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2022年10月12日
Sensys Gatso社の速度違反自動取締装置
今回はマル防ではなく、ちょっと変わった話題。中々興味深いものですよこれは。
徐々にではありますが、本邦にもスウェーデンのSensys Gatso社の速度違反自動取締装置が入ってきつつあります。移動型のMSSSと固定型のSSSの二種類があるようです。また、まだ本邦ではまだ未確認(導入予定とは聞いている)のようですが、車載型も存在します。なお、本邦では沖電気さんが御守りをしているとのことですが、車載型は別の会社さんの御守りのようです。
このような新型の速度違反自動取締装置の導入は、国内大手電機メーカーさんが市場から撤退してしまったこと(サポートも継続できないHシステムも次々と撤去されています)、従来型の追跡式や赤旗で止めてサイン会場にお連れする方式では危険で且つ効率的ではないこと、またスクールゾーンなどで広がるゾーン30(制限速度30km)等の施策もあり、出来るだけリソースを掛けずに取り締まりを実施したい警察側の目論見があるようです。
MSSS(可搬型)
SSS(固定型)
In-Vehicle(車載型)
現行の速度違反自動取締装置にはレーザー方式とレーダー方式、ループコイル方式等がありますが、こちらはレーダー方式です。そして従来のレーダー探知機では警報が出ないということで色々と話題となってます。
余談ながら、Sensys Gatso社は速度違反自動取締装置にはレーザー方式は適していないと考えているそうです。確かに某社のレーザー方式の速度違反自動取締装置は低性能が伝えられています。
管理人としても、果たしてどのような構成、また速度をどのような方法で測定しているのか興味があるところです。
こちらのページを見てみます。
https://www.beamstraffic.com/dss.html
引用元: https://www.beamstraffic.com/dss.html
SSSの内部が見える写真が掲載されています。小さくて見難いですが、真ん中にある黒い円形の物がレーダーモジュール(こちらはRS240というレーダーモジュールのようです)で、その下に一眼レフカメラのようなものが確認できます。このカメラはファームを改修した日本製一眼レフ(Canon又はNikon)でカメラのインターフェイスはUSB接続だそうです。制御は対環境性のLinux PCとのことで、撮影データはSDカードに収められるそうです。まぁ、COTS品のオンパレードですね。なお、海外の固定型では撮影データを3Gや4G回線で、外部へ送信するものもあるとのことです。
このレーダーモジュールはSensys Gatso社製品には速度違反自動取締装置だけでなく他に鉄道関連など広範に使われており、SSSやMSSSに使われているものはRS242と呼ばれているようです。なお、FCCでマニュアルが公開されています。こちらの外部インターフェイスは車でお馴染みのCAN-BUSのようです。
名称の24というのは恐らく周波数でしょう(24GHz帯)。また日本国内で使われているということは、技適を取っている筈なので総務省電波利用ホームページで調べてみました。
https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=jg01_01&PC=005&TC=N&PK=1&FN=355tuv&SN=%94F%8F%D8&LN=12&R1=*****&R2=*****
注目すべきはその周波数と送信出力(空中線電力)です。送信出力(空中線電力)は何と0.0025W です。これじゃレーダー探知機で捉えるのは難しいというのも分かる気がします。所謂、マル防でいうLPI(Low Probability of Intercept)ですね。最初、この内容を見たとき、このレーダーはFM-CW方式なのかなと思いました。確か同じスウェーデンの対艦ミサイルRBS-15のレーダーシーカーもFM-CW方式でしたね。
なお、外見は不格好ながら管理人はこのミサイルを結構高く評価しており、もし世界中で好きなミサイルを5つ挙げよと言われたら、恐らくこのミサイルを入れます(w
引用元: By Swadim - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=82133183
レーダーの方式ですが、先ほどのページの中に以下のような記載があります。
つまり2つの独立した方法で継続的に速度検証を行っていると書かれています。2つの独立した方法とは恐らく、速度測定と距離測定を別個同時に行っているということだと思います。
だとするとレーダーの方式はFM-CW方式ではなく、FCM(Fast-Chirp Modulation)方式が考えられます。というのは、FM-CW方式で速度と距離を算出する際は同じくビート周波数を使って行いますが、FCM方式では距離はビート周波数、速度は位相差を用いていることから、2つの独立した方法と言えると思います。また、FM-CW方式では周波数ペアリングの問題で複数同時ターゲットを追尾補足することは技術的に難しいことを考えると、やはりFCM方式の可能性が高くなります。
最後にこの速度違反自動取締装置の価格なんですが、MSSSはスウェーデン現地価格で7万€程とお聞きしました。まぁ、本邦契約価格だと御守り代も含めて1千数百万円ってところじゃないでしょうか。下手すると億単位と噂される某社さんのHシステムやオービスなどに比べると、大幅に安いと言えます。
