「バンクシー」虐殺の街に…【解放】
ウクライナ南部・へルソン州の州都へルソン市を巡り大きな動きがありました。補給を絶たれたロシア軍が全面撤退するとの見方も出ていたなか、ウクライナ軍がへルソン市に入り、住民たちが喜びを爆発させました。
ヘルソン市中心部の自由広場でウクライナ国旗を掲げ、喜ぶ住民たち。
ロイター通信は、ウクライナ軍が南部ヘルソン州のヘルソン市を取り戻したと、ウクライナ国防省が明らかにしたと伝えています。
ゼレンスキー大統領:「きょうは歴史的な日です」
ヘルソン市はロシア軍が侵攻開始直後の3月から占領し続けてきました。
男性:「興奮しているよ。この日が来ると信じていた。ウクライナ軍に感謝でいっぱいだ。悪夢のような9カ月間でした」
しかし、ロシア軍はただ撤退しただけではありませんでした。
男性:「銃で窓を壊された」
男性が部屋に戻ると中は荒らされ、物が散乱していました。
男性:「胸が苦しい」
ヘルソン市の奪還。今後の戦況にどのような影響をもたらすのでしょうか。
防衛省・防衛研究所、高橋杉雄氏:「ロシアとしては自分たちでも言っているように、ドニプロ川に沿った形で防衛線を張り直して、そこで改めて、にらみ合う形になるのかなと。また休養、再編成をしてより強力にウクライナの反攻に対処していく。ロシアとしても攻勢を掛けることを考えると思う」
ヘルソン市はロシア軍が唯一、掌握したウクライナの州都でした。
防衛省・防衛研究所、高橋杉雄氏:「ロシアとしては恐らく『州都は別の場所に移した』と宣言すると思う。本来の州都は失ったわけですから、併合宣言が実態を伴わない形になると思う」
ロシアの国営通信RIAは先ほど、ロシア側の現地当局がヘルソン州の州都をヘルソン市からゲニチェスクに移転すると発表したと報じました。
一方、ロシアのメディアは、ヘルソン地域を流れるドニプロ川の橋が崩落している映像を公開しました。この橋は、ドニプロ川の西岸地域と東岸地域を結ぶ橋で、ロシア軍の主要な補給ルートになっていました。
防衛省・防衛研究所、高橋杉雄氏:「ロシアが破壊したような映像が出ています。ウクライナが後を追って来られないようにするってことです。橋を落とすことで完全にウクライナも簡単には川を渡れないような形にしてしまうということだと思う」
戦況が大きく動くなか今、ウクライナでは話題になっていることがありました。
ウクライナのテレビ放送:「イギリスのストリートアーティスト、バンクシーが現れました」
首都キーウ近郊に突如として現れた、逆立ちする体操選手の絵。今にも倒壊しそうなビルの壁に描かれていました。
この作品について「バンクシー」は、インスタグラムで自らの作品と認めています。
絵が描かれていたボロディアンカは、ロシア軍の占領・撤退後に民間人殺害が明らかになったブチャに近い場所にあり、戦禍のウクライナを支援する狙いがあるとみられています。
この町では他にも、ブロックと鉄骨製の車止めを使い描かれたシーソーで遊ぶ子どもたちや、柔道着姿の大人を投げる子どもの絵も見つかっています。
柔道家でもあるロシアのプーチン大統領が、ロシアと比べて小国のウクライナに負けているのを皮肉った絵とみられていますが、バンクシーの作品かどうかは確認されていません。
一方、プーチン大統領を巡っては、ロシアのタス通信は15日にインドネシア・バリ島で開幕するG20首脳会議にオンラインでも参加する予定はないことを明らかにしました。
理由は「日程の都合」としていますが、ウクライナ侵略を巡って欧米などから直接、批判される状況を避けたとの見方が出ています。
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