2019年12月31日
12月31日のFX自動売買 M と W
新型ポルシェ911 カレラ4S
■コクピットはデジタル体験、そして右ハンドル
新しい911は、その扉を開く瞬間から超高性能車であることを意識させます。
空力性能改善のため、ドアハンドルが普段は格納されていて、開錠されてドアを操作するシーンでだけフラップがせり出してくる仕組みになっています。開いたドアの下部に、側面衝突の際にボディと噛み合ってドアの侵入を防ぐストライカーが設けられたのも新しい試みです。
コクピットにはさまざまなインジケーターやスイッチが備わり、操作のすべてをマスターするには時間がかかりそうだ。スポーツクロノパッケージ搭載車にはステアリング右下のロータリースイッチで走行モードを選ぶことができ、これがなかなか便利だ。
当たり前のように右ハンドルであることには時代の流れを感じましたが、アクセルペダルこそ若干左へオフセットしているものの、ステアリングポストはドライバーのほぼ正面に位置しており、正しい姿勢でドライブすることが可能です。
試乗車のシートはオプションで前後調整もステアリングコラム調整も電動式とされ、細かく運転姿勢を調節することができます。標準仕様は重量に配慮して、バックレストの傾きとシートの高さのみ電動で調節可能です。
センターコンソールは991時代よりさらに存在を主張するようになった。シフトノブは前に倒してリバース、手前に引いてドライブ。
右手を伸ばした位置にあるメインスイッチを捻ると、バランと勇ましい始動音とともに、コクピットを取り巻くディスプレーの数々が一斉に灯ってメッセージを投げかけてきます。
エンジン水温、電圧、ブースト圧、コンパスなど多数の情報を表示するオンボード・コンピューターやスポーツクロノ パッケージ、それにアダプティブ クルーズコントロールや車線維持機能なども加わって、走らせる前にしなければならない仕事の量に圧倒される気分ですが、こうした多彩な機能をもれなく使いこなせる「techy」な人こそが、現代のスーパースポーツカーのオーナーにふさわしいのかもしれません。
■スポーツサルーンのような快適さ
ステアリングホイール右下の回転式スイッチで操作できるドライビング設定でノーマルモードを選択し、東京の街へ。
「滑り出す」という表現がふさわしいほど、可変ダンパーPASMを介した乗り心地はスムーズ。ロードノイズはそれなりに伝わるものの、大きなタイヤ/ホイールが路面に跳ね上げられる気配とは無縁です。
フロントには例によって132Lと大きな容量を持つラゲッジスペースが。この容量は4WDでも2WDでも変わらないという。
8速になったPDKのシフトショックもほぼ皆無、ノーマルモードで走らせている限りでは2000rpm以下を保って穏やかに流すので、まるでメルセデスAMGかBMW Mの高性能サルーンを走らせているような感覚です。
電動パワーステアリングのタッチは非常にスムーズである一方、目地段差のような強い入力で瞬間的にタイヤが跳ねる挙動を見せるとき、サスペンションのアラインメントが従来から大きく変わらないせいでしょう、リアタイヤの動き方が記憶にある911の通りであることに、オールドファンとしては嬉しくなります。
いつものコースにあるダブルレーンチェンジを試すと、まったく姿勢を崩すことなくピタリピタリと直進姿勢に戻ります。まるでドライバーの操作を予測しているようなその仕草に、4輪操舵システムが貢献しているのは間違いありません。
サスペンション、アイドリングストップ、排気システム、リアスポイラーの作動設定を走行モードごとに設定することが可能。
■強烈なパワーと巌のような高速安定性
続いて992のパワーとフットワークを味わうため、高速道路に乗り入れてみましょう。
ランプの上りの加速から、ターボ過給されたフラットシックスは目の覚めるようなパワーを発生します。3000rpmではブーストが高まるまでやや時間を要しますが、4000rpmを超えれば観察する隙さえ与えない、堰を切ったような一触即発のレスポンス。
7500rpmのレブリミットまで、回転上昇を押し止めるのが難しいくらい激しい吹け方は少しも衰えを見せませんが、カレラ4Sの4WDシステムは、450psの強大なパワーを少しも逃さず前進する力に換えていきます。
リアに搭載される450psのエンジンは空気抜きのファンとリアウィングに覆われて、少しも顔を覗かせない。
エンジンのサウンドはジャーンという、これまでの911ターボを思わせる賑やかなもの。スポーツプラスモードを選んでいれば、ブレーキングに合わせてPDKがパワーバンドを外さないギアを選んでくれるほか、スポーツエグゾートシステム、リアウィング、アイドリングストップやサスペンションのセッティングを最適に設定してくれます。
強い加速でフロントをわずかに浮かせる姿勢を示すカレラ4S。ローンチコントロールを作動させれば発進から100km/hへの所要時間はわずか3.4秒だ。
そしてこの992で最も印象的だったのは、試せる範囲でスピードを高めてみた際の、巌のような直進安定性でした。
ボディを天井から何かが押さえつけているような、べったり路面にへばりつく感触が、ステアリングを通じてじわりと伝わってきます。この日本では一部特別扱いの道路でも最高速度120km/hと定められ、200km/hを超える高速を長時間保つ機会は決して訪れませんが、アウトバーンを擁するポルシェの母国ドイツでは、高速安定性=時間の節約+安全の保証なのです。
空力性能とサスペンション性能とタイヤを含む駆動系の実力が一体となった、この高速安定性こそは新型911カレラ4Sが極めようとしたゴールに相違ありません。
■4Sは、ほとんど“ターボ”
いっぽうで、たとえばごく普通に町中を流していてスッとステアリングを切るようなとき、1610kgに及ぶ車重を意識する機会がないではないな、と思いました。多くの部分に電子制御を盛り込んだ先進スポーツカーゆえ、速く走らせるようなシーンでそれ相応の運転作業をしていれば俊敏に反応してくれるものの、日頃の所作には重さを感じてしまうのです。
ポルシェの意図としては、軽さを味わいたいならケイマン/ボクスターを、911ならではの特性と軽さを両立させたいという贅沢な願いにはいずれ現れるGT3を薦める、ということなのでしょう。賛否あるかもしれませんが、今回のタイプ992の試乗では、ポルシェがまた新しい領域へ911を進めようとしていることが理解できました。
古典的なプロポーションを保ちつつ、着実に進化するディテールが道行く人の視線を惹き付ける。
最後に装備と燃費の話をしましょう。
オプションのアダプティブ クルーズ コントロールは、的確に前走者との距離を保って、渋滞では停止まで制御してくれました。アイドリングストップが働いた際、始動のたびにジャン!とエンジンが吠えることには評価が分かれるかもしれません。
レーンキープアシストの作動は比較的控えめで、大きく車線を逸れる状況ではアシストを中断する設定です。
469kmの総平均燃費は7.5km/L、いつもの周回コースが8.5km/Lでした。いつものコースでの値は、エンジン排気量と車重が近いZ4(8.1km/L)に近い水準となりました。アイドリングストップと、8速100km/h=1400rpmとエンジン速度を抑えるPDKの設定が奏功しているのでしょう、ところどころスロットル全開でこの数字なら悪くはないな、と思います。
by clicccar.com(クリッカー) (花嶋言成)
輸入車でリッター7.5キロ走ればいいですね。
こんなに高性能なクルマなのに。
ポルシェは故障が少ないところも良いです。
国産車感覚で維持できます。
さて、わたしが
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