2018年10月24日
風疹、関東中心に流行続く...昨年の約7倍 女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得
風疹、関東中心に流行続く...昨年の約7倍
男女ともがワクチンを受けて、まず風疹の流行を抑制し、
女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが重要である。
関東地方(東京,千葉,埼玉,神奈川)及び愛知県を中心にした風疹の流行が続いている。
国立感染症研究所は26日、9月16日までの1週間で新たに127人の患者が報告されたと発表した。
1週間の報告数が100人を超えたのは2週連続。
今年に入ってからの累計は642人となり、昨年の7倍近くに達している。
都道府県別にみると、東京が前週から39人増え196人と最も多かった。次いで千葉161人(前週比38人増)、神奈川68人(同14人増)、埼玉42人(同7人増)と続いた。
関東地方以外では、愛知の36人(同8人増)が目立つ。また、感染が確認されていなかった滋賀と愛媛で新たに2人の報告があった。
首都圏と近畿地方が多いが、急速に全国に感染が拡大している。
報告患者の9割が成人であり、
男性が女性の約3.5倍である。
男性は20〜40代に多く、女性は20代に多い。
風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。
症状は不顕性感染から、
重篤な合併症併発まで幅広く、
臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患である。
発熱、発疹、リンパ節腫脹(ことに耳介後部、後頭部、頚部)が出現するが、
発熱は風疹患者の約半数にみられる程度である。
風疹に伴う最大の問題は、
感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が感染したことにより、
風疹ウイルス感染が胎児におよび、
先天異常を含む様々な症状を呈する先天性風疹症候群が出現することにある。
妊娠中の感染時期により重症度、症状の種類が様々である。
先天異常として発生するものとしては、
先天性心疾患(動脈管開存症が多い)、
難聴、
白内障、
色素性網膜症などが挙げられる。
先天異常以外に新生児期に出現する症状としては、
低出生体重、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、黄疸、間質性肺炎、髄膜脳炎などが挙げられる。
また、進行性風疹全脳炎、糖尿病、精神運動発達遅滞などが見られることがある。
『治療・予防』
特異的な治療法はなく、症状を和らげる対症療法のみである。
弱毒生ワクチンが実用化され、広く使われている。
1回接種で,95%,2回接種で,99%の免疫が獲得でき,予防できる.
我が国では1977年8月〜1995年3月までは中学生の女子のみが風疹ワクチン定期接種の対象であった。
1994年の予防接種法改正により、
1995年4月からその対象は生後12カ月以上〜90カ月未満(標準は生後12カ月〜36カ月以下)の男女に変更になった。
また経過措置として、12歳以上〜16歳未満の中学生男女についても接種の対象とされた。
学校での集団接種は保護者同伴で医療機関を受診して受ける個別接種に変更となり、
幼児の接種率は比較的高かったが、中学生での接種率は激減した。
これを受けて、2001年11月7日〜2003年9月30日までの期間に限って、
1979年4月2日〜1987年10月1日生まれの男女はいつでも定期接種(経過措置分)として
受けられる制度に変更になったが、
対象者にこの情報は十分に伝わらず、接種率上昇には繋がらなかった。
2006年度からMR(麻疹・風疹)混合ワクチンが定期接種に導入され、
1歳と小学校入学前1年間の幼児(6歳になる年度)の2回接種となった。
また、2007年に10〜20代を中心とした麻疹の全国流行を受けて、
2008年度〜2012年度の時限措置として、
中学1年生(13歳になる年度)あるいは高校3年生相当年齢(18歳になる年度)の者を対象に、
2回目の定期接種が原則MRワクチンで行われることとなった。
2回目の接種機会は、生年月日により、小学校入学前1年間(第2期)、中学1年生(第3期)、高校3年生相当年齢(第4期)の違いがあるが、第4期の接種率は特に大都市圏で低かった。
定期予防接種率の上昇と2回接種制度の効果により小児の抗体保有率は高くなり、2歳以上のHI抗体保有率(HI価8以上)は概ね90%以上であった。
一方、成人では
男性の30代(73〜84%)、
40代(81〜86%)では、
女性(97〜98%)と比較して11〜25ポイント抗体保有率が低かった。
20代は男性90%、女性95%と男性がやや低く、
50歳以上は男性88%、女性89%で男女差はなかった。
妊婦健診でHI価<8(陰性)、8,16の低抗体価の者には、産後早期のワクチン接種が推奨されている。
男女ともがワクチンを受けて、まず風疹の流行を抑制し、
女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが重要である。
感染症法における取り扱い (2018年2月2日現在)
「風しん」は全数報告対象(5類感染症)であり、
診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出なければならない。
「先天性風しん症候群」は全数報告対象(5類感染症)であり、
診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出なければならない。
学校保健安全法における取り扱い (2013年5月1日現在)
風しんは第2種の学校感染症に定められており、
「発しんが消失するまで出席停止」
とされている。
ただし、病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときは、この限りでない。
