2019年04月26日
小麦アレルギー(30分)、蜂アレルギー(15分)、造影剤の注射(5分)などで非常に短時間でおきるアナフィラキシーショック!
小麦アレルギー(30分)、蜂アレルギー(15分)、造影剤の注射(5分)などで非常に短時間でおきるアナフィラキシーショック!
正しい知識を修得下さい!
「避けられない」で求められる対応力【時流◆アナフィラキシー】
海老澤元宏・相模原病院副臨床研究センター長に聞く―Vol.1
2019年3月26日 (火)配信 一般内科疾患アレルギー疾患一般外科疾患
初期対応の重要性を強調する海老澤氏
m3.com意識調査で症例の軽重を問わずにアナフィラキシーの症例経験があるかどうか医師会員2491人に
尋ねたところ約7割が「ある」と回答した(『アナフィラキシー症例の最多原因は医薬品』を参照)。
医療従事者であれば、何らかの形で遭遇する可能性が高いアナフィラキシーに対応する上でのポイントを、
相模原病院副臨床研究センター長の海老澤元宏氏に尋ねた。
同氏は「アナフィラキシーには、避けられるものと避けられないものがある」と話し、常に起こりうることを
想定して対応に備えておくべきと説いている。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・森圭吾)
一度は遭遇するものと心得よ
――医療従事者がアナフィラキシーの症例に遭遇する確率は、かなり高いのではないかと感じました。
アナフィラキシーにも色々あります。
検査で使う造影剤によるものもあれば、
小児に多い食物アレルギーに端を発するもの、
ハチの刺傷によるものなど原因はさまざまなので、
ひとくくりに言うことはできません。
ですが、医師である以上は、一度は遭遇する機会のあるものだと心得ておくことは大切です。
アナフィラキシーには「避けられるもの」と「避けられないもの」が
あります
よく学校などで起きた食物アレルギーなどによるアナフィラキシーショックの問題がセンセーショナルに
報道されますが、
死亡数に関しては『医薬品』、『ハチ刺傷』の順に多く、
厚生労働省の人口動態統計によるとそれぞれ『30例前後』、『20例前後』が報告される『年』もあります。
『食物』は『多くても5例』ほどです。
死亡数の最も多い医薬品には、
造影剤やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などの鎮痛薬、抗菌薬、抗癌剤など多岐にわたります
さらに特異的免疫グロブリンE(IgE)抗体が関与しない免疫学的機序もあるため、基本的には投与後の反応を
見るしかありません。
こうしたケースが、いわゆる「避けられないアナフィラキシー」と言えます。
『アドレナリン筋注は迅速に』
――薬剤によるアナフィラキシーは、ハチ刺傷や食物によるものより重症化しやすいのでしょうか
状況にもよりますが、造影剤や鎮痛薬、麻酔薬などが『静脈注射』される場合は、アナフィラキシーを来すと急速な血圧の低下や呼吸困難などのショック症状を呈します(5分以内、管理人註)。
「避けられない」かつ「時間的猶予がない」のが、これらアナフィラキシーの特徴です。
では、医療従事者として何をすべきか。
まずは患者を注意深く観察し、バイタルサインをしっかりとチェック。
患者が少しでも異常を訴えるようであれば、アナフィラキシーも念頭に置くべきでしょう。
そしてアドレナリンはいつでも使用できるように常備しておき、初期対応の手順をしっかりと確認しておくことです。
診断基準や鑑別のポイントなどは2014年にまとめた「アナフィラキシーガイドライン」に詳しいですが、まずは重篤化させない、死亡させないことが前提となるので、アナフィラキシーが発生した場合は迷わずアドレナリンを筋注することです。
ベテランの医師には、アドレナリンと言えば心肺蘇生の最終手段として使うイメージが強いかもしれませんが、アナフィラキシーが強く疑われる場面では躊躇せずに筋注してほしい。
必要な場面で適切に処方されているか
――アナフィラキシーの第一選択薬であるアドレナリンを使うことは、難しいものなのでしょうか。
通常量の投与では蒼白や振戦、動悸などの有害作用が想定されます。
これが過度の急速静脈内投与や静脈内ボーラス投与などの過量投与となると、心室性不整脈や高血圧、肺水腫
などを来す恐れがあります。
しかし、アドレナリン自己注射製剤(販売名:エピペン)の用法、用量を守って適切に使えば命を救う武器に
なる訳ですから、同薬による救命を最優先に判断すべきです。
ガイドラインなどで初期対応やアドレナリン使用のポイントなどを解説していますが、実際にアレルギーの
専門医がいる施設でも30-40%程度しか使われていないとの調査結果もあり、
まだまだ適切なタイミングで適切に用いられているとは言い難い状況です。
病院で準備すべき薬剤以外の医療備品なども、ガイドラインでは明示してあります。
検査や投薬の責任者はもちろん、院内の救急体制を整備し、日頃から手順の確認を徹底しておかなければ、
いざという時に動けません。
ガイドラインは日本アレルギー学会のアナフィラキシー啓発サイトで手に入れることもできるので、ぜひ院内対応力の向上に役立ててほしいですね。
正しい知識を修得下さい!
