2008年09月05日
強迫性障害とは?
強迫性障害とは?
本物の強迫性障害という程でははいが、
強迫性障害傾向の人は結構いる。
こんな人が外来に来たら、慣れた医者なら直感的に分かる。
しかし、研修初期の医者なら音を上げるに違いない。
こんな強迫性障害になりやすいのは、
持って生まれた性格か、仕付のきびしい環境で育ったことが、
多分に関係しているようだ。
強迫感、恐怖は自信がなくて、
常にくよくよしていて、何をしても安心できず、
自分の精神的能力こ不全感や疑念を抱いていながら、
強情で、完璧欲の強い人に現れやすい。
強迫というのは、「おどかされる」の
脅迫ではなくて、強く迫るということだ。
ある考えとか、感情とか、意向とかが常に頭に迫って来て、
そんな考えや意向は意味もないごとで、邪魔だから抑制し、
追い払おうとしても強いて迫ってきて、どうにもならない。
これを無理に抑制すると不安になってどうにもならず、結局は、
その考えなり意向なりに従ってしまうのである。
話のついでに具体例を書いてみた。
例えば、「詮索強迫症」とは:
頭は上にあって、足が下にあるのはなぜかという考えが常に浮かんできて、
そんなことはどうでもいいことではないか!
こんな考えに取り憑かれるのは意味がないと思っても、
どうしても頭から離れずに、他の仕事も勉強も趣味も
できなくなってしまって、さい悩ませられる。
無理に考えまいとするとかえって、じっとしていられず、
居ても立っても居らなく苦しいので、またその考えを繰り返してしまう。
「不潔恐怖症」とは:
手にバイ菌が付いて、汚いから洗おうという感情が迫ってくる。
十分に洗うと、まだ付いていはしないかと気になり、
また洗わずにはいられない。
また洗っても、まだバイ菌が付いているから
洗わなければならないと思い、また洗う。
こんなことを2時間も3時間も練り返す。
洗わずに我慢すると不安になってジッーとしてはおられない。
「強迫行為症」とは:
学校へ行くときに靴を履くのだが、一度目に履くと
紐がうまく結べていないのではと、心配になる。
また、紐をほどいて最初から結び治す。
何度、靴紐をほどいて結びなおしても、不安が残り、
とうとう学校には遅刻してしまう羽目になるのだ。