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2018年01月21日
NHK大河ドラマ「西郷どん」第3回 子どもは国の宝
1月21日、午後8時から、NHK総合1で大河ドラマ「西郷どん」の第3回が放送されました。
このドラマ、1回目からそうですが、島津斉彬を演じる渡辺謙さんと、西郷吉之助を演じる鈴木亮平さんの演技が熱いです。暑苦しいのではなく「熱い」のです。
そして島津斉興を演じる鹿賀丈史さんや、調所広郷を演じる竜雷太さんがベテラン俳優らしい「いい味」を出しています。
この第3回放送では、少年・中村半次郎が登場したり、薩摩藩の御家騒動として有名な「お由羅騒動」が描かれたりで、幕末史に興味がある者には大変面白く視聴できる展開になってきました。
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福山雅治主演NHK大河ドラマ「龍馬伝」 総集編 第3部
2018年01月20日
「必殺仕事人X 風雲竜虎編」第12話「不倫妻、身投げからくり」
1月17日の午前9時からテレ玉(テレビ埼玉)で「時代劇 必殺アワー 必殺仕事人V 風雲竜虎編」の第12話「 不倫妻、身投げからくり」が放送されました。
ストーリーは以下の通りです。
三浦友和さん演じる「かげろうの影太郎」と、かとうかずこさん演じる「お玉」が南京玉すだれの芸を披露している場の近くで、占いと代書屋を開いている浪人夫婦と娘の3人がいました。このとき、お玉が腰を痛めて温泉療養に出ていましたので事件にかかわるのは影太郎だけだったのですが……。
浪人は辻や縁日で大道芸人などにまじって占いを行って生計を立てることに満足していて、そんなささやなな生活も楽しんでいました。娘も同様で、親子仲良く暮らしているように見えました。
ところが、浪人の妻は貧しい生活に不満を持っていまして、夫に対しても「こんな暮らしでいいのですか」「向上心はないのですか」とあからさまに不満を言い罵ります。
八名信夫さん演じる修験者の義覚とその弟子たちが前を通りがかり、浪人に対し、「水難の相」があると言います。ほとんど脅しといっていいものでした。
義覚は無理やり浪人家族を寺に呼び水難よけの祈祷をさせます。
じつは浪人の妻は義覚相手に浮気していたのです。
寺の中で、祈祷の場とは別の室で抱き合う二人。たまたま近くを通りがかった夫(浪人)が妻の不貞を知ってしまいます。激高して義覚ともみあいになります。そして騒動が起きます。
降りしきる雨の中、「男」が寺を飛び出し、川に飛び込みます。そして浪人の水死体があがるのです。
浪人が祈祷の最中に乱心して身投げした、と修験者たちはいい、義覚が言った「水難の相」が的中したのだ、として義覚の法力を宣伝し、信者を修験寺に呼びこみます。
浪人の娘はそれを疑いますが、妻は不倫の事実があるので黙っていようとしますが結局は義覚に対し強硬な態度に出て、娘とともに殺されます。
藤田まことさん演じる主水や、村上弘明さん演じる政、それに影太郎らが真相を突き止め浪人が死んだいきさつも分かります。
そしてお玉も江戸にもどり、仕事人グループが義覚たちをあの世に送ります。
時代劇ではありますが、妻が夫の稼ぎに満足せず不満を言い、お金のために不倫。そのために夫が犠牲になり妻も破滅。なんか、現代でもよくありそうな話です。
夫や娘が現状に満足して生活に喜びを見出しているのに妻は不満タラタラ。挙句の不倫。悪女の典型といえます。
このように、時代劇の中にはなにかしら現代にも通じるものがあります。人間の生き方、親子・夫婦の問題が描かれる以上、ただの昔話ではないのです。
滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第44回「静よ、さらば」
1月18日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の第44回「静よ、さらば」が放送されましょた。
