主役を頂き、8月から稽古に参加していましたが、秋に予定していた外部舞台出演を降板した事をご報告いたします。
蓋を開けてみると舞台未経験の一般の方が多く、週二回の稽古の集まりも悪く休みになる事も多く、制作も辞めてしまい、これでは安心してお客様を呼べないのでいくつか改善策を訴えましたが受け入れて頂けませんでした。
楽しみにしていた皆様、申し訳ございません。
芝居作りには様々な方法があり、演劇に対する考え方が様々あるのは認めますが、僕は自分を応援して下さるお客様に演技未経験の方が数回稽古しただけの芝居や基礎を学ばず趣味の延長でやっているような芝居を自分が主役であったとしても4000円で見せることは出来ません。普通なら気にせず呼んで終演後謝ったり、「最初はみんな初心者ですから…」などと最もらしい事を言うのでしょうが、僕には出来ません。
演劇とは簡単なものではなく、ちょっとやってみたいからやるものではないと思うのです。
趣味の発表会で無料で見せるなら結構ですが、有料で当人の客以外も観に来る場合にはある程度のやる気、演技力が必要だと思います。
私は演劇ほど難しいものはないと考えており、その演技力はちょっと稽古に参加しただけで身につくものではありません。
その方々の演技を観て痛感しましたが、本を読み様々な舞台を観て日々勉強していないと演技は出来ません。(自分のセリフに出てくる人名、土地を調べていない方、原作も読んでいない方もいて大変驚きました。)
そして演劇は運命共同体で出演者、スタッフ全員で創り上げて公演本番に臨むものです。
いつ全員集まるかも教えてもらえず、降板をかけて最低限の事を訴えましたが、この結果にいたりました。
外部出演の度に思う事ですが、今回はいつも以上に民藝の良さ、有り難さを痛感しました。
そして天国の先輩から「劇団でやりなさい」と言われているような気もしました。
旅公演先で勉強発表会をやったり、忘年会で歌ったり落語をやったりした結果、「外でやって大きくなって劇団に戻ろう。」と思い色々やっている現在なのですが、劇団でやる事も並行して考えるべきだと思いました。
(週二回でもしっかり望めば稽古は成り立ち、その方が視界が狭くならないと分かったのは収穫でした。)
今回、しっかり団体を確認し吟味し、外部出演届けを提出しなかった事を深く反省し、暫くの間活動を自粛いたします。
(決まっている今月のよみうりランドは出演させて頂きます。)
今後とも応援の程、宜しくお願い申し上げます。
梶野稔