徐々にではありますが、本邦にもスウェーデンのSensys Gatso社の速度違反自動取締装置が入ってきつつあります。移動型のMSSSと固定型のSSSの二種類があるようです。また、まだ本邦ではまだ未確認(導入予定とは聞いている)のようですが、車載型も存在します。なお、本邦では沖電気さんが御守りをしているとのことですが、車載型は別の会社さんの御守りのようです。
このような新型の速度違反自動取締装置の導入は、国内大手電機メーカーさんが市場から撤退してしまったこと(サポートも継続できないHシステムも次々と撤去されています)、従来型の追跡式や赤旗で止めてサイン会場にお連れする方式では危険で且つ効率的ではないこと、またスクールゾーンなどで広がるゾーン30(制限速度30km)等の施策もあり、出来るだけリソースを掛けずに取り締まりを実施したい警察側の目論見があるようです。
MSSS(可搬型)
SSS(固定型)
In-Vehicle(車載型)
現行の速度違反自動取締装置にはレーザー方式とレーダー方式、ループコイル方式等がありますが、こちらはレーダー方式です。そして従来のレーダー探知機では警報が出ないということで色々と話題となってます。
余談ながら、Sensys Gatso社は速度違反自動取締装置にはレーザー方式は適していないと考えているそうです。確かに某社のレーザー方式の速度違反自動取締装置は低性能が伝えられています。
管理人としても、果たしてどのような構成、また速度をどのような方法で測定しているのか興味があるところです。
こちらのページを見てみます。
https://www.beamstraffic.com/dss.html
引用元: https://www.beamstraffic.com/dss.html
SSSの内部が見える写真が掲載されています。小さくて見難いですが、真ん中にある黒い円形の物がレーダーモジュール(こちらはRS240というレーダーモジュールのようです)で、その下に一眼レフカメラのようなものが確認できます。このカメラはファームを改修した日本製一眼レフ(Canon又はNikon)でカメラのインターフェイスはUSB接続だそうです。制御は対環境性のLinux PCとのことで、撮影データはSDカードに収められるそうです。まぁ、COTS品のオンパレードですね。なお、海外の固定型では撮影データを3Gや4G回線で、外部へ送信するものもあるとのことです。
このレーダーモジュールはSensys Gatso社製品には速度違反自動取締装置だけでなく他に鉄道関連など広範に使われており、SSSやMSSSに使われているものはRS242と呼ばれているようです。なお、FCCでマニュアルが公開されています。こちらの外部インターフェイスは車でお馴染みのCAN-BUSのようです。
名称の24というのは恐らく周波数でしょう(24GHz帯)。また日本国内で使われているということは、技適を取っている筈なので総務省電波利用ホームページで調べてみました。
https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=jg01_01&PC=005&TC=N&PK=1&FN=355tuv&SN=%94F%8F%D8&LN=12&R1=*****&R2=*****
注目すべきはその周波数と送信出力(空中線電力)です。送信出力(空中線電力)は何と0.0025W です。これじゃレーダー探知機で捉えるのは難しいというのも分かる気がします。所謂、マル防でいうLPI(Low Probability of Intercept)ですね。最初、この内容を見たとき、このレーダーはFM-CW方式なのかなと思いました。確か同じスウェーデンの対艦ミサイルRBS-15のレーダーシーカーもFM-CW方式でしたね。
なお、外見は不格好ながら管理人はこのミサイルを結構高く評価しており、もし世界中で好きなミサイルを5つ挙げよと言われたら、恐らくこのミサイルを入れます(w
引用元: By Swadim - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=82133183
レーダーの方式ですが、先ほどのページの中に以下のような記載があります。
Continuous speed verification by applying two independent methods
引用元: https://www.beamstraffic.com/dss.html
つまり2つの独立した方法で継続的に速度検証を行っていると書かれています。2つの独立した方法とは恐らく、速度測定と距離測定を別個同時に行っているということだと思います。
だとするとレーダーの方式はFM-CW方式ではなく、FCM(Fast-Chirp Modulation)方式が考えられます。というのは、FM-CW方式で速度と距離を算出する際は同じくビート周波数を使って行いますが、FCM方式では距離はビート周波数、速度は位相差を用いていることから、2つの独立した方法と言えると思います。また、FM-CW方式では周波数ペアリングの問題で複数同時ターゲットを追尾補足することは技術的に難しいことを考えると、やはりFCM方式の可能性が高くなります。
最後にこの速度違反自動取締装置の価格なんですが、MSSSはスウェーデン現地価格で7万€程とお聞きしました。まぁ、本邦契約価格だと御守り代も含めて1千数百万円ってところじゃないでしょうか。下手すると億単位と噂される某社さんのHシステムやオービスなどに比べると、大幅に安いと言えます。
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