土佐坊昌俊(六平直政さん演じる)の義経館襲撃により、頼朝(中井貴一さん演じる)・義経の対立は、もはや血をみずにはおかないものとなり、義経らの叔父・新宮十郎行家(大杉連さん演じる)は義経を訪れ、たきつけて頼朝相手の大戰を起こそうとする。ついに義経は参内し、「頼朝追討令」を後白河法皇(平幹二朗さん演じる)。
ところが、味方はろくに集まらない。鎌倉の力は圧倒的で、とうていかなわない。
鎌倉の軍勢を迎え撃つほどの武力も無く、少ない軍勢で迎え撃つとしたら京の町に呼び込んでゲリラ戦みたいに戦うしまないのだが、そうなれば京の町を荒廃させることになるのです。
京で育ち、縁者もいる義経は京を愛していました。京で戦うこともできず、人々が平和に暮らす国をつくりたいと思っていた義経は西国へ落ち延びる決意をします。
一方、法皇は頼朝の武力をおそれ、使者として鼓の判官こと平知康(草刈正雄さん演じる)を鎌倉へ派遣し、「追討令を出したのは義経に迫られたからで本意ではない」と言います。
行家は四国へ、義経は九州へ行くこととなり、義経はひそかに後白河法皇のもとへ行き、会います。法皇は義経が自分を拉致しようとしているのでは、と恐れますが、もとより、義経にそんな気はありません。ただの別れの挨拶だと知って法皇はホッと胸をなでおろします。
義経の正室・萌(尾野真千子さん演じる)は義経といつまでも一緒にいたい気持ちがあるものの、結局、別れて関東へ帰ります。
義経は武蔵坊弁慶(松平健さん演じる)、伊勢三郎(南原清隆さん演じる)、駿河次郎(うじきつよしさん演じる)、喜三太(伊藤淳史さん演じる)ら腹心の部下と、愛妾の静(石原さとみさん演じる)とともに京の都を落ち、西国へ海路で行くため、摂津の港へ向かます。
しかし、天候がおかしい。船を出すのは危険でした。
とはいえ、陸路では敵に追い詰められる危険もあり、結局は船に乗ります。
荒れる海に漕ぎ出してからしばらく経つと、波の向こうに何か異様なものがみえました。平知盛(阿部寛さん演じる)の亡霊だったのです。
西国は平家の地。きさまには行かせん。と立ちはだかった知盛の怨霊の、大音量の声とともに嵐がひどくなり、船は難破してしまいます。
浜に打ち上げられた義経や静に討手がかかります。鎌倉の圧力によって「義経追討令」が出されていたのです。
義経主従と静は大和国吉野の金峯山寺へ向かいます。
そこに落ち着いたのも束の間、僧兵たちが義経たちを捕えようとします。「追討令」を出したのは法皇。法皇の真意を知りたくて義経は京へ戻ろうとしますが、里に出るわけにはいきません。
吉野からも逃れて、山伝いに大峯山、熊野へと寒さ厳しい中を落ち延びようとするのでした。
そこで静は、義経様の足手まといになりたくない、と、別れを決意します。自分のために義経が捕まってはいけない、理想を実現させることはできない、そのためには別れなくてはならないのだ、と。
また、大峯山は女人禁制の地でもありました。静が大峯山へ行くことはできなかったのです。
これは義経と静の永遠の別れとなりました。
滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第43回「堀川夜討」
1月17日の午後2時から、CS放送のチャンネル銀河で滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」の43回放送「堀川夜討」が放送されました。
堀川とは、源義経(滝沢秀明さん演じる)の屋敷があった場所の地名です。
兄・頼朝(中井貴一さん演じる)との関係が修復不可能となり、訣別宣言をした義経(もうそのころには頼朝のことを「兄上」ではなく「頼朝」と呼び捨てにしている)の身に危険が迫ります。土佐坊昌俊(六平直政さん演じる)という豪のものが討手として選ばれたのです。
土佐坊昌俊は義経の屋敷の周りをうかがいます。昌俊のことを以前から知っている武蔵坊弁慶(松平健さん演じる)は、昌俊に会います。昌俊が密命を弁慶に明かすはずもなく、無難な会話で終わりますが、弁慶は昌俊が怪しいとにらみます。
