アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2023年10月25日

夜明けの一番星にVサイン

 専門学校は入学した当時は 教室にいっぱい生徒がいましたが 1学期が終わるころには 半分になっていました。どこかの会社の息子さんが多く 授業中に抜け出しては 茶店で だべってはインベーダーゲームに夢中になって時間をつぶしていました。テストが近ずくと 「ノートをコピーさせてくれ。」とか「教科書のA4の図面をA2の大きさに書き写したのを コピーさせてくれ。」とか よく頼まれました。
 2年目になると 卒業設計というのが 大変で 卒業できない人が多く まわりは ドラフターをもっているので羨ましくおもいました。私はA2の大きさの画板とT定規・三角定規を使って ベンチプレス用のベンチのラックに乗せて ベンチをまたぐように座って 図面をかきました。成人式にも参加できず とにかく卒業できるようにがんばりました。
 風邪をひいて 熱があっても 新聞配達は1日も休みませんでした。そのかわり 学校には行かず寝込んでいました。お陰様で 成績は2番だったたので 卒業式に 成績優秀者で壇上にあがり 賞状をいただきました。服はジャージしかなかったので 仕方ないかと思っていましたが、母親が 無理をして 背広を新調してくれ 卒業式に出るために 姉と一緒に 大阪まで来てくれました。
 いよいよ新聞配達も最後の日になりました。ここ書いていない多くの出来事がありましたが いずれ機会があれば 書きたそうとおもいます。
最後の一軒に新聞をいれると 夜明けがかったそらに キラキラと輝く明星がありました。まるで 映画のワンシーンのようで 思わず Vサインを 突き付けて 「やったぞ!」と 心の中で叫びました。



手から はしがポトリ

 お店の人は 50代くらいのご夫婦と小学3年くらいの男の子がおり 奨学生が3人と従業員のちょっといかついお兄ちゃんで仕事をやっていきます。私は 1年間 新聞配達のバイトをしていたので あまりストレスなくなじむことができました。 
 奨学生の一人は 島根県出身の頭をリーゼントで固めたヤンキーな若者で もう一人は大阪出身の眼鏡をかけた背の低いお兄ちゃんで会計士を目指していていました。 大阪人の特性で 「面白い話をしたろうか。」と言って「犬がおってな 背中も白くて 尾もしろい。どうやおもしろいやろー。」と言って みんなをいつも 楽しませてくれました。
 朝4:00に起きて身支度をして4:30から折込チラシを約150部の新聞に入れ 自転車に積み 1時間半ぐらいで配って お店で朝食を済ませます。それから アパートに戻り 配達用の自転車に30分くらい乗って 専門学校へ行き 午後4:00ごろ帰り 同じところの夕刊を配ります。5:30から明日の折込チラシの準備をして お店で夕飯をたべて 近くの銭湯にいき アパートに戻ると夜の8:00になります。それから12:00ごろまで 勉強をしました。
 眠たくて 配達中 立ったまま何秒か眠ってしまい 手から新聞がポトリと落ちて目が覚めたり 食事中に ウトウトとして 手からはしが落ちたりしました。学校の授業はしっかり聞こうと 教鞭机の真ん前にすわり 黒板をしっかり写しては うつむいてウトウトしていました。







涙の巣立ち

 大阪へは 深夜2時出発の寝台夜行列車で向かいました。駅の近くに喫茶店が開いていて 父と母と姉と店に入って コーヒーを飲みながら
ただ 「元気でね」と言葉少なに会話を交わした後 深夜の誰もいないプラットフォームに家族で行って 列車が来るのをまちました。
 列車が静かに入って来て 「じゃ行って来るね。」と ひとり列車に飛び込みドアが閉まって 家族が見えなくなり ゆっくり走りだしました。その時 窓に母親がしがみつくように追っかけてくるのです。「まさはる・・・まさはる・・・」と声に出しながら。私は 涙で顔がぐちゃぐちゃになりながら 母親の姿を窓にへばりついて見届けました。父も母も 今は いませんが、このことを思い出すたびに涙で目が熱くなります。手相見る人が 「よく親から 離れられたね。」と言われたことがあって この状況が頭に蘇ったのを覚えています。
 3段になって肩幅くらいしかない冷たく硬いベットにうずくまって 止めどとなく流れる涙で眠ることなく ガタガタ揺られながら ようやく
大阪に着いたのでした。
 まだ朝の7時で 10時に○○新聞本社集合までに時間があったので  地下街の本屋さんで時間を過ごしました。さあ これからが本当の出発だと
決意を固めながら 新聞本社の会場に集まり いろいろな説明を聞いて それぞれの任地へ行くことになったのです。


 