(国立感染症研究所感染症疫学センターHPより抜粋)
男女ともがワクチンを受けて、まず風疹の流行を抑制し、
女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが重要である。
関東地方(東京,千葉,埼玉,神奈川)及び愛知県を中心にした風疹の流行が続いている。
国立感染症研究所は26日、9月16日までの1週間で新たに127人の患者が報告されたと発表した。
1週間の報告数が100人を超えたのは2週連続。
今年に入ってからの累計は642人となり、昨年の7倍近くに達している。
都道府県別にみると、東京が前週から39人増え196人と最も多かった。次いで千葉161人(前週比38人増)、神奈川68人(同14人増)、埼玉42人(同7人増)と続いた。
関東地方以外では、愛知の36人(同8人増)が目立つ。また、感染が確認されていなかった滋賀と愛媛で新たに2人の報告があった。
首都圏と近畿地方が多いが、急速に全国に感染が拡大している。
報告患者の9割が成人であり、
男性が女性の約3.5倍である。
男性は20〜40代に多く、女性は20代に多い。
風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。
症状は不顕性感染から、
重篤な合併症併発まで幅広く、
臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患である。
発熱、発疹、リンパ節腫脹(ことに耳介後部、後頭部、頚部)が出現するが、
発熱は風疹患者の約半数にみられる程度である。
風疹に伴う最大の問題は、
感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が感染したことにより、
風疹ウイルス感染が胎児におよび、
先天異常を含む様々な症状を呈する先天性風疹症候群が出現することにある。
妊娠中の感染時期により重症度、症状の種類が様々である。
先天異常として発生するものとしては、
先天性心疾患(動脈管開存症が多い)、
難聴、
白内障、
色素性網膜症などが挙げられる。
先天異常以外に新生児期に出現する症状としては、
低出生体重、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、黄疸、間質性肺炎、髄膜脳炎などが挙げられる。
また、進行性風疹全脳炎、糖尿病、精神運動発達遅滞などが見られることがある。
『治療・予防』
特異的な治療法はなく、症状を和らげる対症療法のみである。
弱毒生ワクチンが実用化され、広く使われている。
1回接種で,95%,2回接種で,99%の免疫が獲得でき,予防できる.
我が国では1977年8月〜1995年3月までは中学生の女子のみが風疹ワクチン定期接種の対象であった。
1994年の予防接種法改正により、
1995年4月からその対象は生後12カ月以上〜90カ月未満(標準は生後12カ月〜36カ月以下)の男女に変更になった。
また経過措置として、12歳以上〜16歳未満の中学生男女についても接種の対象とされた。
学校での集団接種は保護者同伴で医療機関を受診して受ける個別接種に変更となり、
幼児の接種率は比較的高かったが、中学生での接種率は激減した。
これを受けて、2001年11月7日〜2003年9月30日までの期間に限って、
1979年4月2日〜1987年10月1日生まれの男女はいつでも定期接種(経過措置分)として
受けられる制度に変更になったが、
対象者にこの情報は十分に伝わらず、接種率上昇には繋がらなかった。
2006年度からMR(麻疹・風疹)混合ワクチンが定期接種に導入され、
1歳と小学校入学前1年間の幼児(6歳になる年度)の2回接種となった。
また、2007年に10〜20代を中心とした麻疹の全国流行を受けて、
2008年度〜2012年度の時限措置として、
中学1年生(13歳になる年度)あるいは高校3年生相当年齢(18歳になる年度)の者を対象に、
2回目の定期接種が原則MRワクチンで行われることとなった。
2回目の接種機会は、生年月日により、小学校入学前1年間(第2期)、中学1年生(第3期)、高校3年生相当年齢(第4期)の違いがあるが、第4期の接種率は特に大都市圏で低かった。
定期予防接種率の上昇と2回接種制度の効果により小児の抗体保有率は高くなり、2歳以上のHI抗体保有率(HI価8以上)は概ね90%以上であった。
一方、成人では
男性の30代(73〜84%)、
40代(81〜86%)では、
女性(97〜98%)と比較して11〜25ポイント抗体保有率が低かった。
20代は男性90%、女性95%と男性がやや低く、
50歳以上は男性88%、女性89%で男女差はなかった。
妊婦健診でHI価<8(陰性)、8,16の低抗体価の者には、産後早期のワクチン接種が推奨されている。
男女ともがワクチンを受けて、まず風疹の流行を抑制し、
女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが重要である。
感染症法における取り扱い (2018年2月2日現在)
「風しん」は全数報告対象(5類感染症)であり、
診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出なければならない。
「先天性風しん症候群」は全数報告対象(5類感染症)であり、
診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出なければならない。
学校保健安全法における取り扱い (2013年5月1日現在)
風しんは第2種の学校感染症に定められており、
「発しんが消失するまで出席停止」
とされている。
ただし、病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときは、この限りでない。
(国立感染症研究所感染症疫学センターHPより抜粋)
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