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2017年05月01日

「どうして通分しなければいけないの?」と質問されたら|分数のたし算・ひき算(5年生)

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ここでは、私の小学校教師としての経験を生かした算数指導のポイントをお伝えしています。
算数の教え方で悩むママたちの少しでも役に立てればと思っています。
そして、算数をもっと楽しむお子さんと、おうちの方が増えたらいいなと。
私が思うに、算数が苦手な子はもちろん、誰でも、算数を身近に感じられたら、もっと算数を楽しめるんじゃないかなと考えています。
算数のアンテナはちょっと高くするだけで、算数が身近に溢れていることに気付けるのですが・・・まずはアンテナを高くするきっかけとして、私は本がいいんじゃないかなと思っています。
私のおすすめ
かずの冒険シリーズ 地底編 空編 海編 野山編

算数の絵本はまだまだたくさんありますよ!




「分子も分母もたしてしまう。」


分数の計算で苦労するのはかけ算・わり算よりも、たし算・ひき算です。それは、通分があるからでしょう。



1.答えにくい通分の疑問


通分とは、分数自体の大きさを変えないように工夫しながら分母をそろえることです。通分の手順としては、
➀分母の最小公倍数を考える。
Aそれぞれの分子を何倍すればよいか考える。
B分子、分母を同数でかけ、分母の数をそろえる。

ところが苦手なお子さんにとって、
「なぜ分母をそろえなければいけないのか。」
「なぜ分母はたさないのか。」
このように、疑問に思っているお子さんもいるのではないでしょうか。これを質問されると、なかなか答えにくいですよね。



2.1つ分をそろえることが通分


答えは
「1つ分の大きさをそろえるため」
です。

例えば2人がピザを食べた話をしています。
「わたしは3つ食べたことあるわ。」
「ぼくはいつも1つだよ。」
「じゃあわたしの方がたくさん食べるのね。」
確かに3つの方が多そうですよね。でも話をよく聞くと、わたしは3切れ、ぼくはいつも1枚食べるそうです。それなら1枚の方が多いですよね。ちなみに、
「1枚って、切ったもののいくつ分だっけ?」
「8つ分だよ。」
「じゃあわたしより5つも多いの!?」
このように、1切れに合わせて比べようとする考え方こそが通分なのです。



3.分数でたし算するのは分子だけ


さて、分数を例にして考えていきましょう。例えば、 1/2 + 1/2 = ? の場合、
1/2+1/2=2/4
とするでしょうか。この続き、具体的に説明してみますね。

(ア)
その場合、式を何か丸いもの(りんご、ピザ等)に例え、
「半分と半分をたしてやっぱり半分でいいってこと?(図をかいて説明する。)」
と聞けば、分母同士をたすことにあれっ?となるのではないでしょうか。
(イ)
そこで改めて図を使い、1/2+1/2を考えると、2/2か1となるでしょう。
(ウ)
1と答えた場合は、次に1/3+1/3を考えさせます。もちろん図を使って大丈夫です。
(エ)
1/3+1/3=2/3と答えられるはずです。
(オ)
そこへ、
「じゃあ分数の計算はどうやって計算すればいいの?」
と聞けば、きっと分子同士をたせばいいと答えられると思います。
(イ)で2/2と答えた場合は(オ)へとんで、
「分数の計算はどうやって計算すればいいの?」
と質問するだけでいいと思います。
(カ)
その後、同分母分数の計算をいくつか練習し、自信がつけられれば大丈夫でしょう。

一発で説明しようとしても、残念ながらなかなか理解してもらえないのではないでしょうか。私がおすすめする説明方法は、分母をそろえないとだめなことを教え、だからそろえるんだと説明しています。少し遠回しな説明になるのが弱点ですが、解きながら考えていくと自然と理解してくれていました。
上記のアドバイスのように、順を追ってやってみながら理解していくこともあると思います。その理解の過程をちょっとお手伝いしてあげればきっと分かってもらえるはずです。



