2008年09月14日
しゃっくりの取りあえずの治療とは?
しゃっくりの取りあえずの治療とは?
しゃっくりは医学用語では吃逆(きつぎゃく)という。
普段の診療でも、しゃっくり患者がくると、中々止まらず、閉口することが多い。
しゃっくりは横隔膜筋や肋間筋の不随意的な、けいれんと声門閉鎖によって特有な音声を発する現象で、誰でも経験する、ありふれた症状だ。
しゃっくりは大抵は数分〜数時間で消失する。
しゃっくりは暴飲暴食による胃の過伸展、アルコール摂取、過度の喫煙やストレスが原因となっている場合が多い。
まれに、しゃっくりが長時間持続する例があり、48時間以上持続するものを難治性しゃっくりという。
しゃっくりのため、患者は食餌や睡眠が妨げられ、次第に消耗していく。
難治性しゃっくりでは、真面目に原因解明と積極的な治療が必要となる。
しゃっくりでは、まず患者自身が行える簡便な機械的刺激法を試みる。
ついで医師が行う機械的刺激法を試みる。
しゃっくりに、これらが無効な場合に薬物療法をする。
しゃっくりに対する決定的な治療法はなく、効果も個人差があるので、種々の治療法を試みることが大切だ。
最終的には横隔神経や胸部便服外ブロックなど侵襲的な治療をすることもある。
○機械的刺激法で、患者自身が行うしゃっくり療法にでは、下記がある。
・スプーン1〜2杯のグラニュー糖を水なしで飲み込む。
・舌を措で強く引き出す。
・でできるだけ長く、水でうがいをする。
・硬いパンや氷片を飲み込む。
・氷水や大量の水を飲む。
・酢やレモン水などの刺激物を飲む。
・暖かい重曹水を飲む。
・アンモニアやエーテルなど刺激臭のするものを嗅ぐ。
・紙袋を用いる再呼吸法
・不意に背中を叩いたりして驚かせる。
・過換気または逆に息ごらえをする。
・くしゃみや咳をする(鼻にコヨリを入れる)。
息ごらえや大量の冷水で、しゃっくりが止まる人も多い。
○機械的刺激法のうち医師が行う、しゃっくり療法は下記である。
・鼻咽頭をカテーテルで刺激する。
・リドカイン(表面麻酔剤)スブレーを咽頭部に噴霧する。
・頚動脈洞の圧迫。
・眼球を圧迫する。
・胸鎖乳突筋の中央外側部で横隔神経を脊柱に向けて2〜3分圧迫する。
・鼓膜を毛髪で刺激する。
・胃管を用いて胃内容を排出する。
・浣腸が有効な場合もある。