2023年10月12日
短編怪談 『朽ちかけの祠』 神社にまつわる話
旦那の話。
現場監督なんだけど、縁あって呼ばれる地域がある。
まぁ、シビアな現場が多いようなんだけど、
必ず工事が始まるまでに家族で挨拶に行く。
お酒まくと、安物のカップ酒なのに
なぜかすごいいい香りが辺りに立ちこめたり、
その日に猛烈に食欲が出て大食いしたり、
色々不思議なこともある。
それはそれで楽しいのでいいんだけど。
その中で工事現場近くに朽ちかけの祠があって、
旦那が気になるらしく、ちょくちょく祠をみに行っていた。
そのまま土に還りそうな勢いだったような荒れ方だけど、
旦那は気に入ったようで、お酒や御菓子供えたり、
ぼーっとしてみたりと、息抜きに見にいってたとか。
あまりちょこちょこ行くので、
そこの土地持ってる人が気にしたらしく、
最近では行くたびに朽ちかけの木の祠が石作りに代わり、
草ぼうぼうが手入れされ、お供え物もされるようになったとか。
面白いのは、その祠が改善されていくたびに、
そこの家がどんどん立派になっていくらしい。
最近はその土地持ちさんの家に隣接して新しい家が建ち、
にぎやかな子どもの声が響くようになって、
賑やかで、栄えてる感じがして非常に微笑ましいそうだ。
土地神さんは大事にすると良いことあるよ、ってお話。
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