4.通分とは何かを考える(2)


でもピザの話には実はまだ問題があるんです。それは、1枚の大きさが同じかどうかは上記の説明だけでは分からないと思いませんか。
もしもぼくのピザは、よくある家庭用の小さいものだとすると…。つまり、8つに分けた1つ分は、ぼくの方が小さかったらどうなるのでしょうか?
さっきまでのピザの話は、同じピザ屋さんを前提にしてるんですね。異なる分母のたし算は、ピザ屋も変わるぐらい複雑でしょう。
教えるときはここまで話さなくてもいいように、説明例を挙げたつもりです。でも、もし実際サイズが違ったらどう比べたらよいか、考えるのおもしろいと思いませんか?中学生の兄弟がいてもちょっと楽しめる話題になるのではないでしょうか。
重さで比べますか?面積で比べますか?面積なら、厚さも加味した体積の方がよいかもしれない…などなど。
ちなみに重さを量って比べることは、やはり通分の考え方と似ています。なぜなら、1つ分を1gにそろええて考えるということだからです。体積も同様です。



5.分数のたし算に必要な力


残念ながら通分は、分数のたし算を計算する一部であって、これができればたし算が解決というわけではありません。
最後に、分数のたし算で確認したいポイント4つを挙げておきます。

 ➀ 通分をする、しないの判断ができる。
 A 分数には、構成する数字が違っても大きさは同じ分数があることの理解。
1/2 = 2/4 = 3/6 = ・・・
 B 分母同士をそのままかけるよりも、小さな数で通分できるときがあることの理解。
△ 3/4 + 1/6 = 18/24 + 4/24
○ 3/4 + 1/6 = 9/12 + 2/12
 C 分数の答えは、大きさが同じならできるだけ小さい数で構成して答えるという約束の理解。
× 1/3 + 1/6 = 3/6
○ 1/3 + 1/6 = 1/2


➀は、分母が同じか異なるかを見るだけなので、判断すること自体は難しくありません。
 ・1/4 + 2/4 通分は必要ない
 ・1/4 + 2/5 通分は必要である
ですが、この章でお伝えしたい、「なぜ分母はそろっていなければならないのか。」ということまで理解できているべきです。
Aは4年生のわり算の性質で学習したことがもとにななります。
Bは5年生で学習する倍数、公倍数、最小公倍数の理解が必要です。
Cは5年生で学習する約数、公約数、最大公約数の理解が必要です。




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4.ママにはゆとりを


自分で教えることを選択したすばらしいママへ。
こうしてお子さんに教えられるのはわずか数年だけなのは間違いないです。
この際、親子の時間として捉え、じっくりと楽しむことをおすすめします。
教えるのに大切なのはゆとりだと思います。
時間にも心にもゆとりがあると、親子の時間はもっと豊かで輝くことでしょう。
このブログは、ママが家事の隙間でも教えられるよう、具体的に、そしてポイントが明確となるよう心がけているつもりです。

そうはいってもゆとりなんか・・・という方には、思いきって外部の力を借りてしまう、こんな手もあるかもしれませんね。



もちろん専門家に任せるのもいいでしょう。こちらに申し込んでいるご家庭の約3分の2が共働きのご家庭だそうです。こちらは忙しいご家庭が多いからこそ、つい任せっぱなしになりがちなところを、お子さんと保護者の方のコミュニケーションを大切にしているようです。



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教材を選ぶのに困っているなら「家庭こそ子どもたちの母校であってほしい」というこちらの理念は、教えるママにぴったりです。教育対話活動という活動で、家庭教育のいろいろな疑問・相談に応える仕組みがあり、バックアップが充実しています。



ママの少しでも手助けになり、お子さんの未来を支援できたら幸いです。
ここだけでは分からないことは、コメントいただければ、一緒に考えたいと思います。

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