「避けられない」で求められる対応力【時流◆アナフィラキシー】
海老澤元宏・相模原病院副臨床研究センター長に聞く―Vol.1
2019年3月26日 (火)配信 一般内科疾患アレルギー疾患一般外科疾患
初期対応の重要性を強調する海老澤氏
m3.com意識調査で症例の軽重を問わずにアナフィラキシーの症例経験があるかどうか医師会員2491人に
尋ねたところ約7割が「ある」と回答した(『アナフィラキシー症例の最多原因は医薬品』を参照)。
医療従事者であれば、何らかの形で遭遇する可能性が高いアナフィラキシーに対応する上でのポイントを、
相模原病院副臨床研究センター長の海老澤元宏氏に尋ねた。
同氏は「アナフィラキシーには、避けられるものと避けられないものがある」と話し、常に起こりうることを
想定して対応に備えておくべきと説いている。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・森圭吾)
一度は遭遇するものと心得よ
――医療従事者がアナフィラキシーの症例に遭遇する確率は、かなり高いのではないかと感じました。
アナフィラキシーにも色々あります。
検査で使う造影剤によるものもあれば、
小児に多い食物アレルギーに端を発するもの、
ハチの刺傷によるものなど原因はさまざまなので、
ひとくくりに言うことはできません。
ですが、医師である以上は、一度は遭遇する機会のあるものだと心得ておくことは大切です。
アナフィラキシーには「避けられるもの」と「避けられないもの」が
あります
よく学校などで起きた食物アレルギーなどによるアナフィラキシーショックの問題がセンセーショナルに
報道されますが、
死亡数に関しては『医薬品』、『ハチ刺傷』の順に多く、
厚生労働省の人口動態統計によるとそれぞれ『30例前後』、『20例前後』が報告される『年』もあります。
『食物』は『多くても5例』ほどです。
死亡数の最も多い医薬品には、
造影剤やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などの鎮痛薬、抗菌薬、抗癌剤など多岐にわたります
さらに特異的免疫グロブリンE(IgE)抗体が関与しない免疫学的機序もあるため、基本的には投与後の反応を
見るしかありません。
こうしたケースが、いわゆる「避けられないアナフィラキシー」と言えます。
『アドレナリン筋注は迅速に』
――薬剤によるアナフィラキシーは、ハチ刺傷や食物によるものより重症化しやすいのでしょうか
状況にもよりますが、造影剤や鎮痛薬、麻酔薬などが『静脈注射』される場合は、アナフィラキシーを来すと急速な血圧の低下や呼吸困難などのショック症状を呈します(5分以内、管理人註)。
「避けられない」かつ「時間的猶予がない」のが、これらアナフィラキシーの特徴です。
では、医療従事者として何をすべきか。
まずは患者を注意深く観察し、バイタルサインをしっかりとチェック。
患者が少しでも異常を訴えるようであれば、アナフィラキシーも念頭に置くべきでしょう。
そしてアドレナリンはいつでも使用できるように常備しておき、初期対応の手順をしっかりと確認しておくことです。
診断基準や鑑別のポイントなどは2014年にまとめた「アナフィラキシーガイドライン」に詳しいですが、まずは重篤化させない、死亡させないことが前提となるので、アナフィラキシーが発生した場合は迷わずアドレナリンを筋注することです。
ベテランの医師には、アドレナリンと言えば心肺蘇生の最終手段として使うイメージが強いかもしれませんが、アナフィラキシーが強く疑われる場面では躊躇せずに筋注してほしい。
必要な場面で適切に処方されているか
――アナフィラキシーの第一選択薬であるアドレナリンを使うことは、難しいものなのでしょうか。
通常量の投与では蒼白や振戦、動悸などの有害作用が想定されます。
これが過度の急速静脈内投与や静脈内ボーラス投与などの過量投与となると、心室性不整脈や高血圧、肺水腫
などを来す恐れがあります。
しかし、アドレナリン自己注射製剤(販売名:エピペン)の用法、用量を守って適切に使えば命を救う武器に
なる訳ですから、同薬による救命を最優先に判断すべきです。
ガイドラインなどで初期対応やアドレナリン使用のポイントなどを解説していますが、実際にアレルギーの
専門医がいる施設でも30-40%程度しか使われていないとの調査結果もあり、
まだまだ適切なタイミングで適切に用いられているとは言い難い状況です。
病院で準備すべき薬剤以外の医療備品なども、ガイドラインでは明示してあります。
検査や投薬の責任者はもちろん、院内の救急体制を整備し、日頃から手順の確認を徹底しておかなければ、
いざという時に動けません。
ガイドラインは日本アレルギー学会のアナフィラキシー啓発サイトで手に入れることもできるので、ぜひ院内対応力の向上に役立ててほしいですね。
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