でも肉体は 永遠ではない

 充実した いわゆる浪人生活を送っていました。しかし ふと この肉体は 永遠ではないと思うと とても空しくて 正に般若心経の教えのごとくでした。 
 それでも 懸命に筋トレと勉強と新聞配達のバイトをこなしていきました。
筋肉もある程度大きくなると それ以上大きくするには 簡単ではないのです。ボディビルダーになるわけでもなく それを職業にするにはまだまだ難しい世の中でした。ともかく この1年を セルフコントロールすることが目的なので 心の闇は見ないようにしてがんばっていたのです。
 急に体が大きくなると 下着や服がきつくなって ずーと ジャージ姿のままでした。バーベルのウエイトも150キロを使っていたので ある時
胸の上に下げた150キロのバーベルが持ち上がらなくて どーしようと サイドに安全ラックがなかったので 死にそうだったのですが ドーナツ型のウエイトをバーに差し込んだままで固定してなかったので バーをななめにして ウエイトをすべらして落として軽くしたので助かりました。慌てて安全ラックを買ったのをおぼえています。
 そうこうしているうちに 黄金の日々だった1年が過ぎ去り いよいよ大阪へ向かう日が近づいて来た時 母親がぽつりと「おまえも都会に染まっていくんだね。」と呟いた時 『絶対に染まったりしない。』と心に強く言い聞かせたのです。

 


黄金の日々

 普通高校で 卒業して就職しても そんなに思うような仕事などないだろうと思い 専門学校に新聞配達の奨学生を利用して行くことに決めました。親にも金銭的負担なく行けるし 高校の成績も 5段評価で平均4以上あったので 専門学校の試験も推薦入学できるので。そのことを親に話しました。 「ただ1年間 自宅で勉強と筋トレと朝に地元で新聞配達のバイトをしながら 自分で自分をコントロールできるように鍛えてから 来年 大阪の建築の専門学校にいきますので時間をください。」と。
 早速 朝1時間くらい新聞配達をして 朝、昼、夜に2時間の筋トレをして間間に高校の勉強の復習をしました。丁度 大河ドラマで『風は燃えた』というのを放送していて 目立たなかった風みたいな存在の 伊藤博文が明治の獅子として活躍していく内容でした。NHKのドラマでも
『黄金の日々』というのをやっていて 内容はよく覚えていないのですが 黄金の日々って まさに今の自分なのではないかなとおもいました。
なぜなら 筋トレに1日6時間費やして 勉強もしながら 自分で自分をコントロールする 充実した日々だったからです。身長165cmで体重
が83キロに達しました。アーノルド・シュワルツェネッガーと同じ時期に活躍していたフランコ・コロンボのように 身長160cmで体重92キロ
をめざして がんばっていたのです。 


ダンベルとバーベル

 結局 母が父親に口添えしてくれて ブル−ワーカーを買ってもらったのです。とても嬉しかったのですが 父親に溶け込めない自分が
いやだったのを覚えています。
 ブル−ワーカーが届いてから 説明書どうりに 毎日10分程度 運動しました。すると 見る見るうちに筋肉がつきはじめ 鏡を見るのが
楽しくて もっと運動に傾倒していき だんだん物足りなくなっていったのです。
 そして ボディビルという世界を知って どんどん引き込まれていきました。ちょうど あの有名な アーノルドシュワルツェネッガーが活躍していた頃でした。 そういった雑誌をとっていたので 有名な選手のポスターが付録に付いていたので 部屋じゅうに360度貼って楽しんでいました。
 高校生のころには 57キロだった体重が70キロぐらいになり 100キロのバーベルとダンベルのセットを買ってもらいました。
母親が筋肉が付いた私をみて「お前の 優しい顔に似合わない」ともらしていましたが もっともっと筋肉をつけたくて 毎日2時間くらい筋トレに 夢中になってしまい 大学進学を目指していたので 勉強時間のバランスに悩んでいました。部活はもともと大学受験のため 帰宅部(特定の部活に入らないで 授業が終わるとすぐ家に帰ること)だったので 筋トレに2時間も使っていたら 帰宅部の意味がないと思いながらも 筋肉を鍛えることが 楽しくて 面白くて ずるずると 時間が過ぎていきました。
 学校の成績も ぱっとせず 将来 科学者になって いろいろと研究して行きたいと 漠然と思っていたのですが この程度の能力なら この世の中に 五万といて 役に立たないだろうと 感じはじめていました。
 家も裕福ではないので 「家を売ってでも 大学へ行かしてやる。」と母親が言っていましたが 家族が露頭に迷ってまで 大学へ行くなど
私には できませんでした。




 

ファン
検索
<< 2023年10月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
月別アーカイブ
プロフィール
マッチミラーさんの画像
マッチミラー
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。