2020年06月07日
『箱の中』木原音瀬の獄中ボーイズラブ小説の感想レビュー
▼アマゾンkindle
今回は木原音瀬の『箱の中』をご紹介します。
タイトルの『箱の中』とは、刑務所の中のこと。
刑務所を舞台にしたボーイズラブ小説です。
昔『ダ・ヴィンチ』でBL界の芥川賞と言われた作品。
kindle版には、本編「箱の中」の他、番外編「脆弱な詐欺師」と
続編「檻の外」の合計3編を収録しています。
ちなみに、今アマゾンでkindle版がお得になってます!
ポイント還元率50%です!!
堂野崇文は、駅で痴漢と間違われ、逮捕される。
全く身に覚えのない堂野は無罪を主張するが、信じてもらえず
結局裁判で負けてしまう。そして、
一貫して無実を主張し続ける堂野に対し裁判長は
「反省の色がない」として2年の実刑をいいわたす。
監獄の雑居房での生活は厳しい規律とプライバシーのない毎日で
真面目で大人しい性格の堂野を追い詰めていった。
次第に「死にたい」と思うようになる堂野。
ある日の夜中、精神が錯乱していく中でつい「助けて」と口走る。
すると、同房の喜多川にそっと頭を撫でられた。
その手のぬくもりに少し救われた気がした堂野は、次の日
喜多川に礼を言う。しかし、喜多川から返ってきたのは
「どうして俺にありがとうって言うの?」
という返事だった‥‥。
年下攻め。一途な喜多川 × 優柔不断な堂野。
喜多川は、ずっと母親から虐待されていたため、
一部感情が欠落しているようなことろのある人です。
無口でほとんどしゃべらず、自分から他人と関わろうとしないタイプ。
最初は取っつきにくく、どこか底知れない気味悪さを感じます。
でも、読んでいくうちに、
喜多川の心の内側にある純粋さにはっと驚かされます。
一方、堂野はふらふらと周囲の状況に流されるヘタレ。
流され流されて一体どこまでいくんやーー?!と不安になります。
でも、こういう悪気のない流され星人って結構いるかも(^_^;)。
柴田よしきの麻生シリーズの麻生にちょっと似てない?
まあ、麻生の場合は、しっかりもののビッチな練ちゃんが
パートナーだからまあ良いけど(良くない?www)
喜多川は赤ちゃんみたいな人やから、なんか可哀想ーー( ;∀;)。
ふびんーーー!!!
あ、でもそんな堂野だからこそ、変わらない一途な思いを
持ち続けることができる喜多川に惹かれたのかもね。
【あらすじ】
「脆弱な詐欺師」は、出所してから5年後の喜多川を描いた短編。
必死で堂野を探す喜多川は、自力で探すことに限界を感じ、探偵に堂野探しを依頼。
そのための費用を昼夜働くことで捻出するが、体を壊してしまう。
ところが、それだけ頑張って働いても、探偵である大江は金を受けとるだけで
堂野探しをするつもりはなかった‥‥。
【感想レビュー】
「脆弱な詐欺師」は、大江からの視点で書かれた小説です。
懸命に堂野を探す喜多川が痛々しい(T-T)
塀の中であったことは、特殊な環境故のことで、
塀の外ではまた状況が違ってくる‥‥
というのが喜多川には分からない( ;∀;)
そんな唯一無二の飼い主を慕うワンコのような一途さ‥‥
いやワンコというよりもヒナの「刷り込み」に近いかな。
ヒナが初めて目にしたものをひたすら追いかけるように
堂野を追い続ける喜多川。
なんかもう、いたたまれません〜(T-T)
誰かなんとかしたってや〜〜〜!