そして或る夜、昌俊とその配下が義経の屋敷を襲撃します。夜討です。
弁慶、伊勢三郎(南原清隆さん演じる)、駿河次郎(うじきつよしさん演じる)ら家来たちが奮戦し、義経も自ら戦います。
そこへ義経の正室・萌(尾野真千子さん演じる)も駆けつけ、薙刀を持って戦います。萌は梶原景時と会ったことで義経の家来たちから疑われでいました。家来たちが自分の様子をうかがって、ちょっとした動きにも注目し言葉にも耳を傾けていると感じた萌は義経に相談していたのです。義経は萌のことを全く疑っていませんでしたが。
義経主従は昌俊らを返り討ちにし、昌俊を生け捕りにします。
誰の差し金かと問う義経に、昌は不敵な笑みを浮かべますが、結局は語り始めます。鎌倉で、誰が義経を討つか、となったとき、有力な御家人は誰も名乗りをあげなかった。自分が討手に名乗り出たのは領地が欲しかったからだ。領地が欲しいのは老いた母の為だ、と。
御家人たちは頼朝から領地をもらったり、自分の領地を安堵(保証といってもいい)されたりしてそれを「御恩」として忠誠を誓い、幕府の為に命懸けで働きます(奉公)。「御恩と奉公」です。
御家人たちのほとんどは義経の討手となることをハッキリ拒まなかったとしても、どうしても乗り気にならなかったようです。なぜかというと義経を敵視していなかったからです。
義経の宇治川、一の谷、屋島、壇ノ浦などでの戦場での功績を認め、野心がない(ドラマではそう描かれる)、欲のない人柄を認めていたのです。
「判官びいき」という言葉があります。「ほうがんびいき」とも「はんがんびいき」ともいいます。ここでいう「判官」とは源九郎判官義経のことです。義経が朝廷から「判官」という官位を与えられたために義経は「判官どの」とも呼ばれました。
頼朝に追われてからの義経の悲劇的なあゆみが、それまでの華々しい活躍とはあまりにも対照的であり、権力者・頼朝に対してあまりにも力がなかったために、庶民の同情が集まり、弱い立場の者に同情を寄せる気持ちを「判官びいき」というようになったのです。
義経の物語ができて人々の間に浸透し、日本人の心をうつようになった背景には、義経の生き方だけでなくその後の時代の、足利尊氏と直義の争いや徳川家光と忠長の争いなどがあって、兄弟間の権力闘争をみた庶民が権力者に反感をもちながら義経に同情を寄せる気持ちを強めた、ともいえます。
が、それでも義経の人生の「平家滅亡」までの華々しさとその後の落日の対比がたいへん悲劇的で、ドラマチックなのです。
次の第44回放送では、その義経の悲劇の中でも代表的なエピソードが描かれます。
2018年01月17日
滝沢秀明主演NHK大河ドラマ「義経」第42回「鎌倉の陰謀」
1月16日、午後2時から、CS放送の「チャンネル銀河」で、滝沢秀明さん主演の「義経」(平成17年のNHK大河ドラマ)の第42回「鎌倉の陰謀」が放送されました。
鎌倉入りを許されなかった義経主従は、京の都に戻っていました。
義経は兄・頼朝(中井貴一さん演じる)と分かりあうことを諦め、別の道を行くと、弁慶(松平健さん演じる)ら家来たちにも言って冷戦状態が続きました。鎌倉の頼朝や重臣たちはいよいよ義経を敵視し、義経の領地を取り上げます。
平家滅亡後は、全国の武士の頂点に立つのが頼朝による政権となり、その頼朝の意向を無視して官位や領地を受けることはできないのです。しかし、領地を取り上げられ、収入がなくなった義経を「かわいそうだ」といって後白河法皇(平幹二朗さん演じる)は義経を伊予守に任じ伊予の領地を与えます。
平家との戦いで勝手に(頼朝の許しなく)官位を受けた義経に対して頼朝は怒っているのに、ここでまた勝手に官位を受けたら頼朝の怒りはますばかりです。兄弟の対立はもう修復不能なものとなりました。
頼朝は御家人の梶原景時(中尾彬さん演じる)を「わが父・義朝を供養するための仏具を探してこい」と、そのような名目で京の都に派遣します。
