身体を撫ぜていました
季節外れのサンタクロース
キャンドルの火は
かおりんが歌ってくれた
曲に合わせ
朝まで燃えていました
翌日名古屋では有名な
動物のお寺長楽寺さんで
お葬式をしてもらいました
お坊様がお経を読んでる時
ふと「のこ」声が
聞こえました
パパもうひとりにしないで!
あたしは大勢の方がいるのに
大粒の涙が止まらなくなりました
声すら漏れてしまいました
嫁君や娘には笑顔で
「のこ」を送ってやろうと
言ってた
あたしがです・・・
最後の別れの時
大声で声を掛けました
「のこ」すぐに迎えに来る
それまでの
バイバイだけだ
すぐに来る
おうちに連れて帰る!
まわりの驚いた顔が
涙で歪んで見えました
「のこ」は今
あたしの横にいます
最初に決めた「のこ」場所は
娘の?の顔で
場所を変えました
そこは「のこ」が
大好きな場所でした
娘を通して
パパそこじゃない!と
伝えたのでしょう
「のこ」は
既にあたし横で
毛づくろいでも
してるのかもしれません
おかしな
話かもしれません
でも
あたしにはこれが
全てです
「のこ」を惜しんでくれた
たくさんの想いに
心から感謝いたします
本当に
ありがとう
「のこ」が小さくなって
おうちに帰った翌日
「のこ」の横のFAXが鳴り
驚くような注文が
舞い込みました
のこだね
きっとそうだね
ありがとうね
のこ
まだまだ続きます
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