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2018年07月30日

糖尿病慢性合併症、命に直結する「えのき」

糖尿病慢性合併症、命に直結する「えのき」日経メディカルから抜粋
2018/6/28 岩岡秀明(船橋市立医療センター代謝内科部長)

 糖尿病の慢性合併症について解説します。前回は、何年も未治療のまま、または血糖コントロールが不良なままでいると血管が障害されて血流が悪くなり、そこにつながる臓器が障害されていくこと、そして、そのうち微小な血管が障害されて起こる「細小血管合併症」について解説しました。

 今回は、太い血管が障害された場合に起こる、足の閉塞性動脈硬化症(壊疽)や脳梗塞、狭心症などについて説明したいと思います。
壊疽(えそ)、
脳梗塞(のうこうそく)、
狭心症(きょうしんしょう)の頭文字を取って
「えのき」と患者さんに説明すると覚えてもらいやすいです。

これら大血管障害の原因となる動脈硬化症は、高血圧、脂質異常症、喫煙、肥満の人にも起こる疾患で、糖尿病特有の合併症ではありません。
ですが、糖尿病に罹患していると、高頻度で、しかも全身で起こるため、より注意が必要なのです。

 「え」の壊疽は、足の動脈が硬化し、狭くなったり詰まったりすることで血液の循環が悪くなり、小さな傷が治らずに潰瘍化してしまうというものです。
日本人でも、下肢切断の原因で一番多い原因は糖尿病です。
この合併症は、動脈硬化症がある程度進行してから起こります。
そのため、糖尿病の患者さんに対しては、定期的に靴と靴下を脱いでもらい、足を診察する必要があるのです。
神経障害がないかどうかの他、靴擦れや白癬など潰瘍につながる皮膚病変がないことを確認しましょう。

 糖尿病足病変に関する国際ワーキンググループによるリスク分類は、知覚神経障害がなくても、1年に1度は足の診察をするように推奨しています(表1)。
モノフィラメント検査や振動覚検査の他、足関節上腕血圧比(ABI)の測定で閉塞性動脈硬化症の進展の度合いを評価することもできます。

表1 糖尿病足病変に関する国際ワーキンググループによるリスク分類
グループ リスク       3年後の潰瘍発生率     適正な診察間隔
グループ0 神経障害なし        5.1%        1年に1回
グループ1 神経障害あり       14.3%         半年に1回
グループ2 神経障害/血管障害/足の変形 18.8% 3ヵ月ごと
グループ3 足潰瘍の既往あり 55.8% 1〜3ヵ月に1回

 足の動脈硬化が起こった際にまず見られる症状は、間欠性跛行です。歩いたり運動したりすると、ふくらはぎなどにだるさやこむら返りなどが起こりますが、10分ほど休むと症状がなくなるのが特徴です。

閉塞性動脈硬化症が進行すると、跛行が重症化し、そのうちに安静時にも痛みが出たり、足に潰瘍ができたりします。閉塞性動脈硬化症の治療は、まず禁煙です。また、血流を良くすることを目的として、抗血小板薬や血管拡張薬を処方します1)。
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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