景時は義経に面会します。景時の讒言で義経さまはこのような憂き目にあったのだと思っている弁慶らは色めき立ち、景時に言いたいことを言おうとしますが、義経は止め、冷静に応対します。
また、景時は義経の正室(尾野真千子さん演じる)に会い、それとなく、関東に戻るよう伝えます。義経の正室は鎌倉の有力御家人・河越氏の娘です。
義経を討つことになれば、鎌倉の府と河越氏との間もギクシャクしてしまいますが、河越氏の娘が実家に戻れば遠慮なく義経を討てる、と、そのような企みもあるのです。
しかし、義経の正室はあくまでも義経の妻として、義経とともにいることを選びます。
ずっと京にとどまり、義経や朝廷の様子を探り続ける景時。そうしているうちに、土佐坊昌俊(六平直政さん演じる)という男が義経暗殺に動き出します。
肉親の情を求めながら「政治」というものを理解できず、その政治の非情さのために悲劇的な道を歩んでゆく義経主従と、義経を愛する女たちの哀しい姿が描かれています。
2018年01月16日
「父子鷹」第5話 「春は名のみの…」
1月15日の夜8時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで「父子鷹」の第5話「春は名のみの…」が放送されました。
江戸の町の片隅に「垢離場」と呼ばれる場所がある。そこには貧しき人々が生活していて、夜鷹などもそこで商売していたが、「地上げ」のように人々を追い出して新たな都市計画で自分たちの思い通りになる「うまみ」のある場をつくって甘い汁を吸おうとする者たちがいた。その者たちは奢侈禁止令を利用して夜鷹たちを捕まえ、追い出そうとしていた。
のちに出世して勝海舟となる麟太郎は、蘭学に身を入れ熱心に学んでいたが、禁止令が出て、おおっぴらに学べないでいた。そのため夜間にこっそり外出して蘭学を学んだのだが、妨害を受ける。
麟太郎の父、小吉は気が荒いが曲がった事が大嫌いなため、垢離場を守ろうとして、垢離場の人々の生活の場をなくそうとする連中に立ち向かい大喧嘩する。連中は小吉の息子・麟太郎が禁止令を破ってひそかに蘭学を学んでいることをいいたてる。
蘭学を学んでいる麟太郎は、牢をやぶって逃亡している高野長英の逃亡を助けようとしている。小吉は麟太郎の出世を願っているため、どうすべきか悩む。
長英はどうなるのか? また、追い出されたら生活の場がなくなるという垢離場の人々はどうなるのか?
高野長英を山内としおさん(必殺シリーズでの中村主水の上司の筆頭同心田中を演じた)が演じています。
また、この回では「遠山の金さん」が登場します。「遠山の金さん」こと北町奉行・遠山景元(大出俊さんが演じている)は、実は勝小吉と旧知の仲で、若いころは剣術仲間だった、という設定です。
背中の彫り物は「桜吹雪」ではなく「おんなの生首」だった(こっちが真実だとはよくいわれること)としながらも、そして表むきは法を守ることに厳しい人物として描きながらも、実は人情にあつい「遠山裁き」をドラマ中で描いています。
「龍馬伝 総集編」第2部
1月14日の朝6時から、CS放送の時代劇専門チャンネルでNHK大河ドラマ「龍馬伝」の総集編第2部が放送されました。
今更いうまでもないことですが、平成22年に放送されたNHK大河ドラマで主演は福山雅治さんです。ちなみにこのときの西郷吉之助役は高橋克実さんでした。
幕末という日本史上屈指の激動の時代を生きた若者たちの志と激しい生き方が描かれていますが、総集編でも、坂本龍馬と・龍馬の妻となるおりょうの出会いのシーンや、武市半平太とその妻・富の別れのシーンは印象的でした。
また、この総集編では、番外編的に、放送時間内にドラマで演じた役者さんが物語の舞台を訪れる映像が流れました。その中で、後藤象二郎を演じた青木崇高さんが武市半平太・富夫妻の墓を訪れて感極まってか涙を流す映像がありましたが、やはり熱演した役者さんは登場人物に深く感情移入するのだなと感じ入りました。とくに、後藤象二郎を演じた役者さんが武市半平太の生涯と思いに想いをはせて落涙するのですから感動的でした。