ということで、この話の続きは、続編『塀の外』に繋がっていきます。
【あらすじ】
出所から5年後、やっと堂野を見つけた喜多川は、堂野の近所に引っ越してくる。
再会は嬉しいが、複雑な心境の堂野。
堂野には妻子がいたのだ。
「あんたに家族がいたって、近くにいるぐらいいいだろ。
同じ雨の降っている場所にいるんだって思うぐらいいいだろ。」
喜多川の言葉に胸を揺さぶられながらも、堂野は少し怖くなった。
喜多川の思いは今の自分には重すぎる。
二人がお互いに納得できる距離感を手探りしている時、
堂野の子どもが行方不明になった‥‥。
【感想レビュー】
「檻の外」は、サスペンス小説になっています。
子どもの失踪。容疑者の捜査。
人間のえげつない悪意がストレートに表現されている部分もあるので
気楽に読むことはできません。
ネットのレビューを見ると、賛否両論になってるみたいです。
子供の失踪とかが地雷な方はやめた方が良いかも。
ちなみに、紙の書籍の『檻の外』には、「檻の外」の他
「雨の日」「なつやすみ」も収録されています。
そちらも読みたい方は、紙の書籍をどうぞ。
「雨の日」「なつやすみ」は、「檻の外」の後の
主人公二人の穏やかな生活を描いた短編です。
「雨の日」は花火を見に行くために二人で浴衣を買いに行く物語。
「なつやすみ」は、小学3年生になった堂野の戸籍上の子どもが
46歳の堂野と44歳の喜多川を訪ねてくることから始まって、
その後約10年位の間のストーリー。
「檻の外」が辛い内容だったので、「雨の日」と「なつやすみ」に救われます。
幸せそうな喜多川の姿が見られますよ。
「雨の日」は、20ページ、「なつやすみ」は90ページほどの商品ですが
「檻の外」を読んで疲れた心に癒し効果抜群です!
▼紙の書籍『檻の外』
kindle版には、「雨の日」「なつやすみ」は収録されていませんので
ご注意下さい。
「箱の中」は、刑務所を舞台にした、重めのボーイズラブ小説です。
「箱の中」「脆弱な詐欺師」「檻の外」を収録しています。
軽い気持ちでさくっと読める作品ではないですが、
ピュアでまっすぐな愛に触れることができます。
ちなみに、今アマゾンでkindle版がお得になってます!
ポイント還元率50%です!!
このチャンスにいかがでしょうか?
【アマゾン】
kindle版「箱の中」 【講談社版】 (講談社文庫)
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檻の外 (Holly NOVELS)
【楽天】
最後まで読んでいただきありがとうございました(*^▽^*)
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今回は木原音瀬の『箱の中』をご紹介します。
タイトルの『箱の中』とは、刑務所の中のこと。
刑務所を舞台にしたボーイズラブ小説です。
昔『ダ・ヴィンチ』でBL界の芥川賞と言われた作品。
kindle版には、本編「箱の中」の他、番外編「脆弱な詐欺師」と
続編「檻の外」の合計3編を収録しています。
ちなみに、今アマゾンでkindle版がお得になってます!
ポイント還元率50%です!!
あらすじ
堂野崇文は、駅で痴漢と間違われ、逮捕される。
全く身に覚えのない堂野は無罪を主張するが、信じてもらえず
結局裁判で負けてしまう。そして、
一貫して無実を主張し続ける堂野に対し裁判長は
「反省の色がない」として2年の実刑をいいわたす。
監獄の雑居房での生活は厳しい規律とプライバシーのない毎日で
真面目で大人しい性格の堂野を追い詰めていった。
次第に「死にたい」と思うようになる堂野。
ある日の夜中、精神が錯乱していく中でつい「助けて」と口走る。
すると、同房の喜多川にそっと頭を撫でられた。
その手のぬくもりに少し救われた気がした堂野は、次の日
喜多川に礼を言う。しかし、喜多川から返ってきたのは
「どうして俺にありがとうって言うの?」
という返事だった‥‥。
主人公カプは、
殺人罪で服役中の無口な受刑者 × 冤罪ヘタレ受刑者
殺人罪で服役中の無口な受刑者 × 冤罪ヘタレ受刑者
年下攻め。一途な喜多川 × 優柔不断な堂野。
喜多川は、ずっと母親から虐待されていたため、
一部感情が欠落しているようなことろのある人です。
無口でほとんどしゃべらず、自分から他人と関わろうとしないタイプ。
最初は取っつきにくく、どこか底知れない気味悪さを感じます。
でも、読んでいくうちに、
喜多川の心の内側にある純粋さにはっと驚かされます。
一方、堂野はふらふらと周囲の状況に流されるヘタレ。
流され流されて一体どこまでいくんやーー?!と不安になります。
でも、こういう悪気のない流され星人って結構いるかも(^_^;)。
柴田よしきの麻生シリーズの麻生にちょっと似てない?
