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2023年12月23日
愚鈍でもいい。ひたすら前へ。 「一八◯秒の熱量」 山本草介
パンチは弱い。動きは遅い。
年齢は36。大した戦績も
ないB級ボクサー米澤重隆が、引退
リミットの37になるまでの
9ヶ月間で、世界を目指す道のりを
描いたノンフィクション。
’
「人を殴らずに勝つ方法がないか」と
思うほど心優しい米澤は、
ハードすぎる夜勤の仕事をこなしながら、
睡眠時間2時間ぐらいでひたすらトレーニング
を続ける。もちろん身体はボロボロだ。
’
スピードもパンチ力もないため、
相手に近づき、ひたすらボディを打つという
地味なスタイルでしか、戦えない。
そんなボクサーが、奇跡のように勝ち続け
世界戦に近づいていく。
果たして彼の夢はかなうのか。
’
というお話。
これまで散々読んできたボクシング物語だけど、
本作はちょっと違う。
華やかなヒーローでも、壮絶な人生を
賭けた話でもないのに、
愚鈍で不器用な男が、殴られても
殴られても、前へ前へと向かう姿に
胸が熱くなる。
ボクシングシーンの文章もいい。
第52回大宅壮一ノンフィクション賞も納得の
一冊だ。
’
パンチは弱い。動きは遅い。
年齢は36。大した戦績も
ないB級ボクサー米澤重隆が、引退
リミットの37になるまでの
9ヶ月間で、世界を目指す道のりを
描いたノンフィクション。
’
「人を殴らずに勝つ方法がないか」と
思うほど心優しい米澤は、
ハードすぎる夜勤の仕事をこなしながら、
睡眠時間2時間ぐらいでひたすらトレーニング
を続ける。もちろん身体はボロボロだ。
’
スピードもパンチ力もないため、
相手に近づき、ひたすらボディを打つという
地味なスタイルでしか、戦えない。
そんなボクサーが、奇跡のように勝ち続け
世界戦に近づいていく。
果たして彼の夢はかなうのか。
’
というお話。
これまで散々読んできたボクシング物語だけど、
本作はちょっと違う。
華やかなヒーローでも、壮絶な人生を
賭けた話でもないのに、
愚鈍で不器用な男が、殴られても
殴られても、前へ前へと向かう姿に
胸が熱くなる。
ボクシングシーンの文章もいい。
第52回大宅壮一ノンフィクション賞も納得の
一冊だ。
価格:825円 |
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2023年12月17日
生きるのがつらい人へ 「晴天の迷いクジラ」 窪美澄
根が単純な僕でさえ、
睡眠導入剤は欠かせないぐらい
だから、繊細な人はほんとに
生きづらい世の中だと思う。
’
この小説は、そんな方にぜひ読んでほしい。
本作には三人の主人公が登場する。
48歳のデザイン会社社長(女)、
24歳のデザイナー(男)、
16歳の少女。
’
3人ともそれぞれ生き難いほどの深刻な
事情を抱えている。
ある日、この3人が追い詰められて旅に出る。
目的地はクジラが迷い込んだ田舎町。
そこで見つけたものは‥‥。
というお話。
’
窪さんの小説はこれまで何冊も読んで
きたけど、本作が今のところ一番かな。
絶望から始まることが多い彼女の作品だが、
涙が枯れ果てたあとの、小さな希望を
見せてくれる。
’
解説の白石一文も記しているが、
「家族のしんどさ、親子のすれ違い、
夫婦の欺瞞、人間の弱さやずるさ」が
圧倒的なリアリティーで迫ってくる
からこそ、小さな希望が大きな救いとなる。
’
山田風太郎受賞作。
つらい人ほど刺さる一冊だ。
’
価格:737円 |
2023年12月13日
Netflix 「ジョーカー」
Netflix
「ジョーカー」
’
映画館で観て以来だから、
4年ぶりか。
セレクトに悩んだときは
名作を観るに限る。
’
時間が経っても、庶民のイライラは
何も変わっていない。
ジョーカーになってどうしようもない
奴らを殺めたい、という気持ちは
今でも通じる。
’
ご存知、バットマンの悪役の誕生秘話だが、
完全に独立した、オリジナルストーリー。
主役のアーサーの笑い声は、何度聞いても切ない。
’
「ジョーカー」
’
映画館で観て以来だから、
4年ぶりか。
セレクトに悩んだときは
名作を観るに限る。
’
時間が経っても、庶民のイライラは
何も変わっていない。
ジョーカーになってどうしようもない
奴らを殺めたい、という気持ちは
今でも通じる。
’
ご存知、バットマンの悪役の誕生秘話だが、
完全に独立した、オリジナルストーリー。
主役のアーサーの笑い声は、何度聞いても切ない。
’
2023年12月12日
面白すぎる!「人生は喜劇だ 知られざる作家の素顔」 矢崎泰久
伝説の雑誌「話の特集」の編集長が
描き下ろした、一癖も二癖も
ある作家たちの交遊録。
’
「一切の偽善を排除して書き上げることができた。
すべて本音、建前なしである」と著者が
書いてある通り、すごい話のオンパレードだ。
’
五木寛之の変節、大江健三郎の欺瞞、林真理子の通俗、
瀬戸内寂聴の欲望、寺山修司の変態、松本清張の傲慢、
など作家というものがいかに面倒で、我儘で、
面白いかを、時には辛辣に時には慈愛を込めて
描いている。
’
著者は記している。
「人間は滑稽そのものである。(中略)有名人も
ただの庶民も、同じ人間に過ぎない。人さまざま、
人ちょぼちょぼ、人ぼちぼち。笑える存在に過ぎない。
それを明らかにしたい」
’
だからこのタイトルなのだ。
いやー、久しぶりに楽しい読書だった。
人間万歳!
価格:1571円 |
2023年12月11日
Netflix 「終わらない週末」
最近ネトフリも今ひとつ
惹かれるものがなかったけど、
これは面白かった。
’
何かとんでもないことが
起きてることだけを匂わせながら
最後の最後まで引っ張る映像力は
大したものだし、
オチはこれかと思わせながらも
人間結局こんなものにすがって
全てを遮断したいものなのかしれない、と
苦い笑いが残る。
’
コロナ、ハッカー、内乱、情報操作、
偏見、差別、格差、
今地球で起きている様々なことを
感じさせる道具立ても、はっきり描いて
ないだけに想像させられてしまう。
’
物語としては放ったらかしのずるさは
あるが、少なくとも最後まで不穏な気持ちの
まま飽きずに魅せる。
これはこれでいい。
’
2023年12月10日
日曜美術館にて。 「ミス・ブランチ」にため息
2023年12月09日
「女芸人NO1決定戦THE W2023」
エルフの一本目のコント、
面白かったのに。
なんで二本目漫才にしたんやろ。
惜しい。
今、いちばん温まるドラマ 「きのう何食べた?シーズン2」
回を重ねるごとに良くなって
いつもじんわりしてます。
お互いに思い合う二人って
やっぱりいいなぁ。