2018年01月15日
NHK大河ドラマ「西郷どん」第2回「立派なお侍」
1月14日、NHK大河ドラマ「西郷どん」の第2回が放送されました。
西郷吉之助は成長し、年貢の取り立てを担当する役人のはしくれとなりました。もちろん、まだまだ身分は低いです。
ある時、貧しさの為に親が借金をつくり、その返済ができないために身売りされそうになる農民の娘と出会います。
その娘を救うために奔走する吉之助。作物の出来が悪く収穫が少ないのに、納めなくてはならない年貢の額が決まっていることと、年貢取り立てを担当する役人の上役が不正を行っていることが原因で農民たちが苦しんでいることは明らかでした。
不正と言うのは、たとえばこういうことです。年貢のコメを納めさせるとき、枡で量を計るのですが、わざと山盛りにしておいて、山盛りぶん全てを農民から取り上げ、枡で計る正確な量だけ藩に報告する。盛ったぶんは落とし、もちろん農民には返さず、自分の懐に入れるぶんとするのです。そうすれば「公」には損がなく、役人は役得で甘い汁を吸えるのです。
だから、農民がいくら苦しんでいても役人は知らん顔。むしろそういう悪しき慣習が続いていたほうがいいと考えるのです。
吉之助は上役に農民の窮状を訴えたいが聞き入れてもらえるはずがありません。
そこで、藩政を大きく動かしている家老・調所広郷(ずしょひろさと)に直接訴えるという、思い切った行動をとります。調所は宮アあおいさん主演の大河ドラマ「篤姫」でも登場した人物で、薩摩藩の財政を立て直した人物でもありますが、かなり強引な政治手法をとったというように描かれています。
吉之助は領民あっての藩である、といい、庶民の立場で考え庶民の生活がたちゆくようにするのは本当の忠義だと、敏腕家老・調所の前でも思い切ったことを言います。そして、徴税のしくみを変えるように提案するのです。
年ごとに、豊作不作の違いがあり、天候不順では凶作となるので、収穫高に関係なくあらかじめ納税額が決まっていては凶作の時に農民が苦しみます。決められた額を納められなければ借金をせざるを得なくなり、返せなければ娘を売るようになります。しかし年貢率を決めて収穫量に応じた額を納めるようにすれば豊作凶作関係なく、農民は苦しまなくていいにではないか、と吉之助は考えたのです。
調所は吉之助の提案を了承します。喜び勇む吉之助ですが、調所は吉之助が去ったあと、「どうせうまくいくまい」と言います。
なぜうまくいかないと考えるのか、そこにどんな障害があるというのか。それは、歴史にちょっとばかり関心がある者や政治にちょっとでも関心がある者だったら想像がつく事なのですが、この時点での吉之助には分かりません。
西郷の税システム改革にたちはだかる障害の一部はすぐにスートーリー上で明らかになります。
それに対して吉之助はどういう行動をとるのか、身売りされそうだった娘はどうなるのか。それも物語(第2回の)終盤であきらかになります。
苦しむもの、弱い立場の為に汗をながし涙を流す。その姿がやがて多くの薩摩人に尊敬される「西郷どん」を生むのでしょう。
2018年01月14日
「必殺仕事人」第6話「主水は葵の紋を斬れるか?」
1月12日の夜10時からBS朝日で「必殺仕事人」の第6話 「主水は葵の紋を斬れるか?」が放送されました。
「必殺仕事人」は必殺シリーズの第15弾で、1979年5月から1981年1月までの期間、全84回という長きにわたって放送された作品です。また、「仕事人」とタイトルにつくのはこの作品からで、「仕事人シリーズ」の中でも特別なものといえるでしょう。
中村主水を演じる藤田まことさんが主役であるのはいうまでもないですが、「かざり職人の秀」として三田村邦彦さんが登場したのもこの「必殺仕事人」で、畷左門役に伊吹五郎さん、仕事人の元締の鹿蔵役に中村鴈治郎さんが演じたり、仕事人の元締の配下として情報収集にあたる半吉役に「笑点」の座布団運びで有名な山田隆夫さんが演じていた李して、おもしろいキャスティングでした。
