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2008年05月13日
●サブプライム問題の現状
《サブプライム問題の現状》

2001年から約6年の間、アメリカは住宅ブームに燃えました。文字通り猫も杓子も持ち家を持つことができたのでした。

たとえ低所得者であって信用度の低い人でも家がほしければ誰でも住宅ローンを組むことができました。都市郊外には雨後のタケノコのように建売住宅が立ち並び新しい入植地ができたのです。多少の通勤時間を我慢すれば誰もが、きれいな空気と広々とした庭付きの新居をモノにできたのです。まさに「アメリカン・ドリーム」の実現といえました。

そして7年の月日がたちました。今、かつてのニュータウンに住民の姿はありません。建売住宅には「For Sale」の看板が立ち並んでいます。

ブッシュ政権の「度の過ぎた」規制緩和に端を発し、土地開発業者も建築業者も規制が甘くなったのをいいことに、不動産業者、また住宅ローン会社と組んで、都市部の低所得者層のプアー・ホワイトといわれる人、黒人、又、ヒスパニックに住宅を売りさばいたのです。

「収入はいずれ上がるから、返済できる」「万が一ローンが払えなくなっても、住宅価格は上がるから売却すればいい」。そんなうたい文句に、自己資金も担保もない低所得者達が、ハイリスクをともなうサブプライムローンに飛びついたのでした。そして投機目的の投資家がそれに追随したのです。

1998年以降、サブプライムで住宅を購入したアメリカ人は600万人といわれます。当時は、サブプライムローンを組んだ人は、購入者の僅か5%に過ぎませんでした。しかし、2008年にはそれが、24%にまで急増したのです。

うたい文句であった「収入が増える」、どころか、アメリカ経済は不況へと進みました。低所得者の収入は増えるどころか、失業者するものすら出てきたのです。当然住宅ローンは滞りまし。そして買った家は徐々に差し押さえられていったのです。08年3月現在、サブプライムで家を買った人のうち220万人もの人が家を失っているという統計もあるほどです。



一方、サブプライムは貸付債権として証券化・分割され、モーゲージ担保証券や、住宅ローン債権担保証券などの金融商品に次々組み込まれていきました。サブプライムの延滞率の急上とともに、これら金融商品の信用リスクも蝕まれていったのです。

07年6月以降、サブプライム運用の失敗が明るみに出、現在に至るまで、米大手証券関係、そして金融業界全体にその影響が出てきました。

米国のサブプライム関連の損失額は、いまや1兆ドルまで拡大するとの見方も出ています。そしてその額は、日本の一般会計予算額(83兆円)に匹敵します

Posted by shu at 17:15 | 金融 | この記事のURL
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