2018年08月07日
小さい子だけではなく,大人にも当てはまります 未就学児の一律の昼寝習慣はNGか
小さい子だけではなく,大人にも当てはまります
未就学児の一律の昼寝習慣はNGか 2018年06月29日 06:20
日本において、在園時間の短い幼稚園では昼寝(午睡)が一般的ではない一方、保育園では日課として実施されてきた。
しかし近年、昼寝が夜間睡眠に悪影響を及ぼすなどの指摘や、小学校入学後の生活リズムに慣れさせる目的などから、未就学児の昼寝の在り方を見直す動きが広まっている。
そこで愛媛大学病院睡眠医療センター長で同大准教授の岡靖哲氏は、宇部フロンティア大学短期大学部保育学科教授・伊藤一統氏らと共同で、幼稚園児と保育園児の睡眠習慣の違いについて検討。
昼寝が夜間睡眠に悪影響を及ぼしている可能性があることを、第32回米国睡眠学会(SLEEP 2018、6月2〜6日、ボルティモア)で報告した。
保育園児は幼稚園児より昼寝をする
岡氏らは、山口県山口市の幼稚園または保育園に在籍する4〜5歳の小児328例(幼稚園159例、保育園169例)を対象に、児童青年期睡眠チェックリスト(CASC;Child and Adolescent Sleep Checklist)を用いて、就床時刻や起床時刻、睡眠時間、睡眠に関する問題などの睡眠習慣の違いについて、幼稚園児と保育園児の2群で比較検討(t検定)した。
在園中または帰宅後を問わず1週間当たりの昼寝習慣を比較したところ、幼稚園児の50.9%が昼寝を全くしていなかったのに対し、保育園児の55.1%が週4日以上昼寝をしていた。
また1日当たりの平均昼寝時間は、幼稚園児が15.1分、保育園児が37.2分と、保育園児の方が有意に長いことが分かった(P<0.001)。
総睡眠時間に有意差はなし、昼寝習慣が夜間睡眠に影響か
さらに、平均帰宅時刻は幼稚園児が15時1分、保育園児が17時41分と、保育園児の方が有意に遅かった(P<0.001)。
平均就床時刻も同様に、幼稚園児(平日20時56分、休日21時16分)に比べ保育園児(同21時13分、21時38分)の方が有意に遅かった(P<0.001)。
一方、平均起床時刻は、平日では幼稚園児が7時2分、保育園児が6時52分と、保育園児の方が有意に早かったが(P=0.011)、休日は順に7時27分、7時20分と有意差は認められなかった。睡眠時間(昼寝時間を含む)は、幼稚園児の方が平日は約30分、休日は約15分長い傾向が見られたが、有意差は示されなかった。
睡眠状況については、保育園児の方が入眠までの時間が有意に長く(P=0.007)、就床に対する抵抗(bedtime resistance)も有意に大きかった(P=0.018)。
これらの結果から、岡氏は「保育園では日常的に園児の昼寝を実施しており、幼稚園児より帰宅時刻が遅く、就寝時刻も遅く、就床への抵抗も大きいという睡眠習慣の違いがあることが示された」と結論。
またMedical Tribuneの取材に対し、「幼稚園児も保育園児も昼寝時間と夜間睡眠を合わせた総睡眠時間に差は認められなかったことから、保育園児では昼寝により夜間の睡眠に影響しうる可能性が示唆された」と指摘した。
さらに「昼寝習慣が生理的に必要かどうかは、未就学児では年齢による差や個人差が大きいだろう。
昼寝の必要度を考慮しないで一律に昼寝を習慣化させることで、夜間睡眠に影響が出ていないかについて、さらなる検討が必要」とコメントした。(SLEEP 2018取材班)
未就学児の一律の昼寝習慣はNGか 2018年06月29日 06:20
日本において、在園時間の短い幼稚園では昼寝(午睡)が一般的ではない一方、保育園では日課として実施されてきた。
しかし近年、昼寝が夜間睡眠に悪影響を及ぼすなどの指摘や、小学校入学後の生活リズムに慣れさせる目的などから、未就学児の昼寝の在り方を見直す動きが広まっている。
そこで愛媛大学病院睡眠医療センター長で同大准教授の岡靖哲氏は、宇部フロンティア大学短期大学部保育学科教授・伊藤一統氏らと共同で、幼稚園児と保育園児の睡眠習慣の違いについて検討。
昼寝が夜間睡眠に悪影響を及ぼしている可能性があることを、第32回米国睡眠学会(SLEEP 2018、6月2〜6日、ボルティモア)で報告した。
保育園児は幼稚園児より昼寝をする
岡氏らは、山口県山口市の幼稚園または保育園に在籍する4〜5歳の小児328例(幼稚園159例、保育園169例)を対象に、児童青年期睡眠チェックリスト(CASC;Child and Adolescent Sleep Checklist)を用いて、就床時刻や起床時刻、睡眠時間、睡眠に関する問題などの睡眠習慣の違いについて、幼稚園児と保育園児の2群で比較検討(t検定)した。
在園中または帰宅後を問わず1週間当たりの昼寝習慣を比較したところ、幼稚園児の50.9%が昼寝を全くしていなかったのに対し、保育園児の55.1%が週4日以上昼寝をしていた。
また1日当たりの平均昼寝時間は、幼稚園児が15.1分、保育園児が37.2分と、保育園児の方が有意に長いことが分かった(P<0.001)。
総睡眠時間に有意差はなし、昼寝習慣が夜間睡眠に影響か
さらに、平均帰宅時刻は幼稚園児が15時1分、保育園児が17時41分と、保育園児の方が有意に遅かった(P<0.001)。
平均就床時刻も同様に、幼稚園児(平日20時56分、休日21時16分)に比べ保育園児(同21時13分、21時38分)の方が有意に遅かった(P<0.001)。
一方、平均起床時刻は、平日では幼稚園児が7時2分、保育園児が6時52分と、保育園児の方が有意に早かったが(P=0.011)、休日は順に7時27分、7時20分と有意差は認められなかった。睡眠時間(昼寝時間を含む)は、幼稚園児の方が平日は約30分、休日は約15分長い傾向が見られたが、有意差は示されなかった。
睡眠状況については、保育園児の方が入眠までの時間が有意に長く(P=0.007)、就床に対する抵抗(bedtime resistance)も有意に大きかった(P=0.018)。
これらの結果から、岡氏は「保育園では日常的に園児の昼寝を実施しており、幼稚園児より帰宅時刻が遅く、就寝時刻も遅く、就床への抵抗も大きいという睡眠習慣の違いがあることが示された」と結論。
またMedical Tribuneの取材に対し、「幼稚園児も保育園児も昼寝時間と夜間睡眠を合わせた総睡眠時間に差は認められなかったことから、保育園児では昼寝により夜間の睡眠に影響しうる可能性が示唆された」と指摘した。
さらに「昼寝習慣が生理的に必要かどうかは、未就学児では年齢による差や個人差が大きいだろう。
昼寝の必要度を考慮しないで一律に昼寝を習慣化させることで、夜間睡眠に影響が出ていないかについて、さらなる検討が必要」とコメントした。(SLEEP 2018取材班)
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