主人公人気シリーズなので、何度も見ています。
その中でも特に印象に残った回が第6話でした。
目黒祐樹さん演じる松平聖二郎 という男が冒頭から登場します。この男、徳川の血を引き、二人の家来を従えて江戸の町を我が物顔で歩き、「葵の御紋」を振りかざして商家に押し入り無理難題を要求するやら乱暴狼藉し弱い者を泣かすやら、傍若無人の振る舞いで、非道の限りを尽くします。
物語のはじめでも、唐津屋という店に入り傍若無人な行いの極みともいうべき行動をとり、店の者を恐れおののかせますが、そのとき、おそるおそる物陰で様子を見ていた唐津屋の娘に目を付けます。それはまるで血に飢えた獣のような目でした。
ほかの者は外に出よ、と言って家来を使って娘以外を無理やり外に出させ、屋敷内で娘に襲い掛かり「てごめ」にします。身を汚され辱められたことを悲しむ娘は首をくくり、その母も同じく首をくくります。
唐津屋は「仕事人」の元締・鹿蔵に松平聖二郎殺しを依頼します。
しかし、相手は徳川将軍家の家紋である葵の御紋をふりかざす者。将軍家から録を受けている小役人・中村主水にその仕事はできません。
主水も同僚もまた、聖二郎らによって屈辱を味わされますが、葵の御紋の前には、どんな屈辱にも甘んじて耐えなくてはならないのでした。
そんな時、秀や左門の近所に住む「お美代」という美しい娘の輿入れが決まり、花嫁衣裳を左門の妻が仕立てます 。
そのお美代の輿入れ当夜、輿の前にふと現れたのが松平聖二郎とその家来たち。夜更けに街中をゆく輿や行列に興味を持った聖二郎は輿の中をあらためます。白無垢の美しい花嫁を見た聖二郎はお美代をひきずり出して連れ去ろうとします。
当然、行列の者たちもお美代の父も、お美代自身も、おそれおののきながら「おゆるしください」と懇願します。
だが、そんな言葉を聞き入れて素通りさせる聖二郎ではありません。輿入れ当夜にわしに出会った不幸を嘆くのだな、とお美代を連れ去り、「男手一つで育てた一人娘の晴れの日です。どうぞおゆるしを!」と追いすがるお美代の父を斬り捨てます。
お美代は怖さとショックで力なく、男の強引な腕に引っ張られるまま、拉致され、或る小舟の上に倒されます。そして足元に刀を突き付けられ、「手籠め」に遭うのです。そして、関係者たちがようやくお美代を探し当てたときに人々がみたのは変わり果てた姿でした。
聖二郎には尼となった母がいました。はじめ、鹿蔵がその尼を訪れ、悪行をやめるよう諭してくれないかと言ったものの、尼は、私には関係ないとばかりに断りました。それがついにその尼も聖二郎のもとへ出向き、意見を言おうとしますが、聖二郎が聞く耳をもちません。聖二郎は葵の御紋の権威を使って悪行三昧で庶民を苦しめながら、なにやら、おのれの出生を恨んでいるかのようです。
その聖二郎の知らぬところで、幕閣の要人・稲葉が鹿蔵に聖二郎殺害を依頼します。因幡の甥は、稲葉が我が子同然に可愛がっていた若者で、主水の目の前で聖二郎に斬り殺されていたのです。
ついに聖二郎殺しに立ち上がる仕事人たち。そして主水。
徳川将軍家の血を引く者が傍若無人、乱暴狼藉の限りをつくして武士も町人も逆らえず、目にとまった女は犯され、自害して……。その悪行に耐えかねた者が悪玉殺害を決行せんとして、というのは「十三人の刺客」のストーリーのようです。
葵の御紋を振りかざす者が悪行の限りを尽くす、というのは「水戸黄門」や「松平長七郎」などの真逆をゆくものです。権力・権威をふりかざす者はけっして悪行を行ってはならない、というテーマがあるようです。
「婚礼」という人生の一大事の「はれのひ」を汚され父を斬り殺され、よりによって身を汚される、という不幸のどん底に突き落とされるようなことは、これ以上ないというほどの不幸で、視聴者の心をふかくえぐるものです。それだけに、聖二郎が殺されるシーンは留飲をさげるものですが、それまでの聖二郎の悪行の数々はかなりショッキングでした。