さらに青虫さんが一匹減り、とうとう青虫さんは残り一匹だけになってしまった。それにて分かったことだが、青虫さんは食べものが一杯ある場所に閉じ込められるよりも、どこか冒険の旅に自由に出られる方が好みみたいだ。たしかにうちの猫らも、一部の部屋に閉じ込められることを一番嫌う。
煮干しの良い匂いで台所にやって来ても、台所の戸を全て閉められたことに気付くと、途端に落ち着きがなくなり、もう煮干しどころじゃなくなり、すぐに出口を探そうとするものなのだ。多分、青虫さんは来春蝶になるサナギになるために、どこか適当な枝を探しに、キャベツ畑から外へと旅に出たのだろうな。