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マフィン
活字中毒。 ホラー、ミステリー、サスペンスの傑作小説や映画、テレビドラマをご紹介します。好きな作家はスティーヴン・キング、クライヴ・バーカー、トマス・ハリスなど。ご紹介するのは同性愛を扱ったものが多いです。腐女子。
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2020年03月27日

『牛泥棒』木原音瀬の明治時代の主従ものボーイズラブの感想

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木原音瀬2007年発行『牛泥棒』をご紹介します。

本のタイトルは全然ボーイズラブっぽくないですが、

妖怪や物の怪が登場するボーイズラブ小説ですw

時代は明治初頭、人にとって妖怪が身近な存在だった頃の物語です。

レトロで和風なしっとりしたテイストが楽しめます。

本編「牛泥棒」の他、番外編「古山茶」「笹魚」の2編を収録しています。


あらすじ


明治初期、まだ人と妖怪がごく身近に暮らしていた頃、

田舎の造り酒屋の6歳の息子、亮一郎が危篤になった。

酒屋の使用人の子、徳馬は屋敷の屋根の上に白い蛇を見つける。

その白蛇は人の命を食らう妖怪であった。

なすすべもない徳馬であったが、亮一郎の母が身代わりになることで

亮一郎は一命をとりとめる。

やがて、長じて大学の助手となった亮一郎は

徳馬とともに田舎を出て東京で暮らしていた。

子供の頃から徳馬と共に育ち、

徳馬がいないと身の回りのこともままならない亮一郎。

亮一郎にとって、徳馬はずっと自分の側にいて当然の存在だった。

しかしある日の夜、徳馬から突然暇乞いの申し出があった。


主人公カプは、我が儘なお坊っちゃま × 口のきけない控え目な使用人


ジャンルということで言うと、主従ものになるのかな。

とにもかくにも、いつも控え目で従順な徳馬がメチャクチャいじらしいんです。

で、ですね、ぶっちゃけ

この作品の中で一番心を鷲掴みにされたのは、

徳馬のふんどし事情でしたね(爆)。

ネタバレしたくないので、詳細は伏せますが、

「徳馬のふんどしが全部持っていった」

と言っても過言ではありませんのよ(笑)



妖怪と共に暮らす豊かな世界観


作品の中では、妖怪たちは目に見えないだけで普通に人と一緒に暮らしています。

徳馬だけはいわゆる「見える」人で、自分の手の中に鬼を飼っています。

妖怪は時に人の道案内をしたりして、お互いに協力関係にあるときもあるんですが

でも一方で、人の命を食らう妖怪もいる…

そんな色々な妖怪たちと共に、互いに影響を受けながら人間は生活している、

そんなイメージ豊かな世界観です。


同時収録番外編「古山茶」「笹魚」は、箸休め的可愛い短編


本編のその後の主人公カプを描いた微笑ましい短編です。

どちらかと言うと、「笑い」に寄せたラブコメになっています。

「古山茶」は亮一郎の勤める大学の職員に物の怪が取りつくストーリー。

「笹魚」は山にお花見に行く物語で、箸休めのような小編です。


ま と め


主従カプが主人公の、レトロな味わいの和風ボーイズラブ小説です。

妖怪など人外が登場するファンタジーでもあります。

何度も読み返したくなる趣のある素敵な作品です。




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感想(0件)




最後まで読んでいただきありがとうございました(*^▽^*)








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