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高坂圭
フリーランスの放送作家・脚本家、コピーライター として活動し、33年目を迎えました。 最近は、物語プランナーとして、ストーリーの力で ビジネスをアップするクリエイターとしても活動しています。
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2023年12月17日

生きるのがつらい人へ  「晴天の迷いクジラ」 窪美澄


根が単純な僕でさえ、
睡眠導入剤は欠かせないぐらい
だから、繊細な人はほんとに
生きづらい世の中だと思う。

この小説は、そんな方にぜひ読んでほしい。
本作には三人の主人公が登場する。
48歳のデザイン会社社長(女)、
24歳のデザイナー(男)、
16歳の少女。

3人ともそれぞれ生き難いほどの深刻な
事情を抱えている。
ある日、この3人が追い詰められて旅に出る。
目的地はクジラが迷い込んだ田舎町。
そこで見つけたものは‥‥。
というお話。

窪さんの小説はこれまで何冊も読んで
きたけど、本作が今のところ一番かな。
絶望から始まることが多い彼女の作品だが、
涙が枯れ果てたあとの、小さな希望を
見せてくれる。

解説の白石一文も記しているが、
「家族のしんどさ、親子のすれ違い、
夫婦の欺瞞、人間の弱さやずるさ」が
圧倒的なリアリティーで迫ってくる
からこそ、小さな希望が大きな救いとなる。

山田風太郎受賞作。
つらい人ほど刺さる一冊だ。



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感想(1件)





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