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2015年10月30日

第三章第四節 川島芳子の写真

川島芳子が病死した後も、段連祥はその遺品を丁寧に保管していた。上述したように、我々は段連祥が臨終前に、箱に入っていた川島芳子の遺品の一部を孫娘の張玉に渡したことを紹介した。しかし段連祥が逝去して三年後に、家人は意外にも段連祥が丁寧に保管してきた物品を発見したが、ある物は川島芳子の遺品かどうかは不明であり、ある物は相当貴重な物的証拠であった。

発見の事情はこのようなものであった。段連祥が生前に住んでいたのは団地の2LDKの一室であったが、そこに孫の張継宏とそれぞれ一間を占めていた。彼の居室は門を入って左側に位置し、幅が一メートル近くある隔壁があり、それが窓のコーナーまで続いていたが、その壁に収納棚がおり、中には段連祥の衣服が入っていた。二〇〇四年段連祥が病逝した後、張継宏はずっと祖父の収納棚を動かすことはなかった。二〇〇七年国慶節の長期休暇の際に、張継宏は妻と相談の上、祖父の部屋の壁と収納棚を取り壊して、部屋の面積を広くすることにした。そこで祖父の衣服を整理して、収納棚を取り壊す準備をしていた際に、壁の中にさらに小さな収納棚があることに気がついた。そこを開けると長さ五十センチ、幅三十センチ、高さ二十センチの鉄製の黒色金庫が置かれており、箱の周囲には幾冊かの古本が置かれていた。張継宏は金庫を開けて箱の中に何か《宝物》があるか見ようとしたが、鍵がなかったので開けることができなかった。そこで彼は金庫と古本を隅に置いておき、母親と姉が四平に来たときに渡せるようにしておいた。

二〇〇七年十二月二十三日、張玉の母親段霊雲と父親の張連挙は二人で一緒に四平を訪問し、父親の段連祥の三周忌(二〇〇四年十二月二十四日〜二〇〇七年十二月二十四日)の線香を上げるためにやって来た。四平を離れるときに、張継宏は母親と父親に金庫とその周囲にあった古本を長春に持って帰らせた。張玉はそれを知るとすぐに、《秘密》を明らかにする有力な証拠があるのではと焦る気持ちを抑えて、すぐに工場で溶接工をしたことがある父親に金庫をこじ開けさせた。金庫を開けたときには、大きな音で警報ベルが鳴り響き、これには段連祥が川島芳子の遺品保管に細心の注意を払っていたことを感じさせた。金庫を開けると、中にはいろんな物品が詰め込まれており、張玉は一つ一つ手にとって調べ、それを表に記した。

これらの段連祥が臨終前に張玉に渡せなかった遺品の中には、川島芳子が残した唯一の老年時の写真があった。これは白黒の四寸画の写真で、次のような来歴があった。川島芳子が一九四八年三月二十五日死刑から逃れて、長春市郊外新立城に来た後に、名前を偽り、隠遁生活を送り写真を写すこともなかった。しかし、仏門に入る「帰依証」(居士証)を作成する際に、彼女は已むを得ず戦後唯一の写真(一寸画白黒写真)を撮った。川島芳子が病死した後に、段連祥は彼女の《帰依証》上の一寸白黒写真を取り、記念に残したが、《帰依証》は川島芳子の遺体と共に荼毘に付した。

一九八六年、張玉は高校を卒業すると、芸術美術大学を受験した。学校の要求により、美術専攻の学生は、一幅の油絵の作品を創作して提出しなければならなかった。この時に段連祥は突然、川島芳子の写真を拡大して記念として残すことを思いついた。彼は張玉に川島芳子の白黒写真を元にして方おばあさん(川島芳子)の肖像画を描かせた。そこで、張玉は入学試験のための作品を創作すると同時に、ついでに方おばあさんの白黒写真を元に油絵の肖像画を描いた。段連祥は肖像画をみると、絶賛して「似ている!よく似ている!」と言った。段連祥は張玉が描いたこの川島芳子の白黒の油絵を写真屋に持って行って写真を作成し、これまで封印されていた金庫の中にこの写真を保存していたのである。元になった川島芳子の一寸画の写真は段連祥が彼自身の仏門《帰依証》に挟んでいたので、彼が病逝した際に共に荼毘に付されてしまった。
川島芳子
その他に、段連祥が生前に次男の段続平に預けて保管させていた、方おばあさん(川島芳子)が新立城生活時期に使用していた手回式の蓄音機も張玉が丁寧に保管することになった。
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