まあ、麻生の場合は、しっかりもののビッチな練ちゃんが
パートナーだからまあ良いけど(良くない?www)
喜多川は赤ちゃんみたいな人やから、なんか可哀想ーー( ;∀;)。
ふびんーーー!!!
あ、でもそんな堂野だからこそ、変わらない一途な思いを
持ち続けることができる喜多川に惹かれたのかもね。
同時収録「脆弱な詐欺師」
【あらすじ】
「脆弱な詐欺師」は、出所してから5年後の喜多川を描いた短編。
必死で堂野を探す喜多川は、自力で探すことに限界を感じ、探偵に堂野探しを依頼。
そのための費用を昼夜働くことで捻出するが、体を壊してしまう。
ところが、それだけ頑張って働いても、探偵である大江は金を受けとるだけで
堂野探しをするつもりはなかった‥‥。
【感想レビュー】
「脆弱な詐欺師」は、大江からの視点で書かれた小説です。
懸命に堂野を探す喜多川が痛々しい(T-T)
塀の中であったことは、特殊な環境故のことで、
塀の外ではまた状況が違ってくる‥‥
というのが喜多川には分からない( ;∀;)
そんな唯一無二の飼い主を慕うワンコのような一途さ‥‥
いやワンコというよりもヒナの「刷り込み」に近いかな。
ヒナが初めて目にしたものをひたすら追いかけるように
堂野を追い続ける喜多川。
なんかもう、いたたまれません〜(T-T)
誰かなんとかしたってや〜〜〜!
ということで、この話の続きは、続編『塀の外』に繋がっていきます。
続編「檻の外」
【あらすじ】
出所から5年後、やっと堂野を見つけた喜多川は、堂野の近所に引っ越してくる。
再会は嬉しいが、複雑な心境の堂野。
堂野には妻子がいたのだ。
「あんたに家族がいたって、近くにいるぐらいいいだろ。
同じ雨の降っている場所にいるんだって思うぐらいいいだろ。」
喜多川の言葉に胸を揺さぶられながらも、堂野は少し怖くなった。
喜多川の思いは今の自分には重すぎる。
二人がお互いに納得できる距離感を手探りしている時、
堂野の子どもが行方不明になった‥‥。
【感想レビュー】
「檻の外」は、サスペンス小説になっています。
子どもの失踪。容疑者の捜査。
人間のえげつない悪意がストレートに表現されている部分もあるので
気楽に読むことはできません。
ネットのレビューを見ると、賛否両論になってるみたいです。
子供の失踪とかが地雷な方はやめた方が良いかも。
ちなみに、紙の書籍の『檻の外』には、「檻の外」の他
「雨の日」「なつやすみ」も収録されています。
そちらも読みたい方は、紙の書籍をどうぞ。
「雨の日」「なつやすみ」は、「檻の外」の後の
主人公二人の穏やかな生活を描いた短編です。
「雨の日」は花火を見に行くために二人で浴衣を買いに行く物語。
「なつやすみ」は、小学3年生になった堂野の戸籍上の子どもが
46歳の堂野と44歳の喜多川を訪ねてくることから始まって、
その後約10年位の間のストーリー。
「檻の外」が辛い内容だったので、「雨の日」と「なつやすみ」に救われます。
幸せそうな喜多川の姿が見られますよ。
「雨の日」は、20ページ、「なつやすみ」は90ページほどの商品ですが
「檻の外」を読んで疲れた心に癒し効果抜群です!
▼紙の書籍『檻の外』
kindle版には、「雨の日」「なつやすみ」は収録されていませんので
ご注意下さい。
ま と め
「箱の中」は、刑務所を舞台にした、重めのボーイズラブ小説です。
「箱の中」「脆弱な詐欺師」「檻の外」を収録しています。
軽い気持ちでさくっと読める作品ではないですが、
ピュアでまっすぐな愛に触れることができます。
ちなみに、今アマゾンでkindle版がお得になってます!
ポイント還元率50%です!!
このチャンスにいかがでしょうか?
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kindle版「箱の中」 【講談社版】 (講談社文庫)
「箱の中」 (講談社文庫)
檻の外 (Holly NOVELS)
【楽天】
感想(4件)
感想(1件)
最後まで読んでいただきありがとうございました(*^▽^*)
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