Grecoカタログ1980年版Super Real の1ページと2ページの文章: 還暦ッズ研究所

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2020年08月05日

Grecoカタログ1980年版Super Real の1ページと2ページの文章

なにが書いてあるか文字が小さくて見えないという方々の為に文章を写しました!!
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メイプルのアーチドトップ、マホガニーのバック、マホガニーのセットネック、まさにエレクトリックギターの王者ともいうべき完成された美しさを持つEGシリーズ、個性的なサウンドバリェーションを誇るグレコのピックアップと寒冷地で育った最高級のメイプル材を基本にして生み出されるサウンドはギタリストの感覚に生き生きと反応してサスティン豊かな表情を描き出し、選ばれた物だけが出し得る深い味わいを持っています、この豊かな表情を描き出すサウンド、そしてあたかも自分の体の一部となってしまったかのようなそのフィーリングを持つグレコEGシリーズ、これらのモデルの魅力は何といってもオリジナル60sを徹底分析して得たシークレットを余すところなく再現しているところにあり、最終的なサウンドはもちろん、エンドピンひとつにまでグレコの技術をフルに生かしてあります、

ギターの顔というべきヘッドストックはこれまでの黒セル板張りからイメージを一新、上品な風格、色合いに優れたオリジナル通りのメイプル板を使用したスタイルにチェンジ、本物の感覚に溢れ、ギター全体の雰囲気を引き締めています、さらに黒セル板で見られた塗装によるセル板の縮み、あばれなどもメイプル板にする事によりなくなりました、
音質決定に大きな要素を持っているトラスロッドのセット、ここにも私たちはメスを入れました、現在のものとは完全に異なったトラスロッドセッティングを持っているオリジナルは、そのためにアジャストカバーがナットから5mm程上に付いているのです、一見何でもない
ようなアジャストカバーの位置がトラスロッドの位置の微妙な違いを表していた訳で、ここに'60サウンドの大きな秘密があったのです、見てくれだけのデッドコピーを抜けたトラスロッドセッティングはグレコだけのものです

弦をホールドするテールピース、弦の振動をボディに伝えるブリッジ、これらもオリジナルを徹底的に研究して開発したニューパーツです、弦の振動エネルギーを余すところなくボディに伝え、強力なサスティンとバランスの良い豊かな響きをサウンドにプラスしたまぎれもないEGサウンドは、このブリッジ抜きでは語れません、
美しいカーブを持ったボディトップのアーチも立体的に分析しました、寒冷地で育った最高級のメイプルを使用したボディトップは、ブリッジ、ピックアップマウント部がわずかにフラットになっているオリジナル通りのアーチです、
シンプルなルックスのペグもまた見逃すことはできません、オリジナル'60タイプスタンダードモデルと同じ1コブのクルーソンタイプのペグは、そのシンプルな感覚がスモールヘッドストックにジャストフィット、
ヘッドストックのもうひとつの顔にシリアルナンバーがあります、パーフェクトなギターとしてグレコが認めたものだけに与えられるこのシリアルナンバーは、スタンダードモデルから特製インクによる、オリジナルスタンダードと同様のスタンプになっています(カスタムタイプは刻印です)このボディのフィニッシュには、グレコだけの技術であるレモンイエローの目止め剤を使用し、マホガニーバックのチェリーレッド、メイプルトップのサンバーストをより深みのあるスペシャルカラーにしました、

ネックは'60タイプが持っているエッジ部の微妙な肉付けを再現した、演奏性、指の安定性に優れたプロフェッショナルタイプ、ヒールに近づくほどスクエアなフィーリングになりハイポジションでも抜群の安定感が得られ、チョーキング時のホールディングも完璧です、
さらにフレットの形状でサウンドのハーモニクスが変わってくるという点にも注目し、新たにオリジナル'60タイプと同じワイドオーバルタイプのフレットを開発しました、

コントローラー類はこれまでに私たちが得たノウハウを生かし、ボリュームを絞り込んだ際にもハイ落ちがなく、トグルスイッチも確実な動作を約束するニュータイプで、ノブの色にまで気を配りました、

ボリュームには300kΩカーブを使用し、なめらかな音量変化、ハイ落ちのないサウンドを実現、トーンには100kΩDカーブを使用してシャープなトーン変化が得られます、トーンコントロールのコンデンサーにはオリジナル同様のオイルコンデンサーを使用し、この特性である温度による効きの微妙さも再現しました、使い込むほどに味わい深くなるEGならではのポイントです、

コントロールノブの、年代を想わせる渋いカラーも、ボディとマッチしてオールドスタンダードそまものの雰囲気です、また小さなパーツですが、ストラップボタンもオリジナル通りのアルミ削り出しで、ストラップには本革のワイドタイプがベストマッチング、
EGFモデルはトラモクの美しさを生かしたフレイムグレインフィニッシュ、EGスタンダードタイプの最高峰で、サウンドの良さはもちろん、ルックスの点でも強力な演出をする頼もしいステージアクターです、
これらのEGサウンドの命であるピックアップにはグレコの誇る強力なラインアップシリーズをマウント、バランスの良い充実したサウンドが特徴です、そしてリアピックアップはオリジナル'60年タイプと同じ特殊なマウント、つまりピックアップの1弦側だけをブリッジの方に1mm程近づけるというスペシャルセッティングにしてあり、独特なオールドサウンドを見事に蘇らせています、

1980年のカタログなのですが、当時は文章よりもギターの写真と値段だけに目がいきましたが改めて読んでみると、グレコの執念は凄いですね、どこまでも執拗に観察、計測、執着したのかが分かる文章であります、こうした工程があるからこそジャパン・ビンテージと呼ばれるギターになったのですね、驚きました、頭が下がりました、