2008年10月06日
甲状腺機能低下症(3)見逃されやすい病気の診断・治療
甲状腺機能低下症(3)見逃されやすい病気の診断・治療
◆甲状腺機能低下症の診断:診断は次のように行う。
1.以前に甲状腺の病気したかどうか、前回に述べたような
症状があるかどうかを具体的に聞く(問診)。
1人の患者さんに全ての症状がそろっていることは少なく、
通常はいくつかの症状だけがみられる。
甲状腺機能低下症は徐々に進行することが多いので患者さんは
症状に慣れてしまい、例えば寒がりや体重増加などの症状も
病気が原因と思っていないことが多い。
2.甲状腺を観察したり(視診)、大きさ、硬さや表面の状態を
手で診察する(触診)。
典型的な橋本病では、甲状腺は大きく、全体に硬くて
表面がごつごつしている。
しかし、あまり大きくない場合や萎縮して触診では分からないこともある。
3.上記の診察で甲状腺機能低下が疑われたら採血して甲状腺ホルモン、
脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)や
甲状腺に対する自己抗体などを測定し診断を確定する。
さらに合併症をしらべるために一般の血液検査、
心電図や胸のレントゲン検査なども行う。
甲状腺に腫瘍の合併が疑われる場合は超音波検査が有用だ。
これらの検査はすべて健康保険が使える。
また、痛みや苦痛を伴う検査はない。
◆甲状腺機能低下症の治療:治療は大変簡単で、
甲状腺ホルモンを少量から服用し、効果を見ながら徐々に増加して
各人の適量をきめる。
前回述べた症状や検査の異常は、約1〜2ケ月位で目に見えてよくなる。
例えば、疲れやすさはとれてすっかり元気になり、
肌荒れはなくなり、髪の毛は増え、むくみはとれ、
便秘はなおり、体重は減るなど効果てきめんだ。
時には脳下垂体や副腎の病気が合併していて、
副腎皮質ホルモンも不足している場合がある。
この時には副腎皮質ホルモンを先に1週間くらい服用する。
その後に甲状腺ホルモン少量から併用し、徐々に増量して
維持量(適量)をきめる。
症状に心当たりの方は、内科の内分泌代謝外来か
甲状腺外来で診察を受けるとよいでしょう。
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