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2018年10月31日

創作童話『くろねこ』

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『くろねこ』



小学2年のタカシが一人で学校から帰っていた時のこと。


一匹の黒猫がうしろからすーっとタカシを追い越していった。


まるでついておいでと言うように、黒猫はふりかえる。


タカシは少しぞっとしたが、だまって黒猫についていった。


『だいがく』とよばれる場所にきた時、タカシは立ち止まった。


お母さんから入っちゃいけないよ、と強く言われていたから。


タカシが帰ろうとすると黒猫がニャーと鳴いた。


その時つよい風がピューっとふき、タカシのぼうしが飛ばされてしまった。


しかたなく帽子をとりにいくと、タカシは『だいがく』の中に入ってしまっていた。


思っていたより広くて大きな場所だった。


黒猫が走ったのでタカシも走った。


そして、小さな部屋へ飛び込んだ。そこには、おばあさんが一人いて、お茶を立てていた。


「おやまぁ、小さなお客さんだこと。ここへきてお茶をおあがりなさいな」。


黒猫はおばあさんの横に寝そべっている。


タカシはごくりとつばをのみこみ「いらない」と言った。


「かわいくないね」おばあさんは怒ったみたいだった。


タカシがきょろきょろしながら「この部屋狭いね」と言うとおばあさんは無言でお茶のお茶碗を割った。


タカシがびっくりして帰ろうとすると部屋の入口が閉まっていた。


「かえれないよ」黒猫がしゃべった。


タカシは「出して、ここから出してよう!」と叫んだ。


「こんなところについてくるお前がわるいんだ」黒猫が叫ぶ。


「お母さんに、入ってはいけないと言われていたのに」


「だって帽子が」


「いいわけをするんじゃない」


いつの間にかおばあさんが黒猫にのりうつっていた。


タカシは泣き出した。


「ゆるして!ゆるしてよう!」


「だめだ」黒猫がギロッとにらむ。


「ぼくの宝物をあげるから!お願いここから出して!」


「たからもの?宝物ってなんだ?」


「お父さんに買ってもらったサッカーボール!」


「そんなものはいらん!わしが欲しいのは」


「欲しいのは?」


「若さじゃ」


「若さ?」


「そうじゃ、若さじゃ」


「いいよ、ぼくは若いから。ぼくの若さを君にあげるよ」


次の瞬間、黒い煙が部屋いっぱいに立ち込めてタカシは目をつぶった。


四秒数えてから目をあけると、目の前に小さな子猫が一匹ないていた。


その子猫をさわろうとした自分の手を見た時、タカシは悲鳴をあげた。


しわしわのしみだらけのおじいさんの手だったから。


(おしまい)





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齋藤なつ(ペンネーム)

東京女子大学卒業。高校1年の時、経団連主催の感想文コンクール『アイズオンザプライズ』で金賞受賞。広告代理店のコピーライターを経て、シナリオの勉強をする。過去にTBSシナリオ大賞一次予選通過、ヤングシナリオコンテスト一次予選通過。数々の童話、小説のコンクールに応募中。






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